ロマネ・コンティ。
ワインに全く興味が無くとも、その名は知っているというほどの知名度の高さで、知名度はもちろん品質そして価格も世界最高のワインである事は周知の事実。
そしてワインを志す方にとっては、生涯に一度は口にできたらいいなという存在であり、憧れの存在ではないかと思います。
そんなロマネコンティを生み出している生産者こそが、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ【Domaine de la Romanee-Conti】であり、【DRC】と呼ばれるわけですね。
そんなDRCが生み出すワインは、モノポール(単独所有)であるロマネ・コンティやラ・ターシュをはじめとしていくつか存在します。
今回紹介するワインはモンラッシェ。
言わずと知れた白ワインの頂点に君臨するもので、数ある生産者が生み出すモンラッシェの中でもDRCのモンラッシェこそが価格面においてもトップ、DRCの生産する9銘柄の中でもロマネコンティに次いで2番目に高額なワインです。
数ある生産者が生み出すモンラッシェの中で、日本の一般消費者の方々に多く飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、やはりDRCのモンラッシェは特別な存在感を放っており紹介しないわけにはいかないと感じました。
2020年現在における白ワインの頂点、それはDRCのモンラッシェと言えるのではないでしょうか。
《ワイン名》 DRC モンラッシェ グラン・クリュ
《価格》
【70万~150万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ピュリニー・モンラッシェ>モンラッシェ
《生産者》 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
《特徴》
比類なき凝縮感
エレガンスを併せ持った
白ワインの頂点
このワインは並の白ワインの次元を超えた凝縮感に満ちた果実感や深いコクを持っており、豊富なミネラルは気品に満ちた質感を表現。洗練された美しい酸は味わいのバランスを整え、パワフルさと繊細なエレガンスを両立した風味を表現します。
また、熟成によって円熟した甘露な味わいへと成長し、その味わいは白ワインの頂点の佇まいがあります。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■最上のテロワール■
世界で最も優れた白ワインを生む畑と呼ばれるモンラッシェには、気候や土壌など、シャルドネにとって最高のテロワール(ブドウを取り巻く自然環境の全て)が整っています。
そんなモンラッシェからは、凝縮感溢れる果実感がありながら豊富なミネラルと洗練された酸によって、気品に満ちたエレガンスも持ち合わせた別格のワインが生まれ、その品質は長期熟成にも耐える能力も十分に兼ね備えたポテンシャルを持っています。
■ビオディナミ農法■
農薬や化学肥料は一切使わず、畑を耕す作業も土を踏み固めてしまうトラクターは使わず、農耕馬を使っています。
また、天体の動き(太陰暦)に合わせて農作業を行う事も厳格化されており、ありのままの健全で成分豊かな土壌が維持され、その凝縮された成分を存分に吸い上げた比類なきなブドウが実ります。
■ヴィエイユ・ヴィーニュ■
土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質な果実を実らせる平均樹齢60年以上の古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)のブドウを使用しています。
■厳しい収量制限■
1本のワインを造るのに3本のブドウの樹が使われるというほど、DRCでは厳格な剪定を行い収量制限が行われる事も有名です。
そうすることで、残されたブドウに成分が集中し、成分の充実したスケール感溢れるワインが生まれます。
【外観】
輝くレモンゴールド。
熟成が進むほど濃いゴールド、そして琥珀色へと変化していきます。
【香り】
レモンやグレープフルーツなどの爽やかさにアンズの甘やかさ、白い花の華やかさにナッツ類や樽に由来するバニラ、石灰など鉱物的なミネラルのニュアンスも加わり、品格と優雅さを感じる香りが広がります。
熟成するほど円熟を思わせる果実やハチミツなどの甘露で魅惑的なニュアンスに、バターのような落ち着きある香りも加わり、飲み手を圧倒的な香りで包み込みます。
【味わい】
凝縮された柑橘系の果実味に強靭なミネラルと美しい酸味があり、品格とスケールを感じさせる同時に洗練されつくした繊細さ緻密さは、一切の雑味が無く抵抗なく舌の上を流れるようなエレガンスがあり、いつまでも続くような余韻は至福のひとときを飲み手に与えます。
熟成が進むほど果実味は熟した果実やハチミツの甘やかさが現れ、豊富なミネラルや美しい酸などが溶け合う事で、深いコクと優雅な味わいが口の中を満たし、全身を包み込むような至極の余韻が訪れます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガンス溢れる飲み口になります。
温度を上げるほどボリューム感の広がる優雅な風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1974年 1
1975年 0
1976年 4
1977年 1
1978年 5
