手頃でしっかりめの味わいが楽しめる赤ワイン。
前回紹介したピポリはアリアーニコ デル ヴルトゥーレを選ぶ時の最有力候補だと感じましたが、同じくファルネーゼグループに属する生産者のアリア―ニコも人気。
日常消費用や肉料理に合わせるハウスワインなどにも最適な銘柄だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》フェウディ デル ヴェスコヴォ アリアーニコ デル ヴルトゥーレ
《価格》
【1500前後】
《ブドウ品種》アリア―ニコ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>バジリカータ州
《生産者》 フェウディ デル ヴェスコヴォ
フェウディ デル ヴェスコヴォは1983年に設立されたバジリカータ州の協同組合。
2010年からイタリア屈指のコスパワイン生産者であるファルネーゼグループの資本が入ったことで品質はさらに向上し、モダンなワイン造りを続けています。
今回紹介しているアリアーニコ デル ヴルトゥーレは、日本のワインコンテストサクラアワードでゴールドを受賞しており、コスパに優れた赤ワインとして人気を集めています。
《味わいの特徴》
しっかり目の味わいで
バランスが良い
このワインは厚みのある果実味と豊富なタンニンが感じられるしっかりめの味わいで、穏やかな酸や適度なコク、そしてマイルドな樽の風味とのバランスも良く仕上がっています。
【外観】
ガーネットを帯びた深みのあるルビーレッド
【香り】
ブラックベリーやブラックチェリーなど黒い果実の豊潤な果実香に、樽に由来するバニラやコーヒーのニュアンスも加わり複雑さがあります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は少しの甘味があり、豊富で丸みのあるタンニンとコクと相まって飲みやすくも飲み応えのある味わい。中程度の酸味が味わいをバランス良くまとめると、果実や樽の風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに100%使用されるアリアーニコは、力強いタンニンと酸を持ち骨格あるワインを生む傾向。
熟成する事で力強さは徐々にほぐれ、革製品やトリュフやコーヒーなどの複雑なニュアンスが現れます。
■栽培環境■
イタリア南部の温暖なバジリカータ州の丘陵地帯でブドウは栽培されます。
同じくアリア―ニコで有名なカンパーニャ州のタウラージと比較すると、南に位置する温暖さもありブドウはよく熟すため、豊富なタンニンや酸はあるものの豊潤な果実感に包まれた丸みのある飲み口になります。
また、年中乾燥し風通しの良い環境は湿度に弱いブドウに最適の環境です。
農薬を使用する必要も無いため、土地の微生物などの様々な生物の営みが反映された土壌は健全で成分豊かな状態になり、そのエキスを吸い上げたピュアで味わい深いブドウを生みます。
■適度な樽感■
発酵を終えたワインは60%ステンレスタンク、40%古樽で10ヶ月熟成され、適度な樽の風味が反映されたワインが生まれます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば引き締まった印象になり、エレガントな飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ボリューム感のある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~6年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、芳醇な香りと味わいをバランス良く感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
ラザニア
など、少々コクの強めの食材、あるいは強めの味付けやスパイシーな料理との相性が良く、厚みのあるワインと料理の味わいが互いを引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
アリアニコらしい酸とタンニンもあり、しっかりめの味わいですね。香りの広がりがもう少しあれば良いと思う。
ほのかな甘味と心地よタンニンがある濃いめの味わい。アリアニコにしては優しく飲みやすくピポリと似てます。悪くはありませんが、個人的にはアリアニコらしいクセがある方が良いかな。
【良い口コミ】
2年熟成の2017。アリアニコは初めてですが、グッと飲み応えのある味わいで美味しいですね!!1500円程度と思うと満足しかありませんね。
2016ヴィンテージは5年の熟成で随分まろやかな印象に。コーヒーやカカオの風味も特徴的でしっかりと感じられ、デイリーワインとして使いたいと思えた。
まろやかな酸と適度な深み、そして余韻が楽しめます。2年熟成の2016は期待通りの安旨ワインですね。
タンニンが豊富で骨格ある味わいなんだけど、飲み心地はスルスルなんだな~~♪♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 60%
普通 40%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
前回紹介したピポリ同様に手頃な価格ながら満足度は高い傾向。
じっくり向き合うような奥深さこそありませんが、適度な深みとしっかりめのタンニンが感じられ、デイリーワインの価格帯のワインとしては良いといったニュアンスのコメントが多い銘柄でした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
フェウディ デル ヴェスコヴォ アリアーニコ デル ヴルトゥーレは
【価格】
1500前後
【味】
凝縮感のある果実味は少しの甘味があり、豊富で丸みのあるタンニンとコクと相まって飲みやすくも飲み応えのある味わい。
中程度の酸味が味わいをバランス良くまとめると、果実や樽の風味を残した余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~6年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
じっくり向き合うような奥深さこそ無いが、適度な深みとしっかりめのタンニンが感じられ、デイリーワインの価格帯のワインとしては良いといったニュアンスのコメントが多い。
以上です。
アリア―ニコは少しクセのあるニュアンスがあるワインを生みますが、カサ―レヴェッキオなど非常に万人受けしやすいワインを生むファルネーゼが参画しているだけあり、飲みやすいワインに仕上がっている印象です。
カベルネやメルローといった定番品種も良いですが、このような品種を試してみるのも新しい発見があり楽しそうですね♪
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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