E.ギガル コート・ロティ ブリュヌ・エ・ブロンド

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ローヌの帝王と呼ばれる生産者。

特にコート・ロティにおいては突き抜けた存在感を放っており、単一畑で造られ【ギガル3兄弟】と呼ばれる「ラ・ムーリーヌ」「ラ・ランドンヌ」「ラ・テュルク」はロバート・パーカー氏に100点満点を与えられ知名度を上げました。

もちろん3兄弟は素晴らしく知っておくべき素晴らしいワインですが、高額であるが故に手が伸ばしにくい事も必然。

しかし複数の区画の畑のブレンドせ製造されるコート・ロティ「ブリュヌ・エ・ブロンド」は、非常に親しみやすい価格でしかも上質。コート・ロティにおいて紹介すべきワインを1つだけつだけ挙げろと言われたならば、このワインであると感じました。

《ワイン名》 ギガル コート・ロティ ブリュヌ・エ・ブロンド・ギガル

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《価格》

6000~8000円

《ブドウ品種》
シラー
ヴィオニエ(4%)
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>コート・デュ・ローヌ地方>コート・ロティ
《生産者》  E.ギガル

【ここで簡単にプロフィール

「ローヌの帝王」とまで称されるE.ギガルの歴史は意外と浅く1946年。
初代当主のエティエンヌ・ギガル氏が、老舗メゾンであるヴィダル・フルーリィ社で修行後独立を果たしたのが始まり。

1961年に後を継いだマルセル氏は、66年にコート・ロティの「ラ・ムーリンヌ」を購入し秀逸なワインを生産。次いで78年「ラ・ランドンヌ」、85年には「ラ・テュルク」を発売し、「ギガルの3つ子の兄弟」と呼ばれるこのワイン達はパーカー100点満点を連発した事で一気に評価を高めた。

そんな成長過程で、父の修行先であるヴィダル・フルーリィ社を傘下に収め、1995年にはコート・ロティの歴史ある生産者「シャトー・ダンピュイ」を入手するなど、どんどん規模を拡大。
2020年現在では、3代目のフィリップ氏が指揮を取り、ローヌ全体に60㏊の自社畑を所有。年間600万本ものワインを製造する巨大生産者に成長している。

《味わいの特徴》

厚みのある果実味・複雑性
熟成で高まるエレガンス

このワインの特徴は、厚みのある果実味やスパイシーな風味に樽の風味も加わった、複雑でボリューム感のある味わいにあります。
また、熟成を重ねるほどに成分は溶け合い滑らかさが増し、角の取れた複雑な風味は力強さよりもエレガントさを感じさせる品質へと成長していきます。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

コート・ロティのテロワール
コート=丘、ロティ=焼けた、つまり「焼けた丘」を意味する産地であり、南東から南向きの急斜面の畑のブドウによって生産されます。
このような傾斜による豊富な日照と水はけの良い土壌などのテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)である事から、充実した果実味や豊富なタンニンなどの成分を持ち、長期熟成に耐えるワインを生んでいます。
※豊富な日照でブドウは良く熟し、水はけの良い土壌はブドウが栄養素を求め地中深くまで根を伸ばすため、様々な成分を吸い上げた果実が育ちます。

シラーの特性
ブラックペッパーのようなスパイシーな風味と、厚みのある果実味に豊かなタンニンを持つことが特徴的で、熟成するほどに成分は溶け合い力強さはほぐされ、エレガントさが現れてきます。

リュット・レゾネ
農薬や化学肥料を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践することで、健全で成分豊かな土壌が育まれ、その成分を吸い上げた上質な果実が実ります。

収量制限
ブドウの収穫量をあえて減らすことで残された果実に成分が凝縮し、上質なブドウが得られます。

自社製の樽
樽の風味が反映されやすい新樽の使用比率は40%で、36ヶ月という長い熟成期間を設けており、バニラのような上品な樽の風味が適度に感じられるワインが生まれます。
そのような理想に近い上質な樽の風味を生むために、樽はすべて自社で生産するこだわりぶりです。

 

【外観】
紫がかった深みのあるルビーレッド
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。

【香り】
若いうちはベリー系果実にブラックチェリーやプラムなどの果実香、ブラックペッパーのスパイス香に樽に由来する柔らかなバニラのニュアンスりも感じさせます。
熟成が進むほど果実香は落ち着きをみせ、クローブに腐葉土や獣っぽさといった熟成香も加わり、複雑で心地よい香りが広がりを見せます。

【味わい】
若いうちは厚みのある果実味に豊かなタンニンが骨格を形成し、スパイシーさをアクセントに持ちつつ心地よい酸が味わいをまとめます。
心地よい樽の風味やコクを持ち合わせた味わいはバランスが良く、長い余韻へと導かれます。

熟成が進むほど果実味は円熟味が増し甘やかな印象になり、タンニンや酸味もワインに溶け込むことで丸みを帯びたエレガントさが現れます。
そのエレガントさはブルゴーニュワインを彷彿させるもので、腐葉土や革製品といった複雑な熟成香を伴った長い余韻へと導かれます。

