『自社のワインによってブルゴーニュ・ワイン全体の印象や評価が決まってしまう』
これはルイ・ジャド社の言葉で、それだけの責任を背負っている事を自覚している言葉と言えます。
非常に生産量も多く、実際ルイ・ジャドのワインに出会う確率は高く、世界中の消費者にとって初めて飲むブルゴーニュ・ワインがルイ・ジャドになるかも知れないと考えるルイ・ジャド。
言葉だけでなく、常に良いワインを生むための努力を継続しており、私を含め多くの方々に高評価されているワインを数多く生み出しています。
今回紹介するマルサネ・ブランも非常にクオリティーの高く、消費者の皆様の評価も高かったので紹介する事にしました。
マルサネにおいて白ワインはわずか10%未満の生産量ですから、ちょっと珍しいワインとも言えます。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ルイ ジャド マルサネ ブラン
《価格》
【3400~3700円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>マルサネ
《生産者》 ルイ・ジャド社
《特徴》
豊潤でミネラリーでキレが良く
複雑な風味も持ち併せる
このワインの特徴は、爽やかな果実味・ふくよかでフルーティな果実味・豊富なミネラル感・樽に由来する芳ばしい風味・生き生きとした酸・心地よいコク。
これらの要素が高次元でバランスを保っているところで、どれか特徴的な味わいがあると言うよりは、全体の総合力でミディアムボディの味わいを表現しているところにあると感じます。
※ミネラル感とは、カリウムやマグネシウムといったミネラル分を多く含んだキリッと芯のある味わいで、硬水をイメージするとわかりやすく、キーンとくる感じです。
これは土地の個性を最大限に引き出すことをポリシーにし、最先端の設備と技術を駆使している一流生産者のルイ・ジャドらしいバランス感覚に優れた品質と言えます。
また、熟成によって違う魅力が現れるワインですから、そのような変化を楽しむ事もおすすめできます。
【外観】
輝く黄金色。
熟成するほど濃い色調に変化していきます。
【香り】
柑橘フルーツの爽やかさに、バナナやパイナップルなどのフルーティな果実香も感じられ、樽に由来するナッツ類の芳ばしさや金属類を思わせるミネラリーな香りも感じられます。
熟成するほどフレッシュな果実香は落ち着きを見せ、蜂蜜を思わせる甘やかさも加わり、円熟味ある香りになります。
【味わい】
柑橘類の爽やかさと熟した果実の豊かな旨味が心地よく、樽に由来するナッツ類の風味も感じられます。
豊富なミネラル感は凛とした質感を表現し、生き生きとした酸味は味わいをまとめ、それらの風味を残した余韻が心地よく続きます。
熟成するほど成分は溶け合いまろやかになり、円熟味を感じさせる深さと旨味のある質感に変化していきます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~14℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快さが増します。
温度を上げるほど、果実の甘味や複雑な風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなります。
ブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2003年 2
2004年 4
2005年 4
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる複雑な風味を楽しむために、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
天然真鯛のカルパッチョ
舌平目のムニエルをバタークリームソースで
など、比較的繊細な素材をオイルやバターなどを使って、コクのある味付けをした料理などと合わせる事で、豊かで複雑な風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
【ワンランク上のシャルドネを選ぶ時】
冷涼なマルサネの上質なシャルドネから造られるこのワインは、ふくよかな果実味と凛と引き締めるミネラルと酸味、そして心地よい樽の風味が複雑性を高めた上質なシャルドネです。
ワンランク上の料理に合わせるのであれば、このような上質なシャルドネは候補にしても良いのではないでしょうか。
また、熟成によっても深みが増し円熟味のある味わいが楽しめますから、そのような熟成に耐えるポテンシャルを持ち、変化も楽しめる上質白ワインとも言えます。
【珍しいワインを選びたい時】
白ワインと言えば有名産地はどこでしょう?
シャブリ、ムルソー、モンラッシェ、ロワール各地、カリフォルニアなどのニューワールド、日本などいろいろありますが、マルサネと言う方は少ないというかほぼいないでしょう。
実際生産量も少なく市場で見かける事もほぼ無いですね。
そんな訳で希少性も高いワインですから、持ち寄りのワイン会などでこのような珍しく、しかも上質なマルサネブランを登場させたら、なかなかおもしろい選択をすると一目置かれるかもしれませんし、「ふ~ん。」で終わるかもしれません。(笑)
《こんな場合には不適切!?》
【とてもカジュアルな場面で】
まあまあのワインですから、あまりカジュアルすぎる場面には合わないですね。
ワインに興味の無い人達との集まりで、とんちゃんでも囲みながらビールのコップでこのワインを飲んでしまっては残念でしょう。
「マルサネ?あ、そう。そんな事よりこのニュー柳屋のとんちゃんうめーな!!」
と、なります。
ワインの良さがわかる人と、ちょっとお洒落な場面で楽しみたいですね。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「柑橘類の爽やかな果実香に樽に由来するナッツの芳ばしさ、ミネラル感もたっぷりです。非常に豊かで複雑、リッチな気分を存分に楽しめるワインですね。」
「樽香がいいね!!コクのある料理とよく合うぜ。だけどとんちゃんにはビールだな(笑)」
「5年目の2012は豊かなコクに骨格も感じさせる味わいを強めの酸が引き締める。いいワインですね。」
【悪い口コミ】
「このワインはちょっと熟成させた方が良いかも。若いうちも悪くはないけどね。」
「非常にミネラリーなワインだね。果実味は比較的穏やかだから金属的な印象の質感。悪くはないけど普通かな。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 5%
美味しい 60%
普通 35%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
このワインは飲んでいる人数こそ少ないものの、飲まれた方の評価は高く無言の高得点を付ける方もいました。
そして20程度の口コミではありましたが、マイナス要素を含む言葉もありますが、そのようなコメントをする方もワインとしての評価は平均的としており、ルイ・ジャドの隙の無い造りが全体的に高評価を得る結果となっているのだろうと感じました。
以上です。
このワインは良いワインだと思いますが、あまり売っていないため下のリンク先も売り切れていたらごめんなさい。
いつでもどこでも買えるワインも便利で助かり、そこが魅力でもあります。
しかし中々手に入れにくいワインというのもまた、特別感が増して飲む時の嬉しさが増すというものです。
あなたの選択肢の一つにマルサネ・ブランがこうして加わったことに喜びを感じます。
ありがとうございました。
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