万人受けしやすい味わいで、人気抜群のモンテプルチアーノダブルッツォ。
「神の雫」の影響で注目を浴びて非常にたくさんの方々が口コミをしており、濃厚ながら雑味のない優しい飲み口に満足度は非常に高い印象。
突出した個性のようなものはありませんが、適度に深く満足感のある飲み口は私自身も経験済みで、わかりやすい美味しさが人気なのも納得できるものでした。
ちょっとだけ贅沢な濃いめの赤ワインを選ぶなら、必ず候補に入れておきたい優れたコスパワインです。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》カサーレ ヴェッキオ モンテプルチアーノ ダブルッツォ
《価格》
【2000前後】
《ブドウ品種》モンテプルチアーノ
《ボディ》 ミディアム～フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア＞アブルッツォ州
《生産者》 ファンティーニ（2010年以前はファルネーゼ）
ファンティーニはアブルッツォ州に本拠地を置くイタリア屈指のコスパワイン生産者。1994年にファルネーゼとして設立され、2021年現在の情報では自社畑150haで、450haは契約した小規模農家から良質なブドウだけを買い取り醸造するスタイル。
手軽な価格で上質なワインが楽しめる事で人気を集めるようになり、アブルッツォ州に留まらずトスカーナ、カンパーニャ、プーリア、バジリカタ、シチリアのワイナリーも傘下に収め、世界的に知られるワイナリーとなりました。
2011年からは社名をファンティーニに変更し、2021年現在もコスパに優れたラインナップを生みだし続けています。
そんなファンティーニの実績は以下の通り。
イタリアのワインガイド「ルカ・マローニ」で、3年連続イタリアの第1位優秀ワイナリーに選出。
今回紹介しているカサーレ ヴェッキオは、ワイン漫画「神の雫」で16,000円のワインに負けない！！と絶賛され日本でも人気。
イタリアを代表するのガイドブック「ガンベロロッソ」でも、2000円前後のワインとしては素晴らしい評価とされる２ビッキエリを獲得しています。（3ビッキエリが最高）
《味わいの特徴》
穏やかで濃厚
万人受けしやすい
飲みやすさが魅力
このワインの特徴は、太陽の光をいっぱい浴びたブドウの暖かみのある味わいにあります。
ほんのり甘味を伴った厚みのある果実味は、穏やかな酸味とシルキーなタンニンと共に優しい味わいを表現。
そして雑味の無くバランス良い味わいは非常に心地よく、万人受けしやすい飲みやすさが魅力的です。
【外観】
中心部分が黒に近い濃い赤紫
【香り】
ブラックベリー、カシス、プルーンを思わせる黒系果実の円熟した香りに、ブルーベリージャムのような甘いニュアンス。樽の芳ばしさやバニラの香りも適度に加わった豊潤な香りが広がります。
【味わい】
凝縮感ある果実味は優しい甘味と適度なコクがあり、穏やかな酸味とシルキーなタンニンと相まって濃厚ながら優しくエレガントな飲み口。非常にバランス良いふくよかな味わいで、心地よい果実味と樽の風味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■優れた小規模農家と契約■
上質なブドウを得るなら、広い自社畑を持ち多くの季節労働者を雇うよりも、専門知識と情熱を持ち合わせた小規模農家と個々に契約する方が良いと考えるファンティーニ。
カサ―レヴェッキオに使用されるブドウはそのような小規模農家のもので、栽培に適した石灰質土壌の畑を持ち、成分が充実した上質なブドウを実らせる古木（ヴィエイユヴィーニュ）の区画のみを使用しています。
■収量制限■
通常1本のブドウの樹には8房のブドウが実りますが、その数をあえて減らすことで成分を凝縮させます。
2000年代前半頃までは2房に制限していましたが、樹齢が高くなり成分を蓄える能力が高まってからは4房に制限しているとの事です。
■ほどよい樽■
ステンレスタンクで発酵を終えたワインは、アメリカンオーク（タンニンが柔らかい場合はフレンチオーク）で6ヶ月熟成。
芳ばしさやバニラのような柔らかな樽のニュアンスが適度に反映されます。
《飲む時の適正温度》
【１４℃～１８℃】
やや低めの14℃程度にすれば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になり、香り、甘味、旨味が広がる味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から２～6年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度も上がりやすいボルドーグラスが良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
うなぎのかば焼き
ビーフシチュー
など、コクの豊かな料理との相性が良く、気軽な家庭料理などに合わせてもワンランク上の楽しい食卓になりそうです。
反対に刺身や白身魚の塩焼きなど繊細な味わいを持った料理には、ワインの味わいが強すぎて料理の味わいを感じにくくするためおすすめできません。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
私は渋味や酸味の少ないフルーティーなのが好きなんです。飲んだ瞬間は好きかな～って思ったけど、酸味と渋味が後から追いかけてきて少し違うかな～～と思いました。
ん～そんなに悪くもないけど、好みの味ではないかな。。。
【良い口コミ】
2000円でこの品質は素晴らしい。3年熟成の2018は尖った要素がなく、バランス良い飲み口でスイスイ飲めて誰にでも好まれそうな味わいですが、若干物足りない印象もある。しかし時間経過で広がりある風味が出てきて、2日目も全くヘタる事なく十分に楽しめた。また買おうと思える銘柄です。
このワインは香りが素敵です♪後から知りましたが、このワインは凄い口コミ評判が良い銘柄なんですね。かなり当りで、間違いなくまた買いたいと思います！！
神の雫でブレイクしたワインらしいですね。5年熟成の2016は果実味の凝縮感があって、ワイン飲んだ～～って感じになれるところが良い。
3年熟成の2018は飲み応えのあるフルボディなんだけど、スルスル流れるような心地よさもあって美味しい♥
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的！！ ０％
美味しい ５３％
普通 ４４％
良くない ３％
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
まずはその圧倒的口コミ量の多さが印象的で、すごく売れているワインなのだとわかりました。
感動するほどの奥深さはなく、好みからズレるネガティブなコメントも若干。
とは言え最も多いのは中々良いというニュアンスの意見で、濃厚ながらクドさの無い飲み口に好感を持つ方が多く、コスパ面では非常に満足度が高い印象です。
私自身も経験済みで、グッとくるような風格こそ感じませんでしたが、穏やかでバランス良く親しみやすい味わいといった印象。
飲みやすさと飲み応えを両立した、万人受けしそうな味わいが人気なのも納得できるものでした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
カサーレ ヴェッキオ モンテプルチアーノ ダブルッツォは
【価格】
2000前後
【味】
太陽の光をいっぱい浴びたブドウの暖かみのある味わい。
ほんのり甘味を伴った厚みのある果実味は、穏やかな酸味とシルキーなタンニンと共に優しい味わいを表現。
そして雑味の無くバランス良い味わいは非常に心地よく、万人受けしやすい飲みやすさがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から２～6年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
圧倒的に口コミ量が多く、売れているワイン。
感動するほどの奥深さはなく、好みからズレるネガティブなコメントも若干。
とは言え最も多いのは中々良いというニュアンスの意見で、濃厚ながらクドさの無い飲み口に好感を持つ方が多く、コスパ面では非常に満足度が高い。
以上です。
口コミの量だけから推測すると、日本ではシャトーモンペラに次いで2番目に飲まれている銘柄ではないかと思います。
非常に理解しやすい美味しさだと私自身も感じていますので、皆様に選ばれている事にも納得で、口にしてみるだけの価値のある銘柄だと感じています。
あなたのワイン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント