ラツィオ州で一番口コミ満足度が高いと感じた銘柄。
評価誌でも何度も満点を獲得しており、名実共にイタリアトップクラスの白ワインだと感じました。
少し甘めのワインですから、スッキリドライが好きな方にはすすめにくいですが、上品な甘味を引き締める酸やミネラル感のバランスも良く、試す価値のある人気銘柄と感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ポッジョ レ ヴォルピ ドンナルーチェ
《価格》
【2400前後】
《ブドウ品種》
・マルヴァジーア デル ラツィオ主体
・グレーコ
・シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや甘口
《産地》 イタリア>ラツィオ州
《生産者》 ポッジョ レ ヴォルピ
ポッジョ レ ヴォルピはラツィオ州を代表する人気ワイナリー。
ラツィオ州をはじめイタリア南部のワインを生産しており、そのコスパの良さでも注目を集めています。
ラツィオ州の州都であるローマ近郊で、1920年代からワイン造りを営むメルジュ家によって運営されており、1950年にポッジョ レ ヴォルピとしてワイナリーを設立。
元々は地元用のワインを造るポッジョ レ ヴォルピでしたが、フェリーチェ メルジュ氏が1990年代の終わりから改革を実行。
醸造学を修めていた同氏は醸造設備も近代化や栽培方法を変えるなどを実施し、飲み心地の良いワインとは何かを徹底的に研究し、世界各地への輸出を前提のワイン造りをするようになります。
目指すスタイルは「みんなに毎日飲んでもらえるワイン」で、2021年現在ラツィオ州、プーリア州、カンパーニャ州から生まれるハイコスパワイン達が日非常に高い人気を集めています。
今回紹介している白ワイン「ドンナルーチェ」は、赤ワインの「バッカロッサ」と並んでワイナリーを代表する上級キュベ。
イタリアのワインガイド「ルカマローニ」では、2011,2013,2014,2015,2017,2019,2020ヴィンテージが最高得点である99点を獲得。※99点満点
イタリアトップクラスのハイコスパ白ワインとして知られる人気銘柄です。
ちなみにワイン名の「ドンナルーチェ」=「太陽の女性」を意味するとの事です。
《味わいの特徴》
アロマティックな芳香
濃厚でやや甘口だが
後口はスッキリ上品
このワインは様々な果実や花を思わせる非常にアロマティックな芳香があり、凝縮された果実の優しい甘味が広がる濃厚な味わいを、適度な酸と凛としたミネラル感が引き締める優れたバランス感覚がある。
【外観】
輝きのあるレモンイエロー
【香り】
ライチ、マスカット、パイナップなどのフルーティーさに蜂蜜の甘やかさ。黄色や白い花の華やかさも加わり非常にアロマティックな芳香で、ほのかにバニラの優しさやハーブ系の爽やかなニュアンスも垣間見えます。
【味わい】
凝縮感ある果実味はピュアでみずみずしく、優しい甘味を伴ったミディアム~フルボディーの飲み口。やや穏やかな酸味と凛としたミネラル感が味わいを適度に引き締める上品さがあり、後口に僅かな苦味を感じ全体のバランス感覚に優れています。
栽培や醸造に関する具体的情報が少ない銘柄でしたが、わかる範囲でそのような味わいになる理由を挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに主体的に使用されるマルヴァジア デル ラツィオは、白桃、杏子、マスカットなどのフルーティーな香りにムスクのニュアンスも加わったアロマティックなワインが生まれると言われています。
味わいもトロミのある質感と膨らみある味わいを生むとされています。
次に多く使用されるグレーコは洋梨、パイナップル、杏子などのフルーティーな香りを持ち、白ワインにしてはボディーのある果実味と、凛としたミネラルや酸を持ち合わせたワインを生む傾向です。
さらに少量のシャルドネのふくよかさが加わり、全体的にアロマティックな芳香を持ち、優しい甘味を伴った厚みのある果実味と適度な酸やミネラル感を持ったワインが生まれます。
■適度な樽感■
醸造にはフレンチオークの大樽が使用されており、フルーティーな果実の風味に樽に由来するバニラのような上品な香りが反映されます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、広がる風味が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【中庸~大ぶりのグラス】
香り豊かで甘美さのあるワインです。