1979年 4
1980年 2
1981年 1
1982年 3
1983年 3
1984年 1
1983年 3
1984年 1
1985年 3
1986年 3
1987年 3
1988年 3
1989年 5
1990年 4
1991年 2
1992年 4
1993年 2
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 2
1999年 3
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 2
2004年 4
2005年 4
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
※スケールと気品に満ちた品質ですから、しっかり向き合ってワイン単体で楽しむというアプローチも良いでしょう。
アワビバター
和牛のタタキ
など、上質でコクのある味付けをした料理などと合わせることで、洗練された気品溢れる風味とコクの広がりある至極のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
世界一の白ワインをお探しでしたらこのワインを選びましょう。
知名度・品質・金額の全てにおいて別格の存在であり、最上の場面を彩るに相応しい白ワインの頂点です。
ワインを愛する方、特に白ワインを愛する方への献上品。
生涯に一度は楽しみたいワインの候補などに相応しい特別感溢れるワインで、これ以上の白ワインは無いのではないでしょうか。
《こんな場合には不適切!?》
これほどの品格あるワインは最高の状態で楽しみたいものです。
適切な保存に飲み頃、合わせる料理や飲むグラス、そして一緒に楽しむ相手や場面にも気を配りたい最高の白ワインです。
生涯記憶に残るひと時をお楽しみください。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「ん?うまい事には違いないが、若い時の爽やかさや華やかさが好みかな?状態が悪いのか?経験値が浅く私には分析し辛い。26年熟成91。」
「今回で3度目のDRCモンラッシェ。16年熟成の03は蜜と栗の香りが広がるが、味わいは香りから連想される甘味が無くドライな印象。3年前に飲んだ同じ03の方がボリュームがあったような・・。」
【良い口コミ】
「一口含んだだけで全身を包むような芳香が広がり、豊潤であり深遠であり優雅であります。パーカーは最上のDRCは気絶するほど素晴らしい辛口白ワインだと言います。なるほどって思います。15年熟成の02、こんな体験は幸せ過ぎますね。」
「恐ろしいほどに完璧なワイン。21年熟成の96は抜栓直後から全開であり、強さだけが際立つ事もなくバランスがズバ抜けて素晴らしい。こんなワインの前では自然と頭が下がってしまうよ。」
「4年熟成の2013はまだまだ若く、柑橘類やミネラリーな香りが主体でやや閉じ気味。時間経過で白い花やナッツ類の香りが広がりだし、洗練されつくした果実味と酸はいつまでも余韻となり口の中を支配し続ける。なめらかな質感、エレガンスと凝縮感の両立、ブルゴーニュ白が持つべき全てを集めた驚愕のワイン。甘露さやキャラメル感は熟成後に現れるのでしょうが、磨き抜かれたような果実感や酸にミネラル感は、若きモンラッシェの格別な味わいを体感できました。」
「こんなワインに出会えるとは私は幸せ者だ。22年熟成の97はコルクの香りだけで圧倒的。味わいかい?そりゃ~もう鳥肌もんだね。時間が経つほどにどんどん開いてきて、気が付けばずっと笑みがこぼれる私がいたよ。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 64%
美味しい 23%
普通 13%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
一部で個体差あるいは状態の問題が影響したかと思われるような、期待ほどではなかったというニュアンスの口コミもありましたが、大半の方がその圧倒的スケール感とバランスを持ち合わせた品質に感動を覚えるレベルの評価をされており、名実共に白ワインの頂点である事が、経験豊かな皆様の口コミから伝わってきました。
DRCのモンラッシェクラスのワインともなると、その偉大さに飲む前そして飲んだ後もワインの前にひれ伏すような気持ちの方々が多かったことが印象的で、やはりワインを志す者にとっての一つのゴールは、このワインを口にする事なのかもしれないと感じる結果となりました。
以上です。
ロマネコンティの時もそうでしたが、世界最高と評されるワインを解説するというのは中々言葉選びに慎重になります。
この記事を通じて少しでもDRCのモンラッシェのイメージが広がり、ちょっと(ものすごく)頑張ってモンラッシェを手に入れようと思っていただければ、私も少しはワイン界に良い影響を与えたことになるでしょうか。(笑)
冗談はさておき、いつか世界最高の白ワインを口にできる事を祈りつつ、今回は終了させていただきます。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※ネット上では1990年以前や、弱いヴィンテージのワインが100万円以下で販売されていますが、品質劣化のリスクも多少潜んでいると考えます。
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