第134回【酒精強化ワイン】その②ポートワインの知識

【ワインの発展知識編】


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前回では酒精強化ワインの意味・種類について解説しました。

そんないくつもある酒精強化ワインの中でも、
ポートワイン
シェリー
の2つはよく耳にしますし注目も集めつつあると感じたので、ちょっとくわしめの解説が必要かと思いました。

というわけで今回はポートワインについて解説させていただきます。

 

1、ポートワインとは?

ポルトガル語ではヴィーニョ・ド・ポルトと呼ばれ、
英語でポートワインです。

ポルトガル北部のドウロ川周辺で収穫されたブドウのみを使って造られた酒精強化ワインを、ポルト市の決められた地区でブレンドし熟成させたものです。

ポートワインは前回解説したように、アルコール発酵の途中でブランデーを添加するため、ブドウの糖分の甘味を残した味わいとなります。


ちょっとわかりにくいかもしれませんが、【ヴィーニョ・ヴェルデ】の最南端を通っているのがドウロ川です。

つまりこのドウロ川を起点にポートワインは生産されます。

 

2、ポートワインの種類

ポートワインは主に【3種類】に分類されます。

《1、ルビーポート》

鮮やかなルビー色でポートワインの定番です。
渋味のある力強い味わいとフルーティな香りと甘味があります。
開栓後10日あたりで味わいの劣化が始まります。

《2、ホワイトポート》

白ワイン系ポートです。
ほどよい酸味がありバランスの良い味わいです。
開栓後10日あたりで味わいの劣化が始まります。

《3、トウニ―ポート》

酸化熟成という工程を行うため色の濃いポートです。
味わいは丸く柔らかさが感じられます。
開栓後1ヶ月程度は品質が安定しています。

 

3、シッパーとは?

ポートワインはドウロ川上流の醸造所で造られると、下流のポルト市へ運ばれます。
そしてシッパーと呼ばれる商社の倉庫に運ばれ、そこで各ブランドのブレンダー達によってブレンドされ、上記の主な3種のポートワインに分けられ熟成し完成します。

よってポートワインの味の違いが出るのは、ブドウの種類よりもシッパーだと言われています。

【有名なシッパー】

サンデマン
お手軽ポートワインで料理用にも使われます。日本では一番人気です。

フェレイラ
ポルトガル国内最大の生産者で、最も偉大なワイナリーと言われています。

グラハム
余韻の長い甘口ポートワインを生むことで有名です。

カレム
ポルトガル国内では第1位のシェア。コスパに優れたポートを生んでいます。

4、赤玉ポートワイン はポートワイン?

《答え》
赤玉ポートワインはポートワインではありません!!

1907年に日本で現在のサントリーが発売したもので、スペイン産ワインに甘味料などを添加して造った甘未果実酒です。

しかし1973年にポルトガルからポートって言うな!!
(もっと違う言い方だと思いますが(笑))と言われて改名する事になりました。

現在は赤玉スイートワインという名で販売されています。

昔はカリフォルニアでシャブリやブルゴーニュのを名乗ったりもしてました。
このような事は世界中で起こったため、法律を整備し産地の信頼を守るようになったんですね。

 

【まとめ】

・ポルトガルの規定に従って造られる【甘味を残した酒精強化ワイン】であるポートワインは【シッパー】によって味わいに差がある。

・【赤玉ポートワイン】は【赤玉スイートワイン】になっていた!!

 

以上です。

いかがでしたか?
食後にポートワインなんてとってもおしゃれですね。
シッパーの違いやルビー、ホワイト、トウニーの違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

それから赤玉ポートワインは懐かしさを感じますね。

赤玉スイートワインになっていた事は今回知りましたが(笑)

久しぶりに飲んでみたらノスタルジックな気分が味わえそうです。

いろんなワインを楽しく味わいたいものですね。

 

 

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