【バルバレスコ】と間違えないように注意!!
さて、私はオルトレポ パヴェ―ゼで評判の良い銘柄を探しましたが、唯一強い存在感を放つ銘柄(厳密には元オルトレポ パヴェ―ゼですが)
自然派でかなり特徴的なワインですが多くの消費者を楽しませており、紹介すべきロンバルディア州の銘酒だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》バルバカルロ
《価格》
【7500~1万】
《ブドウ品種》
・クロアティーナ(ボナルダ)
・ウ―ヴァ ラーラ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>ロンバルディア州
《生産者》 バルバカルロ(リーノ マーガ)
バルバカルロはロンバルディア州でリーノ マーガ氏が営むワイナリー名であり、ワイナリーを代表するトップキュベの自然派の赤ワインです。
この銘柄は2002年までは同州のDOCであるオルトレポ パヴェーゼを名乗っていましたが、2003年ヴィンテージは残糖の多さからDOCの承認を受けられませんでした。
この事はリーノ氏を呆れ果てさせます。
なぜなら、2003年は雨が少なく日照時間も非常に長い年であったため、当然ブドウの糖度も上がり充実感あるワインができた年。
人為的な方法をできるだけ排除し自然環境のありのままをワインに表現する彼にとって、2003年らしさをそのまま表現したバルバカルロが承認を受けられないことに憤慨したのです。 そのような経緯があり、2002年まではDOCオルトレポ パヴェーゼ ロッソを名乗り、2003年以降はワイン法上は格下にあたるIGTプロヴィンチア ディ パヴィア ロッソをあえて名乗ってリリースしています。
《味わいの特徴》
飲み応えがありつつ
スルスル飲める
自然派ワイン
このワインの特徴は、自然派らしい濁りのある色調と微かな発泡性のある飲み口で、充実感がありつつスルスル飲めるようなエレガントさも両立しているところです。
【外観】
ガーネットを帯びた濁りのあるルビーレッド
熟成するほどレンガ色に近づきます。
【香り】
ラズベリーやプルーンなどの果実香に、ブラックペッパーやシナモンなどのスパイス香。樽やハーブのニュアンスも加わり複雑でボリューム感のある香りが広がります。
熟成するほど円熟したニュアンスになり、ドライフラワー、レーズン、紅茶、キノコなどの熟成を感じさせる香りも広がります。
【味わい】
ボリューム感のある果実味は心地よい甘味とじんわり広がる旨味が感じられ、微かな発泡性と相まってスムースな飲み口。ほどよいタンニンと酸は芯のある味わいを表現しており、複雑な風味を残した余韻があります。
※ヴィンテージ毎の個性を表現する生産者でボトル差もありますから、ザックリとした傾向として捉えていただければ幸いです。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■自然なワイン造り■
バルバカルロは畑の名でもあり、その全てをマーガ家が所有しています。
外界から隔離されたマーガ谷と呼ばれる丘陵地帯にあり、自然農法を実践するために理想的な環境があり、以下の名取り組みを実践しています。
- 肥料を使わない
雑草を年に3度刈り、それを畑に鋤き込むこともせず時間をかけて堆肥化させる。 - 少量のボルドー液
農薬はボルドー液だけを使っており、散布回数も従来の1/3以下に抑えられている。 - 手作業
ボルドー液散布に使用する特殊なトラクター以外、除草や収穫などは全て手作業。 - 温度管理しない
発酵では温度調節する場合がほとんどだが、あえて管理せず発酵させ大樽で熟成させる。 - 微量の二酸化硫黄
酸化防止効果と殺菌効果のある二酸化硫黄(亜硫酸)は、醸造やボトリングの際には不使用。
樽を洗浄するときのみ使用している。
主に以上の取り組みが実践されており、自然が造り出すブドウのありのままを表現する生産者の信念が垣間見えます。
※さらに詳しくは輸入元で熱意あるヴィナイオータ様のページでも確認できます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し低めの温度にすれば引き締まった印象になり、上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、味わい深さが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から5~30年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【大ぶりのグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された、ボルドーグラスやブルゴーニュグラスを選ぶことで芳醇な香りと味わいを感じやすくなります。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
鴨鍋
クリーム系パスタにトリュフを乗せて
充実感あるワインの味わいはコクの豊かな料理との相性が良く、自然のエキスが詰まったワインの味わいは野性味あるジビエ料理などとも合うでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
6年熟成の2010の香りはまさにブラックペッパー!!充実感があり美味しいワインではありますがワイン単体では飲み辛く、何かつまみが欲しくなる。そんな味わいでした。。。
最近のヴィンテージでは改善されてるみたいだけど、昔はブショネの確立高かったらしい。。。バックヴィンテージはリスクも潜んでいるかな。
熟成も進み複雑で良いワインなんだろうけど、個人的には南イタリアの果実感満載でわかりやすい濃い赤が好きな事がよくわかった。
【良い口コミ】
イタリアの微発泡の赤で27年熟成。これはかなりリスキーでは?と思いつつも購入。ヴィンテージは93でしたが、結果は当りでした!!抜栓直後は還元香が強いけど、ザクロやラズベリーなどが入り混じった果実味はスルっと飲めるような上品さがあり、ピノを彷彿させる。微発泡で少しのクセもあり、自然派ワイン好きにおすすめしたいワインですね!!
私が昔飲んだ時のネガティブな印象が覆えされた。14年熟成の04は誰もが美味しいと納得しそうな味わいで、丁寧に手間をかけて造られたワインなのだと感じた。
残糖が高いとかでDOCを名乗れなかった2003は11年熟成。結論を言えば最高に美味しいですね!!確かに甘味があるけど、しつこくなく、華やかで充実感ある奥深い味わいですね♪
22年熟成の96は期待通りの満足感!!外観は円熟したレンガを帯びた色調で濁りも中々。熟成によって溶け込んだ酸とタンニンは穏やかで、出汁系の旨味が広がりスルスル飲めるピノ系の味わい。かと思えば微発泡と澱だらけという変態?心をくすぐる面白さもありますね!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 8%
美味しい 60%
普通 32%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
自然派ワインで年によって味わい傾向が異なり、ボトル差もある印象ですが、ザックリ全体的にはとても満足感が高い印象。
スタンダードを求める方には向かないでしょうが、ちょっと変わった高級ワインを求める方にとっては、非常に面白い選択肢になりそうだと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
バルバカルロは
【価格】
7500~1万
【味】
自然派らしい濁りのある色調と微かな発泡性のある飲み口で、充実感がありつつスルスル飲めるようなエレガントさも両立している。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
自然派ワインで年によって味わい傾向が異なり、ボトル差もある印象だが、ザックリ全体的にはとても満足感が高い印象。
以上です。
冒頭でバルバレスコと間違えないようにと言いましたが、間違えて買ったとしても面白い出会いになるのでは?と、思えるような優れた銘柄だと感じました。
変化級や変態的銘柄を持ち寄る会などに登場させても、非常に喜ばれそうですね。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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