ギリシャで唯一紹介すべきと感じたワイン。
珍しいギリシャワインの中でも、非常に珍しい品種で造られており、口コミからは経験豊富なワインラバーの方々が分析を楽しんでいるように感じられました。
カリフォルニアなどの果実味豊富で親しみやすいワインを求める方にはおすすめできませんが、ピノノワールやネッビオーロのような複雑でエレガント系のワインが好きな方におすすめできると感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》キリ ヤーニ ラミニスタ クシノマヴロ
《価格》
【3000前後】
《ブドウ品種》クシノマヴロ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 ギリシャ>ナウサ
《生産者》 キリ ヤーニ
キリ ヤーニはギリシャを代表するトップワイナリーのひとつ。 現代ギリシャワインの草分けと言える名門「プタリ ワイン」は1879年からワイン造りを営む老舗ですが、4代目当主であるヤーニス ブタリス氏がブタリ グループのプレミアムワイナリーとして、1997年に設立したのがキリ ヤーニです。
ヤーニス氏はギリシャの可能性にいち早く着目し、1960年代後半に土着品種である「クシノマヴロ」を植樹。これは当時では画期出来であり、新しい時代の幕開けとなる出来事でした。
《味わいの特徴》
エキゾチックな芳香
上品かつ力強い味わい
【外観】
透明感があり深みのあるガーネット色
【香り】
チェリーやカシスなどの果実香に加え、ナツメグやクローヴなどオリエンタルスパイス、土や革製品といったニュアンスも加わったエキゾチックな芳香が広がります。
【味わい】
中程度の果実味を引き締める綺麗な酸、そして細かで豊富なタンニンが相まってドライで骨格ある味わいを表現。上品さと力強さを両立したバランス良い味わいで、複雑な風味を残した長い余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
100%使用されるクシノマヴロは北ギリシャ原産の非常に珍しい品種。
ピノノワールやネッビオーロとの共通点が多いとされており、淡めの色調で複雑でエキゾチックな芳香があり、上品な果実味で豊富な酸と力強いタンニンが特徴的。
熟成でトリュフなど大地を連想させる魅惑的ニュアンスも現れる品種とされています。
■厳しい選果■
適切な成熟を見極めたうえで行われる収穫は、機械ではなく丁寧な手摘みで行われます。
さらにワイナリーに持ち込まれた後、2度の選果を実施し健全なブドウだけが醸造に進むことで、雑味の無いピュアなワインが生まれる要因になっています。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはフレンチオーク又はアメリカンオークで16ヶ月熟成され、樽に由来するバニラやスパイスのニュアンスが適度に反映されます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
やや冷やし気味にすれば引き締まった印象。酸やタンニンが際立ちます。
温度を上げるほど穏やかな印象。果実味や樽など風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
ブルゴーニュのピノノワールやイタリアのバローロなどと似ていると言われるワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計されたバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
豚肉のハーブグリル
鴨鍋
など、適度な強さの味わいを持った料理との相性が良いでしょう。
ワインの豊富なタンニンは脂分と結合しクドさを無くす効果もあり、肉料理やオイルを使用した料理にもよく合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
5年熟成の2016はタンニンも酸も豊富でガッチリ。舌が縮むほどのタンニンなので、ワイン単体では全然飲み進められないですね。。。
【良い口コミ】
若干甘さのあるナツメグや土っぽい香りが主体的かつ魅力的で、メジャー品種との違いがわかる複雑な芳香。口に含むと酸とタンニンが押し寄せる力強さがありますがバランスは整っており、複雑な芳香を伴い長い余韻へと続く。これは当りの1本でした!!
4年熟成の2015をラム肉に合わせるために購入。結果ワインの渋味が肉とマッチしてとても美味しかった♪
4年熟成の2013は、なんか知ってる香りだと思ったらバルバレスコとかなり似てる!チェリー香や豊富で細やかなタンニンがそっくりなんですね。平均的なバルバレスコよりは甘味は抑えられたドライな印象ですが、とても繊細で良いワインだと思いました!!
サンジョベーゼとネッビオーロを足して割ったようなテイスト。6年熟成の2013はネガティブな要素も特になく美味しいと思いますよ。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 30%
普通 67%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
珍しい品種な事もあり、経験豊富なワインラバーの方々が分析を楽んでおり、味わいへの満足度も高めな印象です。
多くの方がピノノワールやネッビオーロのようなエレガント系品種との共通点を挙げている事が印象的で、強めのタンニンへのネガティブコメントもありましたが、ポジティブに捉える意見の方が大半でした。
感動するような奥深さは無くとも、高額なブルゴーニュのピノノワールやバローロやバルバレスコを考えれば非常に手頃で、エレガントかつ骨格ある味わいが楽しめるコスパワインだと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ラミニスタ クシノマヴロは
【価格】
3000前後
【味】
果実香に加えオリエンタルスパイスや土やといったニュアンスも加わったエキゾチックな芳香。
中程度の果実味を引き締める綺麗な酸、そして細かで豊富なタンニンが相まってドライで骨格ある味わいを表現。
上品さと力強さを両立したバランス良い味わいで、複雑な風味を残した長い余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
珍しい品種な事もあり、経験豊富なワインラバーの方々が分析を楽んでおり、味わいへの満足度も高めな印象。
多くの方がピノノワールやネッビオーロのようなエレガント系品種との共通点を挙げている事が印象的で、強めのタンニンへのネガティブコメントもあるが、ポジティブに捉える意見の方が大半。
以上です。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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