ロマネ・コンティ。
ワインに全く興味が無くとも、その名は知っているというほどの知名度の高さで、知名度はもちろん品質そして価格も世界最高のワインである事は周知の事実。
そしてワインを志す方にとっては、生涯に一度は口にできたらいいなという存在であり、憧れの存在ではないかと思います。
そんなロマネコンティを生み出している生産者こそが、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ【Domaine de la Romanee-Conti】であり、【DRC】と呼ばれるわけですね。
そんなDRCが生み出すワインは、モノポール(単独所有)であるロマネ・コンティやラ・ターシュをはじめとしていくつか存在します。
今回紹介するのはそのモノポールの一つロマネ・コンティです。
言わずと知れた世界最高額で取引される偉大なワインです。
ヴォーヌ・ロマネで多くの方に飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、DRCの生産するワインは全て多くの方に飲まれ、そして秀逸な評価を受けているものばかりでした。
というわけで、DRCのワインについては全銘柄を紹介させていただく事になりました。
正直経験値も浅く未熟な私が、DRCのしかもロマネ・コンティを解説するというのはとてもおこがましく気が引ける思いなのですが(他のワインも全部そうなのですが)、客観的視点から見ての解説という事でご容赦いただけると幸いに思います。
《ワイン名》 DRC ロマネ・コンティ
《価格》
【150万~600万円】
※2021年現在のリサーチで、ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ヴォーヌ・ロマネ>ロマネ・コンティ
《生産者》 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
《特徴》
言葉を選べませんでした
ロマネ・コンティを飲んだ事もなく、経験が浅い私にはロマネ・コンティの特徴を短い言葉で表現することがどうしてもできませんでした。
ラターシュまでは、何とか恐れ多くも言葉を選ばせていただきましたが、ロマネ・コンティだけはどうしても「やってはいけない!!」というリミッターが掛かってしまいました。申し訳ございません。
よって、別格の品質になる理由だけを述べさせていただく事になります。
■最上のテロワール(ブドウを取り巻く環境の全て)
DRCの所有するグランクリュは、土壌や気候を含むすべての自然環境において、ピノ・ノワールにとって最も優れていると言われます。
特にロマネ・コンティにおいては、他の生産者がうらやむほど優れた複雑な土壌を持っており、「神に祝福された土地」とまで呼ばれるほどです。
■ビオディナミ農法
農薬や化学肥料は一切使わず、畑を耕す作業も土を踏み固めてしまうトラクターは使わず、農耕馬を使っています。
また、天体の動き(太陰暦)に合わせて農作業を行う事も厳格化されており、ありのままの健全で成分豊かな土壌が維持され、その成分を存分に吸い上げた上質なブドウが実ります。
■厳しい収量制限
1本のワインを造るのに3本のブドウの樹が使われるというほど、DRCでは厳格な剪定を行い収量制限が行われる事も有名です。
そうすることで、残されたブドウに成分が集中し、成分の充実したスケール感溢れるワインが生まれます。
■全房発酵
一般的にはブドウの粒のみを発酵させるのが主流ですが、粒の付いた枝のような部分を梗(こう)と呼び、その部分も含めて全て発酵させることも特徴的です。
それによって、滑らかなタンニンが得られ長期熟成に耐える事や、梗由来の独特の苦味や風味が加わり、複雑な味わいになります。
※この全房発酵は非常に難易度の高い手法としても知られ、適切に行わないと青臭さ・酸味・ギスギスしたタンニンが出てしまいます。
そのためには、梗の部分までしっかりと熟している状態にさせなくてはならず、菌の付きやすい梗を無農薬で健全に保つには非常に管理が緻密でなければなりません。
そのためこの手法を実践しているのは、DRCなどの極一部のトップ生産者のみというわけです。
【外観】【香り】【味わい】
についても、簡単な言葉で語ってはいけない、という指令が私に舞い降りてきました。
目に見えないワイン界の力が働いたようです。
よって、そのような部分は後で出てくる皆様の口コミからヒントを得て導き出していただければ幸いに思います。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
別格のスケール感溢れる風味を感じるには、このくらいの温度帯が最適でしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から10~40年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1978年 5
1979年 3
1980年 2
1981年 2
1982年 2
1983年 3
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 4
1988年 5
1989年 4
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
世界最高の香りと別格の味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で複雑な味わいを感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
このクラスのワインですと、なんだか料理に合わせるというのも少し違うようにさえ思えますので、ワイン単体でじっくり向き合うというのも一つの正解であるとも感じます。
ですから、あえて言うとすればというアプローチです。
和牛の赤ワイン煮込み
アワビバター
など、特に上質で豊かなコクのある味わいの料理に合わせる事で、優雅なワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑で官能的な風味の広がる至極のマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
世界最高のワインであり、誰もが知るワインではないでしょうか。
最上級の敬意を込めての贈り物、ワインを通じて最上のおもてなしをする場面に相応しいワインであると考えます。
世界で最も飲み手の心を揺さぶるワイン。
それがロマネ・コンティなのでしょう。
《こんな場合には不適切!?》
神聖な領域に達しているワインですから、場面を選ぶ必要があるのではないでしょうか。
ワインに興味が無い方と、なんでもない日に飲んでしまう方はいないと思いますが。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「ロマネ・コンティを悪く評価する具体的口コミはありませんでした。」
【良い口コミ】
「誰かが言っていたんだよ。完全なる球体ってね。その意味を19年の時を経た98から教えてもらったんだ。」
「ガーネットを帯びたルビーの外観。たくさんのベリー系果実にバラや革製品に土の香り、時間が経てば梅やキュウリのような青っぽさも感じ、圧倒的な要素の多さを感じます。タンニンは非常に滑らかで柔らかな質感であり、生き生きとした酸が味わいを引き締めます。余韻の深さと長さには圧巻で、いつまでも包み込まれているような幸せな時間でした。6年目の2011はまだ開ききってはいないのでしょうが、素晴らしい体験をできたことに感謝します。」
「このワインはなんだ!?全部持ってるのか?そして全部持ってることを決して威張ったりはしない。5年目の2013には包み込まれるような優しさがある。香り味わい共に刺激がなく、バランスというか全体の調和が完璧だ。」
「ほぼ50年の1970は透明感のある琥珀色。キノコにタバコ、ドライハーブに出汁といった熟成香が広がりますが、私の好きな紅茶の香りはやや弱まってきているように感じます。味わいのバランスは秀逸で、枯れかかった果実味をリキュールが補うような甘やかさ、酸もタンニンも十分に溶け込み穏やかで滑らか。最後に焦がしたニュアンスを感じるなんとも言えない余韻がたまらない。飲み頃も終わりを迎える老年のロマネの魅力を幸せいっぱいに噛み締める事ができました。」
「一口触れただけでこのワインが偉大である事は明白。38年の熟成を経た81年のロマネからはまだ若々しさも感じさせる。そして熟成によって引き出された味わいには、ワインの要素を全て感じるほどの力がある。やはり次元の違うワインだよ。このレベルだと、飲み手の経験値次第では無限の味わいを楽しめるんじゃないかな。」
という皆様の声でした。
※最初の人は悪い口コミが見当たらない私ですが。(笑)
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 90%
美味しい 10%
普通 0%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
やはりと言いますか世界最高のワインという事もあり、ほとんどの方が感動レベルの評価をされており、お酒というか通常のワインの次元を超えた、何か神聖な領域すら感じさせる力を持ったワインだと感じました。
飲んだ方々も、このワインを口にできた事自体に喜びを感じている方が多く、ワインに関わる人々にとって一つの終着点が、ロマネ・コンティを飲むことなのかもしれないと感じました。
以上です。
私もロマネ・コンティの前では、その偉大さに圧倒され執筆に非常に手が止まる思いでした。
実際、味わいの特徴を執筆するところで止まりすぎて(パソコンの前で50分停止)結局あきらめました。(苦笑)
ロマネ・コンティを語るというのは、ボクシングで言ったら世界タイトルマッチのリングに上がる事に近いのかもしれませんね。
いきなりボクシングの話をしてすみません。
元ボクサーだったので・・
私はボクシングでは世界タイトルのリングまではいけませんでした。
※世界戦を何度も果敢に戦った、身体能力も人格も抜群でしかも面白いの石原英康さんと拳を交えることができた所が最高地点です。
しかしワインの世界は生涯挑戦し続ける事ができます。
未熟な私ではありますが、世界戦のリングにも似たロマネ・コンティを語る事ができる、というところまで行けるように頑張ろう!!
と、身の引き締まる回となりました。
なんだか自分の話をしてしまって申し訳ございません。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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