中価格帯で目を引くバランス型コスパブルネッロ。
口コミ(vinica)では感動的評価こそ少ないものの、上質ブルネッロらしい風格や深み、そして優れたバランス感覚を持っており、コスパ面を高く評価する意見もいくつか見られました。
否定的意見が非常に少なく、安心感あるブルネッロとして押さえておきたい銘柄です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ブルネッロ ディ モンタルチーノ イル コッレ
《価格》
【5000~6000円】
《ブドウ品種》サンジョベーゼ(ブルネッロ)
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>トスカーナ州
《生産者》 イル コッレ
イル コッレはカルリ家によって運営される、年間生産量約4万本の小さなワイナリー。
設立は1978年で、1997年以降はイタリアを代表する醸造家であるジュリオ・ガンベッリ氏がコンサルタントを務めていたことでも知られています。
様々なワイン誌や評論家などからも高く評価されており、その一例は以下の通り。
・ブルネッロ2013がアメリカのワイン誌『ワインエンスージアスト』で96点を獲得。
・イタリアのレストランガイド誌『エスプレッソ』2009で、ビオンディ サンティやサルヴィオーニと並ぶ最高賞を獲得。
また、トップレベルのブルネッロでありながら手頃な価格設定である事も特徴的で、ハイコスパブルネッロの生産者として際立つ存在感があります。
《味わいの特徴》
ピュアでしなやか
力強くも上品な
ハイコスパブルネッロ
このワインの特徴は、充実した香りと力強い味わいを持ちつつ、ピュアで雑味の無い味わいからは上品さも感じられるところ。
上質ブルネッロらしい気品ある味わいでありながら、比較的手頃な価格である事も魅力的です。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
ブルネッロはサンジョベーゼの別名で、厳密にはサンジョベーゼの亜種にあたるサンジョベーゼ グロッソを指します。
フレッシュで軽快な味わいを生む傾向のサンジョベーゼと比較して、サンジョベーゼ グロッソは分厚い果皮がある事からタンニンも豊富。
繊細さと力強さを両立し、長期熟成に耐えるワインを生みます。
■2つの畑■
スルリと飲めるような上品さや繊細さを持つブドウを生む畑。
成分が充実し骨格あるブドウを生む畑。
以上2つ畑のブドウがブレンドされることで、力強くも上品でバランスに優れたワインが誕生します。
■自然派のワイン造り■
栽培では農薬や化学肥料は使用しません。
土地の天然酵母など様々な生物の営みが反映された土壌は、健全で成分豊かな状態になり、ピュアで充実したワインを生む要因の一つになっています。
また、醸造では培養酵母を添加せず、ブドウ由来の天然酵母の働きによって発酵。よりブドウの自然な力を反映した滋味深いワインを生んでいます。
■収量制限■
ブドウは剪定などで収穫量をあえて抑えます。
優れたブドウだけを残し、さらに残されたブドウに成分が集中。さらに厳しい選果をクリアしたブドウは雑味なく充実したワインを生みます。
■大樽を使用■
熟成には伝統的な大樽を使用します。
モダン(現代的)と呼ばれる小樽(バリック)は、樽のニュアンスが出すぎてしまうという考えがあり、大樽に由来する適度な樽のニュアンスが反映されています。
【外観】
ガーネットを帯びた深みのあるルビーレッド
熟成するほど淡いレンガ色に近づきます
【香り】
ブラックベリーやプルーンなど熟した黒系果実に、レーズンのような落ち着いたニュアンス。クローヴなどのオリエンタルスパイスや、革製品のニュアンスも複雑性を高めており、それらが一体となった心地よい芳香が広がります。
【味わい】
充実感のある果実味は甘味は抑え気味ですが、滋味深い旨味が広がります。豊富でキメ細かなタンニンは味わいの構造を形成しつつ、しなやかな飲み口を表現し、適度な酸が味わいのバランスを整えると、複雑な風味やコクを残した長い余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し冷やし気味にすれば引き締まった印象。酸やタンニンが際立ちエレガントな飲み口に。
温度を上げるほど穏やかな印象。甘味や複雑な風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から7~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、モンタルチーノのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 4
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 3
2006年 5
2007年 5
2008年 4
2009年 4
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5
2016年 5
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
充実感ある香りと味わいを楽しむには、香りが取りやすく、甘味を感じやすいバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛サーロインステーキ
うなぎのかば焼き
など、上質でコクの深い味わいの料理に合わせると良いでしょう。
脂質の多い素材はワインの豊富なタンニンと結合し、まとまりある味わいを表現するなど、複雑で深いワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立てるマリアージュが楽しめます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
7年熟成の2012はタンニン穏やかで熟成感があり、まあ良いのだけど、10年も待てばもっと良くなるでしょうね。
【良い口コミ】
このブルネッロ最高に美味しい~~♪8年熟成の09です。
小さなワイナリーが手掛けるコスパ抜群のブルネッロ。7年熟成の09は、熟した黒系果実にスミレや樽のニュアンス。充実しているが透明感があるピュアな味わいでバランス良く、じんわり広がるナチュラルな旨味が心地よい。
初めてのブルネッロの味わいは感動的♪8年熟成の2012は凝縮感がありつつ、香り、酸味、渋味のバランスが素晴らしい!!
太陽の恵みをいっぱいに育んだワイン。8年熟成の2012は、熟した果実の豊潤な果実味とボリューム感あるアルコールでパワフル。タンニンはほど良く溶け込みシルキーで、適度な酸がバランスを整えています。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 6%
美味しい 47%
普通 47%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動的評価こそ少ないですが、否定的コメントがほとんど無い銘柄でした。
ブルネッロらしい複雑で深みのある味わいで、バランスの良さをコメントされる方が多い傾向。
コスパの良さで満足される方もチラホラ見られました。
抜栓直後から楽しめる印象ですが、数日かけて変化する味わいも楽しめる傾向。
10年以上の熟成物に対する評価はありませんでしたが、円熟したエレガンスが現れることは想像に易いものでした。
総合的には中価格帯で人気を集めるコスパブルネッロといった感想です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ブルネッロ ディ モンタルチーノ イル コッレは
【価格】
5000~6000円
【味】
充実感のある果実味は甘味は抑え気味だが、滋味深い旨味が広がる。
豊富でキメ細かなタンニンは味わいの構造を形成しつつ、しなやかな飲み口を表現し、適度な酸が味わいのバランスを整えると、複雑な風味やコクを残した長い余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から7~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
モンタルチーノのヴィンテージチャートは以下の通り。。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 4
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 3
2006年 5
2007年 5
2008年 4
2009年 4
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5
2016年 5
【口コミ】
感動的評価こそ少ないが、否定的コメントがほとんど無く中価格帯で人気を集めるコスパブルネッロといった印象。
ブルネッロらしい複雑で深みのある味わいで、バランスの良さをコメントされる方が多い。
抜栓直後から楽しめるが、数日かけて変化する味わいも楽しめる傾向。
10年以上の熟成物に対する評価は無いが、円熟したエレガンスが現れることは想像に易い。
以上です。
非常に安心感のあるブルネッロだと感じました。
あなたはどのように感じましたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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