ブルゴーニュでパーカー100点満点を獲得経験のある数少ない生産者。
グランクリュから広域ブルゴーニュ・ルージュまで生産しますが、どのクラスのワインも高品質で、差が大きくないところも特徴的。
それは、所有する畑がわずか6haという事で、一家総出で全ての畑を管理しており、全ての畑で手を抜くことなく栽培から醸造までを行っている事によります。
今回紹介する村名ワインは、実際飲まれた方の口コミ評価も非常に高く、他の生産者の村名ワインのレベルを超えている印象。ジュヴレ・シャンベルタンのトップクラスを味わいたいのであれば、このワインは選択肢に入れるべきと感じました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 クロード デュガ ジュヴレ シャンベルタン
《価格》
【11000~20000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
《生産者》 クロード・デュガ
《特徴》
充実感あるエレガンス
男性的風格も感じる
このワインの特徴は、凝縮感ある豊かな成分を持った男性的な印象を与える品質にあります。
そのクオリティーの高さは、村名ワインと言うよりはプルミエクリュをイメージした方が近いです。
そのようなクオリティーの高いワインが生まれる理由は、小規模で丁寧にワイン造りに取り組んでいるからで、「ブドウの出来がすべて」と語るクロード・デュガの姿勢にあります。
具体的には、土を踏み固めブドウを傷つけかねない農耕機械を使用せず、農耕馬を使っている事や、ブドウのエキスを凝縮させるために、強めの剪定を行い、選ばれたブドウに集中的に成分が集まる事などが挙げられます。
そしてそのブドウを100%手摘み収穫することで、ブドウを傷付けず健全な状態を保っています。
【外観】
美しいルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
ラズベリーにブルーベリーやカシスなどのフレッシュでフルーティな果実香に、バラやスミレの華やかさ、樽香もほのかに感じられます。
熟成が進むほど果実香は落ち着きある甘やかなニュアンスになり、土に革製品、獣に血液を思わせる熟成香も加わり複雑さが増します。
【味わい】
充実感のある果実味は豊かで旨味も感じられます。
豊富なタンニンは骨格ある質感を表現し、引き締める酸味は味わいをまとめ、優雅な余韻が長く続きます。
熟成が進むほど成分は溶け合いなめらかさが増し旨味も強くなります。
複雑な風味の増した円熟味を感じる味わいは、妖艶で官能的な品質に成長してゆくでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された複雑な香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
美しい外観と香りを持ったスケール感あるワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がり甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
鴨のみそ鍋
など、上質な素材でコクのある味わいの料理に合わせる事で、華やかで複雑な風味の広がる極上のマリアージュが楽しめるでしょう。
クロード・デュガの獣っぽさもある風味は、ジビエにもよく合いそうです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
【ジュヴレ・シャンベルタンの最高峰を味わいたい方】
クロード・デュガはジュヴレ・シャンベルタンのトップクラスの生産者と呼べるでしょう。
そのような生産者の造る村名ワインは、通常の村名ワインの次元を超えた、最高峰の味わいを体感できるでしょう。
【贈り物などに】
ワインに詳しい方ならば、クロード・デュガのワインをもらって喜ばない人などいない。たぶん。。。
味わいも含めて別格の存在は、大切な方への贈り物や、特別な日に特別な方と楽しむワインとしても、十分に力を発揮してくれるでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「これはいいワインだね。スミレやベリー系果実にインク、獣っぽさもある香りはブルゴーニュらしさを感じる。味わいはまろやかで旨味も豊か、変化していく味わいも楽しめる。6年目の2012は飲み頃だ。」
「やはりデュガは村名の域を超えていますね。決して重すぎる事はないが凝縮感があり、旨味も豊か。ベリー系果実にドライフラワーや樽のニュアンス、獣っぽさもある。とても男性的な印象で贅沢なワイン。5年目の2014でした。」
「10年目の2009は深いガーネット。落ち着きある果実香に土や革のニュアンス。初めはやや硬さもありましたが、徐々に甘味や旨味が増し、コーヒーのような風味も加わります。酸味やタンニンなどの溶け合った円熟味のある味わいがうまく表現されています。」
【悪い口コミ】
「18年目の2000。デュガはガッシリしていて親しみにくいイメージもありましたが、18年経過でしなやかになりとてもエレガントで心地よい。村名ワインの域は超えているが、お値段も域を超えている。(笑)これではなかなか手が出せないな~。」
「なんでしょう・・なんだか馴染めない印象ですね。4年目はまだ早かったのでしょうか。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 14%
美味しい 63%
普通 23%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
若い段階で飲んだ場合、やや硬さがあり成分の溶け合いが浅いというニュアンスと、値段がちょっと高いというマイナスイメージの口コミも一部で見られましたが、大半の方がクロード・デュガの豊かな品質に満足している様子で、5年以上熟成させたものが特に美味しく、評価も高い傾向がありました。
しっかり目で男性的なジュヴレ・シャンベルタンを感じたい方におすすめすべきワインです。
以上です。
ブルゴーニュを極めたいと思ったならば、やはりこのクロード・デュガは飲まないわけにはいかない生産者。
金額も中々で気軽にひょいひょい買えるワインではなく、そもそもあまり売っていないワインでもありますが、特別な場面を特別感ある味わいで盛り上げてくれるワインでもあります。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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