1980年代~90年代にかけて大流行した、ほんのり甘いロゼワインといえば「ロゼ・ダンジュ」。
当時はいろんな店に置かれており、ワイン詳しくない方でも懐かしく思う方も少なくないでしょう。
辛口ワインが主流となった今となっては、甘さのあるロゼ・ダンジュは見かけることも少なくなりましたが、優しく飲みやすいこのワインはまだまだ多くの方を楽しませています。
そんなロゼ・ダンジュの生産者はたくさんいますが、日本で購入可能な主要生産者を7つピックアップして、口コミ評価の高いワインはどれか調べてみました。
その結果、特に満足度が高いと感じたのがドメーヌ デ オート ウーシュ。
おすすめできるロゼ・ダンジュを1つだけ挙げるとすれば、この銘柄だと感じました。
ちなみに残りの6生産者は、
- ラシュトー
- ドメーヌ・デ・セードル
- カーヴ・デ・ぺリエール
- シャトー・ド・フェル
- ドメーヌ・ラ・クロワ・ド・ガレーヌ
- シャトー・ド・シャントループ
以上で、オート・ウーシュには及ばないまでも、飲み手を楽しませている印象です。
《ワイン名》 ドメーヌ デ オート ウーシュ ロゼ ダンジュ
《価格》
【1200円前後】
《ブドウ品種》グロロー
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 やや甘口
《産地》 フランス>コート・デュ・ローヌ地方
《生産者》 ドメーヌ デ オート ウーシュ
ドメーヌ デ オート ウーシュは、1963年にジョエル・リュモーによって始められ、2020年現在は、その息子であるジャン・ルイ・リュモーが当主としてドメーヌを運営しています。
フランスの権威あるワイン誌として知られる「ギィド・アシェット」は、約800人の専門家が数万本のワインを試飲し、優れると認められた約8000本が掲載されるものですが、何度も掲載されるのがドメーヌ デ オート ウーシュであり、ロゼ・ダンジュにおけるトップ生産者の地位を確立しています。
《味わいの特徴》
甘味のあるフルーティーさを
フレッシュな酸でバランスを取る
華やかでチャーミングなロゼ
このワインの特徴は、ロゼダンジュらしい華やかでチャーミングな香りから、ほんのり甘い飲み口をフレッシュな酸が引き締める味わいにあり、軽快な飲み口と嫌味のない甘さは、万人受けしやすい飲みやすさがあります。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■グロローの特徴■
ロゼ・ダンジュに使用されるグロローは、イチゴや花ようなチャーミングでフローラルな香りと、ほんのり甘いフレッシュでフルーティーな味わいを持っており、優しく飲みやすいところが特徴的な品種です。
■リュット・レゾネ■
農薬や化学肥料を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践しています。
そうすることで土地の酵母など微生物達の働きも加わった健全で成分豊かな土壌が育まれ、その成分を吸い上げた健全でピュアなブドウが育ちます。
■ドメーヌである事■
ブドウや果汁を仕入れてワインを醸造するネゴシアンスタイルの生産者が多いロゼ・ダンジュにおいて、ブドウの栽培からワイン醸造までを一貫して行うドメーヌスタイルを実践する数少ない生産者です。
自身のこだわりが最も反映され、上質なワインを生む傾向が強いのがドメーヌスタイルの特徴です。
【外観】
綺麗なサーモンピンク
【香り】
イチゴやラズベリーの甘酸っぱさに、柑橘類やハーブの爽やかさや、白い花やバラの華やかさも広がります。
【味わい】
ベリー系果実の甘酸っぱい果実味は、みずみずしく軽快な飲み口で、適度な酸味が味わいのバランスを整えます。
チャーミングな甘味と少しの苦味を残した後口から、潔く短い余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~10℃】
よく冷やせば酸味が際立ちチャーミングで軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば酸は穏やかな印象になり、甘味が感じやすくなることでフルーティな味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約1年~3年
若いうちのフレッシュでフルーティーな味わいを楽しむワインで、熟成には不向きなワインです。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスを選べば、軽快でチャーミングな味わいが楽しめます。
香りが広がり温度も上昇しやすく設計された、ふくらみのあるシャルドネグラスにすれば、甘やかな香りとフルーティーな味わいの広がりが楽しめるでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
カプレーゼ
エビと野菜の中華炒め
など、適度なコクを持った料理との相性が良く、中華料理のような少し濃いめの味付けがされた料理に合わせても良いですし、スパイスの効いたエスニックなどと合わせても、スパイシーさがワインの甘味と中和されてマッチします。
繊細な味わいの料理には甘味が邪魔をするでしょうから、このようなロゼを合わせるよりは、サラリとした白ワインを選んだ方が良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
春を思わせる綺麗な外観。2年熟成の2016は想像以上に甘く、イチゴジャムの香りは良しとしても、馬小屋っぽい香りがどうも苦手。見た目だけ楽しめるワイン。。ブショネ?
甘味はもっと少ない方がいいかな。普通。
うなぎのタレの甘さとのバランスは良かったけど、ワインとしては少し甘すぎるかも。
【良い口コミ】
2年熟成の2014は、桜咲く春の入学を迎えた大学生って感じのロゼ。ほんのり甘くて酸もしっかり、ずっと飲んでいられる飲みやすさがありますね。昔流行ったのに、今は人気が無い事に疑問を覚える美味しさだと思います。
1年熟成の2018は、アルコール度数10.5と低めでスイスイ飲める心地よさ。昔流行った理由がなんとなくわかる気がします。美しいサーモンピンクで、華やかな香り、軽快な飲み口から優しい甘味が広がって爽やかな酸が引き締める。後口にほんのり苦味をアクセントに持ち、潔い余韻の短さ。皆でワイワイ飲むにはこんなワインが良いでしょうね。
1年熟成の2016は甘いけど、くどくもなくて飲みやすい。どちらかというと白ワイン寄りで、チャーミングで生き生きとした味わいには好感が持てます🎵
1年熟成の2016をバーベキューで。暑い夏の日にはピッタリのワインで、女性受けも良く大満足!!イチゴやリンゴを思わせるフレッシュで軽快な味わいは甘味もありますが、しつこい甘さではなく爽やかさがあって、とても飲み心地の良いロゼでした。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 20%
普通 74%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
やはりと言うべきか、ロゼ・ダンジュ特有の甘味をネガティブに捉える方と、ポジティブに捉える方の両意見が見られるワインでした。
とはいえ、このロゼ・ダンジュに関してはポジティブに捉える方が多い傾向で、甘味はあるけど嫌味がなく、酸がバランスを取っていると感じる方が多かった印象です。
複雑な奥深さや、ドライな味わいを求める方にはおすすめできませんが、比較的ワインやお酒の経験の浅い方や、多少の甘味も受け入れられる方には、とっても華やかでフルーティーなお手軽ロゼとしておすすめしやすいワインだと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ドメーヌ デ オート ウーシュ ロゼ ダンジュは
【価格】
1200円前後
【味】
甘味のあるフルーティーさをフレッシュな酸でバランスを取る、華やかでチャーミングなロゼ。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約1年~3年
若いうちのフレッシュでフルーティーな味わいを楽しむワインで、熟成には不向きなワイン。
【口コミ】
ロゼ・ダンジュ特有の甘味をネガティブに捉える方と、ポジティブに捉える方の両意見が見られるワインだが、このロゼ・ダンジュに関してはポジティブに捉える方が多い傾向で、甘味はあるけど嫌味がなく、酸がバランスを取っていて良いと感じる方が多かった印象。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなることをお祈りしております。
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