香りが取りやすく温度も上昇しやすいグラスが向いており、豊かな芳香と広がる味わいを存分に楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
クアトロフォルマッジにハチミツをかけて
豚肉のハーブグリル
ブルーチーズ
白ワインですがリッチでボリューム感があるため、比較的強め味わいの料理との相性が良く、ワインの優しく上品な甘みが料理に寄り添います。
また、塩味の強いロックフォールやゴルゴンゾーラなどのブルーチーズにもよく合います。チーズの塩味がワインの甘味を引き立てると同時に、ワインがチーズの旨味を引き立て、甘美なマリアージュが楽しめます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
芳香剤を思わせる強い香り。濃厚な果実感はライチ系の味わいで、甘味とほろ苦さが感じられる。良いワインだとは思いますが厚化粧気味なので、スッキリ系を求める方には苦手と言われるかもしれませんね。
【良い口コミ】
リッチで甘美な香りに魅了され、甘味がありつつもスッキリとした味わいは繊細で、ついつい盃が進む素敵なワイン。1年熟成の2020年ヴィンテージはライチやパインなど、たくさんの果実にナッツ系の芳ばしさが加わった芳香にうっとり♪味わいは香りに反してスッキリとした印象で、シロップ入りのレモン水のような淡めの甘味と酸味があり、後口に少しの苦味を伴ったミネラリーさがあります♪
白ワインてなんだか物足りない印象だったけど、このワインはボリューム感があって、とても満足感がありました!!
香りだけで1時間は楽しめそう(笑)魅惑的な香りは白い花や蜜にバニラを感じます。でも飲んでみると結構スッキリで、香とのギャップもありましたね。
溢れんばかりの香り。黄色い花やアンズやライチなどの果実の香りを主体に、甘い蜜や石灰系のミネラル香や少しのバニラもあります。味わいはボリューム感ある果実味で少しの甘味があり、適度な酸が引き締めると後口にわずかな苦味を残します。ボリューム感とリッチさがあるものの、酸や苦味や凛としたミネラル感が芯のある上品さがあり、メリハリの効いたバランス感覚が素晴らしい。これだけの存在感なのでワイン単体でも十分に楽しめますね!!♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 53%
普通 44%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
クドさの無い甘美な味わいで人気を集めている印象。
唸るような奥行きは無く感動的コメントは稀ですが、ネガティブなコメントも非常に少ない印象。とはいえ、香り豊かで甘味のあるリッチな味わいですから、甘さが苦手な方やスッキリドライな味わいを求める方には不向きだと感じました。
一番多いのは、華やかなフルーツの芳香と甘味のあるボリューム感ある優しい味わいに好感を持つコメント。その甘さも優しい酸味や仄かな苦味と相まって、しつこさの無い上品さが伝わるもので、ワイン全体の評価としてコスパを褒める意見が多いことも印象的でした。
優しく上品な甘味を持ったワンランク上の白ワインとして、押さえておくべき優秀なコスパ銘柄と感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ポッジョ レ ヴォルピ ドンナルーチェは
【価格】
2400前後
【味】
様々な果実や花を思わせる非常にアロマティックな芳香があり、凝縮された果実の優しい甘味が広がる濃厚な味わいを、適度な酸と凛としたミネラル感が引き締める優れたバランス感覚がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
唸るような奥行きは無く感動的コメントは稀だが、ネガティブなコメントも非常に少ない印象。
一番多いのは、華やかなフルーツの芳香と甘味のあるボリューム感ある優しい味わいに好感を持つコメント。その甘さも優しい酸味や仄かな苦味と相まって、しつこさの無い上品さが伝わるもので、ワイン全体の評価としてコスパを褒める意見が多いことも印象的。
以上です。
飲み心地を追求し「みんなに毎日飲んでもらえるワイン」を目指すポッジョ レ ヴォルピの中でも、特に好評なハイコスパ白ワインでした。
ドンナルーチェに限らず手頃で美味しいワインのラインナップも豊富なポッジョ レ ヴォルピ。
下記のリンク先ではそんな銘柄達も紹介されていますから、日常消費用の選択肢などに参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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