最も口コミ満足度が高いと感じたエトナビアンコ。
2013年から始まったワイナリーで口コミの量こそ少ないものの、経験豊富な方々のコメント達を拝見する限り、かなり期待できる銘柄だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》クズマーノ アルタ モーラ エトナ ビアンコ
《価格》
【2500前後】
《ブドウ品種》カッリカンテ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>シチリア州
《生産者》 アルタモーラ(クズマーノ)
アルタモーラは手頃なコスパワインで人気を集めるクズマーノが、2013年にエトナで立ち上げた新しいワイナリーです。
グスマーノは以前からバルクワインを生産していましたが、1994年に自社元詰めを提言。
シチリア島の5つのエリアに土地を所有し、その土地の個性を生かしたワイン造りを追求しています。
そして今最も注目度の高い産地であるエトナに、2013年に設立されたのがアルタモーラです。
今回紹介しているエトナビアンコはワイン誌などでも高く評価されており、その実績の一部は以下の通り。
イタリアの権威あるガイドブック「ガンベロロッソ」で最高賞トレビッキエリを2016ヴィンテージから4年連続で獲得。
世界的ワイン評論家ジェームズ サックリングからは2019ヴィンテージが93点を獲得。
《味わいの特徴》
充実感と上品さを両立した
バランス良いエトナビアンコ
このワインの特徴は、厚みのある果実味をキレの良い酸が引き締めるバランス良さがあり、豊富なミネラル感と透明感のある飲み口は充実感と上品さを併せ持っているところです。
【外観】
濃いめのレモンイエロー
【香り】
グレープフルーツやレモンなどの柑橘類にハーブのニュアンスも加わった爽やかさに、パイナップルや黄桃などの熟した果実のフルーティーな香りも広がり、火山性土壌に由来する鉱物的なスモーキーなニュアンスも垣間見えます。
【味わい】
厚みのある果実味は豊潤ですが、引き締める豊富な酸もあり甘味は抑えられたドライな飲み口。
ほんのり苦味と塩気を感じるようなミネラル感も奥行きある味わいを表現しており、凝縮感と上品さを両立したバランスの良い味わいです。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種個性■
このワインに100%使用されるカッリカンテは、シチリアのDOCエトナの白ワインで使用される品種。
香りは控えめで、リンゴやラフランスのような果実味と強い酸を持っており、熟成によってリースリングのようなハチミツやスモーキーな香りを持った複雑なニュアンスが現れると言われています。
■栽培環境■
標高の高い(400m~1000m)エトナ山の斜面にある畑は、温暖なシチリアにおいても独特のテロワール(ブドウを取り巻く環境)があります。
昼夜の寒暖差も大きく(最高で30℃の差)、豊富な日照量と温暖さで豊潤な果実味が育まれ冷涼さでキレのある酸がもたらされ、その温度差は香り豊かなワインを生む要因にもなっています。
また活火山であるエトナ山特有の溶岩が重なり合った火山性土壌は、凛とした鉱物的なミネラル感をワインに反映させます。
■高密植栽培■
ブドウの樹を植える間隔をあえて狭くする高密植栽培を行っています。
これはブドウの樹の生存競争が高める狙いがあり、根を地中深くまで伸ばすことでミネラル豊富な地下水を吸い上げ、成分豊かなブドウが育ちます。
※このワインに使用されるブドウの平均樹齢は2021年現在約15年。樹齢が高くなるほど上質なブドウを生むことを考慮すると、これからの品質向上にも期待ができます。
■ステンレスタンクで熟成■
熟成はステンレスタンクで4ヶ月実施しており、当然樽の風味は付きません。
密閉性が高く酸化防止効果があり余計な香りも付かないため、ブドウのピュアな果実感がストレートに反映されるのがステンレスタンクの特徴です。
また、樽と違って買い替えるなどのコストも掛からず、価格が抑えられるのもステンレスタンクの特徴です。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
しっかり冷やせば酸味が際立ち引き締まった印象になり、軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、風味の広がる味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~6年
※一般的傾向や口コミから推測
【当り年】
エトナビアンコのヴィンテージチャートは不明ですが、ワイン誌などで評価の高かった年を紹介します。
2016~2019はイタリアの権威あるガイドブック「ガンベロロッソ」で最高賞トレビッキエリ4年連続で獲得。
2019は世界的ワイン評論家ジェームズ サックリングで93点を獲得。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【中庸でふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
地鶏のグリルをレモンと塩で
厚みのある果実味とキレのある酸やミネラル感を持ったバランス良い白ワインです。
酸味の効いた魚介の料理などにも合いますが、ほどよくコクのある鶏肉料理などとの相性も良いです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
ミネラル豊富で爽やかな味わい!でも寒い12月には飲む感じじゃないかな?
2年熟成の2019はミネラリーで美味しいですよ。ただ私個人としては少し甘味が気になり、もう少しサッパリした感じがしたらさらに良いと感じました。
【良い口コミ】
前に飲んだ2017も良かったですが、2018はさらに抜群!!熟度の高い果実味を引き締める酸とのバランスも良く、複雑な味わいで余韻も長い。これは熟成後も楽しみなワインですね!!
2年熟成の2015はレモンやグレフルとかの香りから、厚みのある味わいがして素晴らしいと思います♪
火山性土壌の個性なんですかね、スモーキーで引き締める酸があり塩っぽいミネラル感があります。ボリューム感はありますが甘味は少なく酸や苦味が引き締めるような緊張感ある味わいですね。2年熟成の2017。これは旨いです。
このエトナ。数あるエトナの中でも特に良いですね。2年熟成の2016は果実味とミネラルのバランスが良く、開けたてから開いているところも使い勝手が良いですね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 50%
普通 43%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
口コミの量こそ少ないですが、満足感が非常に高い印象です。
ネガティブな口コミとして紹介したコメントも品質自体を否定するものではなく、厚みのある果実味を酸が引き締め、ミネラル豊富な味わいへの満足度は非常に高いと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
クズマーノ アルタ モーラ エトナ ビアンコは
【価格】
2500前後
【味】
厚みのある果実味は豊潤ながら、引き締める豊富な酸もあり甘味は抑えられたドライな飲み口。
ほんのり苦味と塩気を感じるようなミネラル感も奥行きある味わいを表現しており、凝縮感と上品さを両立したバランスの良さがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~6年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
口コミの量こそ少ないが、満足感が非常に高い印象。
ネガティブな口コミとして紹介したコメントも品質自体を否定するものではなく、多くの方が厚みのある果実味を酸が引き締め、ミネラル豊富な味わいに満足している。
以上です。
グスマーノは非常に多くのラインナップを持っており、手軽な価格帯のコスパワイン達で人気を集めている印象です。
ここで紹介しているエトナビアンコはグスマーノの中では高額の部類に入りますが、満足度という意味では頭一つ抜けている印象です。
厚みがありつつキレの良いバランスの良さは、あらゆる場面で活躍が期待できる銘柄だと感じています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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