シチリアの赤ワインの頂点。
ドゥーカ ディ サラパルータと並んで非常に口コミ満足度が高い傾向で、濃いめの赤ワインを求める方の選択肢に入れるべき銘柄だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ドンナフガータ ミッレ エウナ ノッテ
《価格》
【9000前後】
《ブドウ品種》ネロ ダーヴォラ主体
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>シチリア州
《生産者》 ドンナフガータ
ドンナフガータは高品質なシチリアワインの代表的生産者。
150年以上の歴史を持っており元々はマルサラの生産者でしたが、2021年現在オーナーであるジャコモ ガッロ氏が1983年から上質なワインを造りはじめました。
独特のラベルデザインやワイン名の由来、そして品質の高さで評価は上がり、シチリアはもちろんイタリアを代表するワイナリーのひとつと呼ばれるまでに成長しました。
今回紹介しているミッレ エ ウナ ノッテは、ドンナフガータを代表する看板銘柄。
イタリアを代表するガイドブック「ガンベロロッソ」で最高賞トレビッキエリを3年連続で獲得するなど、高く評価されています。
ちなみにワイナリー名である「ドンナフガータ」は「逃げた女」の意味で、19世紀初頭にブルボン朝の王妃マリアが、ナポリの革命を逃れてドンナフガータ社のある地へ逃げてきたという歴史に因んで名付けられたもの。
「ミッレ エ ウナ ノッテ」は「千夜一夜」を意味しています。
《味わいの特徴》
シチリアの最高峰
重厚かつ上品な味わい
このワインの特徴は、凝縮感ある果実味を主体に様々な要素が多層的に感じられる重厚な味わいでありつつ、洗練された雑味の無いピュアさや、味わいをまとめる酸やタンニンのバランスも良いことで上品さも合わせ持っているところ。
非常に完成度の高いワインで、シチリアの赤ワインの最高峰と呼べる銘柄です。
【外観】
中心部が黒に近い深いルビーレッド
【香り】
プルーンやカシスにレーズンを思わせる凝縮感ある果実の豊潤な香りに、スパイスやカカオのニュアンス、インクや土の香りも加わった複雑で心地よい芳香が広がります。
【味わい】
凝縮感ある果実味は程良い甘味とコクを伴い、豊富でシルキーなタンニンと丸みのある酸味と共に多層的かつエレガントな味わいを表現。複雑な風味と透明感ある味わいは、重厚でありながら自然に流れるようなスムースさがあり、心地よい余韻が長く続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに主体的に使用されるネロ ダーヴォラは、濃厚なワインを生むシチリアの主要品種。
非常に濃い色調で、濃厚な果実味と豊富でシルキーなタンニンと穏やかな酸があります。
ブラックベリーやプルーンなどの熟した果実の風味に、チョコレートやインクのニュアンスが現れる場合もあり、充実した成分は長期熟成に耐えるポテンシャルも持ち合わせています。
■自然な栽培■
自然界に敬意を払うドンナフガータは、農薬や化学肥料は使いません。
土地の天然酵母など、様々な生物たちの営みが反映され土壌は健全で成分豊か状態になり、そのエキスを吸い上げたブドウはピュアで充実感あるワインを生みます。
■小樽で熟成■
大樽に比べてワインとの接触面積が広く、樽の風味が反映しやすい小樽(バリック)で14ヶ月熟成後、瓶内で24ヶ月熟成されます。
そのため、樽に由来するコーヒーやスパイスの風味が広がりますが、凝縮感あるブドウの風味とのバランスにも優れています。
※情報の少ないワインでしたが、ブドウを熟知し最新のテクノロジーを駆使したワイン造りで高い品質を維持しています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち引き締まった印象。エレガントな飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ふくらみのある優雅な味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から5~25年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く香りと味わいを感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛サーロインステーキ
キンキの煮付け
ワイン単体でも楽しめる充実感がありますが、上質でコクの深い味わいの料理と合わせる事で、さらに互いの味わいを高め合うマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
黒系果実、ドライフルーツ、スパイス、コーヒーなどの複雑な芳香。6年熟成の2012は若タンニンの角が無く重厚かつまとまりある味わいを表現しており、後半にかけて爽やかなニュアンスが感じられるところがシチリアらしい。非常に良いワインだとは思いますが、好きなタイプではないです。。。
【良い口コミ】
濃い~ワインが好きならこのワインは知るべき!!6年熟成の2011は、かなりツボ♥
1997は20年の熟成でエレガントに♪上品な香りとしなやかな飲み口で、ジビエ料理とのペアリングも良かった♪
流石です。4年熟成の2015はただ強いだけでなく、多層的な重厚感で複雑。雑味も無く気品ある味わいで美味しかった。
ネロダーヴォラでこんなに美味しいワインがあるとは驚き!6年熟成の2011は幸せな時間を私にくれました~~♪♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 14%
美味しい 83%
普通 3%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常に完成度が高く、安定して高評価を獲得している印象です。
感動的評価は少なめですが、重厚かつ上品さも兼ね備えたバランス良い味わいに満足するコメントが大半。
唯一のネガティブコメントも好みとはズレるというもので、ワインとしての出来は良いというものでした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ドンナフガータ ミッレ エウナ ノッテは
【価格】
9000前後
【味】
凝縮感ある果実味は程良い甘味とコクを伴い、豊富でシルキーなタンニンと丸みのある酸味と共に多層的かつエレガントな味わいを表現。
複雑な風味と透明感ある味わいは、重厚でありながら自然に流れるようなスムースさがあり、心地よい余韻が長く続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
安定して高評価を獲得しており非常に完成度が高い印象。
感動的評価は少なめだが、重厚かつ上品さも兼ね備えたバランス良い味わいに満足するコメントが大半。
唯一のネガティブコメントも好みとはズレるというもので、ワインとしての出来は良いというものだった。
以上です。
濃厚な赤ワインはカリフォルニアやボルドーやトスカーナにも多く存在しますが、シチリアの銘酒はちょっと珍しく、プレゼント等にしても興味深いと喜んでもらえるかもしれませんね。
もちろん品質も安定して高水準で、エチケットもお洒落なので安心感もあるのではないでしょうか。
ただし。。。売っていれば。の話ですが(苦笑)
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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