《飲む時の適正温度》

14℃18℃
少し低めの温度にすれば酸が際立ち、軽快さのある上品な飲み口になります。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ボリューム感のある優雅な味わいが楽しめます。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から約4年~30年
若い段階では厚みのある果実味や豊富なタンニンの感じられる力強さがありますが、熟成するほど成分は溶け合い、力強さよりも上品なしなやかさや複雑な風味の増した品質に成長していきます。

【当たり年】
一般的にコート・デュ・ローヌ北部のヴィンテージチャートは以下の通りです。
評価の高い年ほど成分が充実し、若いうちは硬いですが長期熟成に耐える傾向。
評価が低い年ほど成分はやや控えめで、若いうちから親しみやすいですが長期熟成にはやや不向きな傾向があります。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1990年 5
1991年 4
1992年 2
1993年 2
1994年 3
1995年 4
1996年 4
1997年 4
1998年 5
1999年 4
2000年 4
2001年 4
2002年 2
2003年 5
2004年 3
2005年 4
2006年 4
2007年 4
2008年 2
2009年 5
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 3
2015年 5
2016年 4
2017年 5

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《適正グラス》

【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


天然うなぎのかば焼き


鴨鍋

など、豊かなコクを持った料理や野性味を感じさせる料理などに合わせる事で、豊かなワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑で厚みのある風味の広がるマリアージュを楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「6年熟成の2012は黒果実系の味わいでタンニンも豊富。凝縮感のある味わいは納得の美味しさですが、もう少し熟成させた方が美味しかったかも。」

 
「7年熟成の2010は仄かなバニラ香が心地よく、黒系のベリー系果実にスパイシーさもある。焼けた丘と言われるだけに、焼けたようなニュアンスがあるのかな。決して悪いわけではないが、オーストラリアのシラーズの凝縮された果実味の方が今回は美味しかった。」

良い口コミ

「若々しいチャーミングなジャムっぽいニュアンスが無く、深みのある旨味が広がり。落ち着いた果実味が楽しめます。8年熟成の2010はとても美味しかった。」


「上級キュベのララ達には及ばずとも、適度な複雑性や心地よい飲み口があり、バランスが良い北ローヌという感じだ。9年熟成の09は熟成させれば更に複雑性は高まるだろう。流石はコート・ロティのスペシャリストと呼べる品質だと思うよ。」


「香りだけで幸せ。(笑)甘味を伴ったベリー系果実香に、紅茶や檜を思わせるニュアンスが感じられます。シルキーな液体は雑味無く厚みのある果実味で、適度なタンニンとブラックペッパーのスパイス感、杉の清涼感もあり、優しい旨味の広がりと共に長い余韻がある。8年熟成の2012は飲み頃って事ですかね。硬さがほぐれ、とってもエレガントな飲み口に完全に魅了されました。一番安いレベルのコート・ロティなのに凄すぎますね。」


「なんと・・29年熟成の87です・・・。そして、これ程とは。感動。」

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!    10%
美味しい     73%
普通       17%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

あえて悪い口コミという事で紹介した方の評価も、良くないという訳ではありませんでしたし、ほとんどの方が納得あるいは非常に満足している事が印象的なワインでした。

5年熟成程度の若さでも楽しめる傾向ですが、10年程度の熟成物の方が複雑性や旨味が増し好評な傾向がありましたし、20~30年の熟成物に対する感動的評価もあり、非常に興味深いものがあります。

ただしその20~30年物の具体的テイスティングコメントが見当たらなかった事は残念でしたが、そこはお楽しみという事でポジティブシンキングをお願いするばかりの結果となりました。(笑)

まとめ

それでは最後に情報整理です。

ギガル コート・ロティ ブリュヌ・エ・ブロンド

価格
6000~8000円


厚みのある果実味やスパイシーな風味に樽の風味も加わった、複雑でボリューム感のある味わいで、熟成を重ねるほどに成分は溶け合い滑らかさが増し、角の取れた複雑な風味は力強さよりもエレガントさを感じさせる品質へと成長する。

飲み頃と当たり年
・飲み頃
ブドウ収穫年から約4年~30年

当たり年
一般的にコート・デュ・ローヌ北部のヴィンテージチャートは以下の通り。
評価の高い年ほど成分が充実し、若いうちは硬い傾向だが長期熟成に耐える傾向。
評価が低い年ほど成分はやや控えめで、若いうちから親しみやすいが長期熟成にはやや不向きな傾向。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1990年 5
1991年 4
1992年 2
1993年 2
1994年 3
1995年 4
1996年 4
1997年 4
1998年 5
1999年 4
2000年 4
2001年 4
2002年 2
2003年 5
2004年 3
2005年 4
2006年 4
2007年 4
2008年 2
2009年 5
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 3
2015年 5
2016年 4
2017年 5

口コミ
ほとんどの方が納得あるいは非常に満足している。
5年熟成程度の若さでも楽しめる傾向だが、10年程度の熟成物の方が複雑性や旨味が増し好評な傾向があり、20~30年の熟成物に対する感動的評価は非常に興味深い。

という事でした。
いかがでしたでしょうか。
コート・ロティを楽しむのであれば、必ず候補に入れるべきワインだと感じます。
このワインを気に入ったならば、パーカー100点連発のギガルの3つ子の兄弟にステップアップしてみても良いかもしれんせんね。価格も8倍程度ステップアップしますが!!(笑)
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなることをお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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