カンパーニャ州の隠れた銘酒!?
口コミの量は少なく知名度も低い生産者なのかもしれませんが、このワインを実際口にした熟練者の方々の満足度は目を見張るものがありました。
実は私も飲んで「これは中々凄い」と思った経験があったので、皆様の高評価にも納得できるものでした。
小規模生産者ですから、有名になって買えなくなるのも困りますが、このブログを読んでいただいている方にはこっそりお伝えさせていただきます。(笑)
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》イ ペントゥリ フローラ ファランギーナ
《価格》
【3000前後】
《ブドウ品種》ファランギーナ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>カンパーニャ州
《生産者》 イ ペントゥリ
イ ペントゥリはカンパーニャ州のべネヴェントにある家族経営のワイナリー。
2002年に設立されており、小規模ながら丁寧なワイン造りで定評があります。
ワイナリー名は、所在しているエリアに住んでいた古代サムニウム人の部族名「イ ペントゥリ」に由来しています。
《味わいの特徴》
円熟したリッチな風味
充実し気品漂うエレガンス
このワインは熟した果実や黄色い花に蜜も加わった非常にリッチな風味を持ちつつ、キレイな酸やほろ苦さが豊潤さ引き締めることで上品でドライな飲み口も表現しています。
また、洗練された雑味の無さや凛としたミネラル感は、豊潤さの中にエレガントさや気品ある味わいが感じられます。
【外観】
輝きのある黄金色
【香り】
黄桃、熟したリンゴ、グレープフルーツなどの豊潤な果実香に、黄色い花の華やかさや蜂蜜のニュアンスもハッキリ感じられ、石灰を思わせるミネラル香も垣間見えます。
【味わい】
凝縮された果実味は上品な蜜のようなコクのある甘味を伴ったミディアム~フルボディーの飲み口。キレイな酸味とほのかな苦味が引き締めることでドライで気品ある味わいを表現しており、雑味の無いピュアな味わいは濃厚ながら滑らかな飲み口。心地よい果実の風味を残した優雅な余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
使用されるファランギーナは、桃、パイナップル、熟したリンゴ、花などのキレイな香りがあり、凝縮された果実味を酸が引き締めるバランスの良い味わいを持ったワインを生む傾向です。
■土壌の個性■
畑は丘陵地の南向き斜面で石灰岩を含む粘土質土壌。
南向きの畑は豊富な日照量があり、ブドウに豊かな果実味を与えます。
石灰を含む土壌はワインに鉱物的なミネラル感を与え、味わいに奥行きをもたらします。
■樹齢が高い■
このワインに使用されれるブドウの樹の樹齢は高く、若い樹に比べて土壌のエキスを吸い上げる能力が高いなど、上質なブドウを実らせるのが古木(ヴィエイユヴィーニュ)の特徴です。
■自然なワイン造り■
化学肥料や農薬を使用しない栽培を実践し、土地の天然酵母など様々な微生物などの働きが加わった健全で成分豊かな土壌にしています。
そんな土壌のエキスを吸い上げたブドウは、機械を使わずブドウを傷つけない丁寧な手摘みで収穫されます。
また、醸造においては人工的に培養された酵母ではなく、土地に自生する酵母の働きで発酵させます。
これらの理由で土地の個性を表現した充実したワインが生まれます。
■ステンレスタンクで熟成■
発酵を終えたワインは10ヶ月間ステンレスタンクで熟成されます。
もちろん樽の風味は付かず、密閉性が高く酸化防止効果のあるステンレスタンクはブドウのピュアな風味がストレートに反映されます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、広がる風味が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~12年
※一般的傾向や口コミから推測
※熟成させるほど蜜のようなコクのある旨味が増す傾向
《適正グラス》
【中庸~大ぶりのグラス】
香り豊かで充実感ある味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく温度も上昇しやすいグラスが向いており、豊かな芳香と広がる味わいを存分に楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
クアトロフォルマッジにハチミツをかけて
豚肉のハーブグリル
ブルーチーズ
白ワインですがリッチでボリューム感があるため、比較的強め味わいの料理との相性が良く、ワインの円熟した風味が料理に寄り添います。
また、塩味の強いロックフォールやゴルゴンゾーラなどのブルーチーズにもよく合います。チーズの塩味がワインの甘味を引き立てると同時に、ワインがチーズの旨味を引き立て、甘美なマリアージュが楽しめます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントは見当たりませんでした。
【良い口コミ】
想定外に素晴らしいワインに出会いました。3年熟成の2017は明るいライトゴールドで粘性の豊かさは充実ぶりが窺える。黄桃や夏みかんなどの熟した果実に蜂蜜、黄色い花の華やかさに石灰系のミネラル香もあります。香りから連想される通りの凝縮感溢れる果実味は旨味たっぷりで、同時に強めの酸も広がり、後口に感じられる苦味やスパイシーさも濃いめの味わいをさらに充実させていますね。
3年熟成の2018は蜂蜜や桃のコンポートのような魅惑的芳香で、味わいも香りの印象通りなんだけど穏やかな渋味が芯のある味わいも表現。余韻も長くゆったりと楽しめるワインです♪
2年熟成の2017は蜜のニュアンスが印象的な銘柄。とは言っても高級でスッキリとした蜂蜜といった感じで桃のニュアンスもありますね。よ~く冷やせばキリッとした美味しさが楽しめ、温度が上がるほどじんわり広がる甘美さが出てきますね♪
3年熟成の2017は期待値が高まる黄金の液体。溢れんばかりの花の香りと蜜のようなコクのある甘味で、ラフランスのような瑞々しさのある味わい。非常に存在感のある味わいはワイン単体でも確立されているようで、特徴的なエチケットと相まって古代の権力者のみが口にする事ができる高貴な雰囲気さえ漂いました。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 20%
美味しい 50%
普通 30%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
口コミの量こそ非常に少ない銘柄でしたが、経験豊富な方々がこのワインを口にしており、高確率で満足あるいは感動される様子が伝わる銘柄でした。
私自身もこのワインの円熟し凝縮された美味しさには驚いた記憶があり、皆様の熱いコメントには納得できるものでした。
スッキリ系を求める方には甘味や旨味が強いので不向きとも言えますが、決してクドさの無い上品さもあり、カリフォルニアなど温暖な産地の濃いめのワインが好きな方に、是非試していただきたい銘柄だと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
イ ペントゥリ フローラ ファランギーナは
【価格】
3000前後
【味】
熟した果実や黄色い花に蜜も加わった非常にリッチな風味を持ちつつ、キレイな酸やほろ苦さが豊潤さ引き締めることで上品でドライな飲み口も表現。
また、洗練された雑味の無さや凛としたミネラル感は、豊潤さの中にエレガントさや気品ある味わいが感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~12年
※一般的傾向や口コミから推測
※熟成させるほど蜜のようなコクのある旨味が増す傾向
【口コミ】
口コミの量こそ非常に少ない銘柄だが、熟練者がこのワインを口にしており、高確率で満足あるいは感動される様子が伝わってきた。
私自身もこのワインの円熟し凝縮された美味しさには驚いた記憶があり、熱いコメントにも納得できた。
以上です。
イ ペントゥリはこの銘柄以外も生産しており、2000円弱のファランギーナやフィアーノの白ワインも似た味わい傾向で人気。
アリア―ニコなどの赤ワインも生産していますが特に白が好評な印象です。
情報が少ない小さなワイナリーですが丁寧なワイン造りをしており、その証がワインの味わいに出ているのだと感じています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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