ジュランソンを代表する生産者。
この産地特有の珍しい品種から造られる甘口ワインで有名なジュランソンですが(辛口もあります)、最も多くの方に飲まれ口コミ満足度(vinica)が高いと感じたのがコアぺ。
いくつかあるラインナップの中でも、比較的手軽なバレ ドクトーブルが客観的に一番満足度が高いと感じました。
ソーテルヌなど甘口ワインがお好きな方に知っていただきたい手頃な銘柄です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ドメーヌ コアぺ ジュランソン バレ ドクトーブル
《価格》
【2500~3000円】
《ブドウ品種》
・グロ マンサン
・プティ マンサン
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 甘口
《産地》 フランス>南西地方>ジュランソン
《生産者》 ドメーヌ コアぺ
ドメーヌ コアぺはジュランソンを代表し、特に甘口ワインで評価の高い優良生産者。
オーナーであるアンリ ラモントゥ氏は農家と酪農を家業とする家系に生まれますが、敷地内にあったブドウ畑に興味を持ち、ワインについても独学し始めます。
1980年にワイナリーを設立したアンリ氏は、「最高の大地の恵みを受け、自然に耳を傾け、敬意を持ちながら生きてゆくこと」を信条の下、さらに知識を深め丁寧なワイン造りに専念します。
そんなアンリ氏の造ったワインへの評価は高まり、その一例は以下の通りです。
・ヴィネクスポ(世界最大のワイン スピリッツ国際見本市)の「世界の厳選甘口ワイン」部門で、世界第5位に入賞。
・ル クラスマン(権威あるワイン誌)で「ジュランソンを造らせたらコアペの右に出るものはいない」と評される。
・フランスの3ッ星レストランで多数採用。
《味わいの特徴》
甘美さと軽快さを両立した
コスパワイン
このワインの特徴は、完熟したトロピカルフルーツのような甘美さと、キレイな酸味を持った軽快を持ち合わせたバランスの良さにあります。
また、そのような甘美なワインが手軽な価格で楽しめるところも嬉しい特徴と言えます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに使用されるグロ マンサンとプティ マンサンはほぼ南西地方でしか扱われない珍しい品種。
どちらも凝縮された果実味や豊富な酸などを持ちあわせたワインを誕生させる傾向です。
■パスリヤージュ■
収穫をあえて遅らせ、ブドウが干しブドウ状態になるのを待ってから収穫。水分が抜け糖度を高めたブドウは甘口ワインを生みます。
樹の上でブドウを干しブドウ化させるこの手法をパスリヤージュと呼びます。
※収穫後、ブドウを藁やスノコの上で乾燥させる場合も同様にパスリヤージュと呼びます。
■丁寧な収穫■
機械ではなく丁寧に手摘み収穫します。また、小さなカゴを使いブドウを溢れさせないように収穫。
どちらもブドウを傷つけない狙いもあり、健全な状態のブドウは健全でピュアな味わいを持ったワインを生みます。
【外観】
濃いめのレモンゴールド
熟成するほど琥珀色に近づいていきます
【香り】
黄桃やアンズに蜂蜜のニュアンスも加わったリッチな果実香。黄色い花の華やかさや、グレープフルーツなど柑橘系の爽やかさも感じられます。
【味わい】
粘性のある質感。完熟果実の上品な甘味とコクを持った果実味が広がり、キレイな酸味が味わいを引き締めます。後口にほのかな樽の風味と、ほろ苦さを感じつつ、一貫して甘美な果実味が余韻まで長く持続します。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸が際立ちスッキリした印象に。
少し温度を上げれば、広がりある甘美な味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
若いほどフレッシュで、熟成するほど落ち着きある味わいに変化します。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
香りがほどよく感じられ、温度も上がりにくく設計された小ぶりのグラスが良いでしょう。
とは言え、ふくらみのあるブルゴーニュグラスで飲んでも優雅さが引き立ちますし、香も広がりますから、こだわりすぎない事も大切かもしれませんね。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのバターソテー
ブルーチーズ
貴腐ワイン同じく甘美な味わいは、フォアグラのコクとよく合います。
また、塩分の強いブルーチーズと合わせる事でチーズの塩味とワインの甘味が互いを引き立て合います。
逆に繊細な味わいを楽しむ料理にはワインが甘すぎるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
3年1熟成の2015は、甘味よりも酸味や苦味が主張しすぎてるかも。。。
【良い口コミ】
2年熟成2017です。レバーのワイン煮と完璧な相性ですね♪
3年熟成の2017は重すぎずスイスイ飲める心地よさがある。トロミのある質感で、甘口だが少しの苦味と渋味も感じられ、余韻もそこそこ長い。
これはデザートワイン?3年熟成の2012は甘いとは言え、スッキリした甘さ。やっぱりフォアグラと合いました♪
7年熟成2012。熟成感のある深いイエローゴールド。黄桃やアンズなど完熟果実に蜂蜜、花の香り。美しい酸が甘味を引き締めるバランスの良い飲み口で、一貫して完熟果実の風味が余韻まで持続します。甘美なソーテルヌというよりは、対岸で手軽なルーピアックのような軽快さがありますね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 43%
普通 47%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
高級甘口貴腐ワインで有名なソーテルヌのワイン達と比較してしまえば、官能的な甘美さや奥深さで及ばない印象。
しかし、軽快な酸味も加わった軽やかで上品な甘さに好感を持つ方も多く、価格も考慮すれば満足、あるいは納得している方が多いと感じました。
甘口ワインのため、合わせる料理の選択肢は狭いですが、貴腐ワインで鉄板のフォアグラなどレバー系の料理。または塩分の強いブルーチーズなどと楽しむ方が多い傾向です。
ジュランソンのワインの中では圧倒的に多くの方に飲まれており、いくつかのラインナップを持つコアぺ。その中でも価格も考慮した口コミ満足度が最も高いと感じた銘柄でした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ドメーヌ コアぺ ジュランソン バレ ドクトーブルは
【価格】
2500~3000円
【味】
完熟したトロピカルフルーツのような甘美さと、キレイな酸味を持った軽快を持ち合わせている。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
高級甘口貴腐ワインで有名なソーテルヌのワイン達と比較してしまえば、官能的な甘美さや奥深さで及ばない印象。
しかし、軽快な酸味も加わった軽やかで上品な甘さに好感を持つ方も多く、価格も考慮すれば満足、あるいは納得している方が多いと感じた。
コメント