あなたは酒精強化ワインは好きですか?
酒精?何のこと?
という方も多いのではと思います。
今回はそんな酒精強化ワインについて解説していきます。
酒精強化ワインとは?
《フォーティファイドワイン》とも呼ばれます。
フォーティファイは強化するという意味を持っており、アルコール(主にブランデー)をワインに添加することでアルコール度数を高めた(強化した)ワインの事です。
【なぜアルコールを添加する?】
ヨーロッパ南部などの気温が高い地域では、高温でワインの保存が難しかったため、アルコール度数を高くすることで保存性を高める目的で造られました。
通常のワインはアルコール度数12~14%程度のものが多いですが、酒精強化ワインは18%前後のものが多いです。
さて、上記のような酒精強化ワインですが、
【アルコールを添加するタイミング】によっても分類されています。
それはアルコール発酵をする【前】【途中】【後】の3つです。
アルコール発酵をさせる酵母はアルコールに弱いため、アルコールを添加した時点で死んでしまい、その時点で発酵終了となります。
復習ですがアルコール発酵というものは酵母によって糖分がアルコールと炭酸になる発酵です。
よって、アルコール発酵を終えてない時点でアルコールを添加して酵母を止めてしまえば、糖分を残した甘口となり発酵を終えてからアルコールを添加すれば辛口となるわけです。
※この他にも甘辛の理由はありますがここではザックリと。
それではアルコールを添加する3つのタイミングによって分けられる代表的酒精強化ワインについて解説しましょう。
有名な酒精強化ワイン
《1、発酵前の果汁に添加する》
ブランデーのブドウジュース割ですね。
ワインと呼べるのか!?(笑)
南フランスでよく見られる【VDL(ヴァン・ド・リキュール)】が有名です。
《2、発酵途中で添加する》
一番多く見られます。
ポルトガルの【ポート】や【マデイラ】フランスの【VDN(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)】イタリアの【マルサラ】などが有名です。
《3、発酵後に添加する》
スペインの【シェリー】が有名ですね。
それでは有名な酒精強化ワインを一つ一つ簡単に解説しましょう。
【VDL(ヴァン・ド・リキュール)】
ブランデーの産地で有名な《コニャック》《アルマニャック》などで造られます。
コニャックの【ピノ・デ・シャラント】
アルマニャックの【フロック・ド・ガスコーニュ】が有名です。
甘口で食後酒などに向いています。
【VDN(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)】
南フランスで多く造られる酒精強化ワインです。
熟成期間が2~3年のものはやや粗く、10年以上のものはなめらかで深い味わいがあります。
南フランスの【バニュルス】や【ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ】が有名です。
【マデイラ】
ポルトガルのマデイラ諸島で造られます。
特徴的なのは30℃~50℃程度の熱を加えて3ヶ月~中には100年もの期間熟成させ、独特の香りコクを持っています。
また、甘口・辛口はブドウ品種で分けられており、
《セルシアル》は辛口
《ヴェルデ―リョ》は中辛口
《ボアル》は中甘口
《マルヴァジァ》は甘口
となります。
【マルサラ】
イタリアシチリア島で造られる酒精強化ワインです。
白ブドウ・黒ブドウ共に多くの品種の使用が認められており、
白ブドウ系の【オーロ(金色)】と【アンブア(琥珀色)】
黒ブドウ系の【ルビーノ(ルビー色)】
の3種があり、甘口~辛口。熟成期間も1年~10年のものまであります。
【ポート】と【シェリー】は有名でファンも多く、解説ボリュームも大きくなりますから、次の回から分けて解説させていただきます。
【まとめ】
・酒精強化ワインはアルコールを添加し保存性を高めたワイン。
・アルコールを添加するタイミングでおおよそ甘口~辛口が決まる。
・【発酵前】と【途中】にアルコールを添加すればは甘さを残しており、
【発酵後】に添加すれば辛口になる場合が多い。
以上です。
ちょっと強めのお酒が飲みたい時にブランデーやウイスキーも良いですが、これらの酒精強化ワインを選択肢の一つに入れてみてもなんだかオシャレですね。
あなたのワインのある生活の一助になれば嬉しく思います。
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