シュヴァリエ=騎士
このワイナリーはスペインの巡礼地《サンティアゴ・デ・コンポステーラ》までの通り道に存在し、それを守る騎士という事が名前の由来です。
ボルドーのワイナリーはシャトー○○がほとんどですから、その名前だけですぐに印象に残りますし、品質においてもグラーブでは【シャトー・オー・ブリオン】そして【シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン】に次いでトップ2~3に評価されるドメーヌです。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ドメーヌ ド シュヴァリエ ブラン
2014
パーカー95点の格別の評価。
30年程度熟成に耐えます。
《価格》
【12000~5万円】
※15000くらいが多い。
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・ソーヴィニョンブラン
・セミヨン
《ボディ》ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>ぺサック・レオニャン
《生産者》ドメーヌ・ド・シュヴァリエ
《特徴》
豊かな果実味と複雑な風味
熟成で華開く本格派
ドメーヌ・ド・シュバリエはボルドーのグラーブの格付けワインです。
グラーブの格付けはメドックのように階層化はされておらず、16銘柄が選ばれており、赤のみ・白のみ・赤白両方造る生産者がいます。
ドメーヌ・ド・シュバリエは赤白両方造っていますが、今回は白ワインの紹介というわけです。
この白ワインはまず生産量が少なく稀少なため価格も高い事も特徴に挙げられ、ドメーヌ・ド・シュヴァリエの赤に比べておおよそ倍の価格で流通しています。
また、白ワインでは珍しい長期熟成向けである事も大きな特徴で、当たり年のものでは30年以上の熟成にも耐える場合もあります。
若くしても楽しめますが、やや硬さを残すため、10年以上の熟成によって広がる複雑な香りと味わいを楽しめます。
とても成分が充実しており、とろみのある質感で肉厚な果実味、特徴的なスモーキーな香りも加わり、複雑で大人っぽい味わは「ボルドーの白ワインの完全なスタイルを持つ」と言われるほど高次元で味わいが構成されています。
わかりやすいニューワールドのような果実味主体のおいしさではない、玄人向けの味わいは、ワインを深く理解し本物を見極める力を持った方に飲んでいただきたい一本とも言えます。
【外観】
若いうちは輝くゴールド。
熟成が進むほど琥珀色に近づいていきます。
【香り】
若いうちは青りんごや白い花にハーブの爽やかさに、スモーキーなニュアンスが加わります。
熟成が進むほど爽やかな果実香は、ドライフルーツのような落ち着きある甘い風味を持つようになり、キンモクセイ・バニラ・煙草などの複雑な香りも加わります。
【味わい】
若いうちは凝縮感のある若い果実味があり少しの苦味がアクセントになり、豊富な酸が味わいを引き締めます。
熟成が進むほど成分がワインに溶け込み、果実のフレッシュさは落ち着きを見せ煙草やバニラやカラメルなどの複雑な風味も加わり、ほのかな苦味を残しつつ酸味が味わいをまとめ、複雑な余韻が長く続きます。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【8℃~12℃】
その豊かで複雑な香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1989年 5
1990年 5
1991年 2
1992年 3
1993年 3
1994年 4
1995年 4
1996年 4
1997年 3
1998年 3
1999年 2
2000年 4
2001年 3
2002年 3
2003年 4
2004年 3
2005年 5
2006年 4
2007年 4
2008年 4
2009年 5
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 4
2015年 5
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※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたシャルドネグラスを選ぶことで、バランス良く風味を感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
スモークサーモンのマリネ
地鶏の香草焼き
など、香ばしさを持つ料理やほど良くコクのある料理などに合わせることで、複雑な風味が広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「2011のシュヴァリエは香りが素晴らしい。草原の風やドライハーブの香りに、ボリューム感のある果実味でキレも良い。さすがですね。」
「ゴールドに輝き桃や金木犀のようなアロマ。ボリューム感のある味わいを酸味が引き締め爽やかさも感じられ余韻長い。2001という事で、なかなかこのような熟成白を経験できることもないので感激です。」
「粘性と高いとろりとした口当たりがいいですね。2008は樽由来のスモーキーさやバニラのニュアンスがあり、柑橘類の皮のようなほろ苦さがアクセントになり、ジャムのような甘味もほど良い。大人のワインって感じがします。」
【悪い口コミ】
「複雑な香りと深い味わい。2005は辛さは控えめで品格を感じさせます。ただし好みではありませんでした。このワインは好き嫌いが分かれるかもしれませんね。」
「1992は濃厚なイエローになっていて心配だったので開けちゃいました。ドライフルーツに芳ばしい香りにシェリーっぽい香り。滑らかな質感で果実味強めで酸も豊富でシェリーっぽさもある味わい。たぶんピークを過ぎた古酒なのでしょうが、十分に楽しめるレベルではある。ただ、私にはグラス1杯で丁度良い。」
「2012。クリーミーな香りで、グレープフルーツのような果実味があり余韻は非常にスモーキー。もう少し果実味を楽しみたい私にはこのスモーキーなニュアンスが強すぎるかな。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 7%
美味しい 53%
普通 34%
良くない 6%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
このワインは、結構個性があり好き嫌いが分かれる印象です。
適切な熟成期間もヴィンテージによって変わるでしょうから、難しく玄人向けの白ワインといった印象ですね。
ニューワールドの白のように、果実味主体のわかりやすいおいしさを持った品質というよりは、スモーキーでほんのり苦味もある深いワインで、熟練者も楽しめる大人の白ワインといったところでしょうか。
以上です。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエ・ブラン。
賛否両論で興味深い品質ですね。
様々なタイプのワインを経験し理解したワイン熟練者にこそ理解できる深いワインかもしれませんが、このワインを口にする事で新しい白ワインの世界が開ける予感もプンプンです。
扉の向こうの世界を感じるか感じないかは、あなたの選択に委ねられているのです。
ワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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