プーリア州らしさを表現した手軽で親しみやすい白ワイン。
プリミティーボなどから造られる赤ワインが有名で人気のプーリア州ですが、白ワインも生産されています。
際立つ存在感を放つような白ワインは2021年時点では調べる限り見当たりませんでしたが、手頃な価格帯で口コミ好感度の高い銘柄が2つありました。
※客観的で個人的な解釈ですが。
1つがロッカ デイ モリ サレント ビアンコ エレーナ。
そしてもう1つが今回紹介するトルマレスカ シャルドネ プーリアです。
さすがイタリア屈指の名門アンティノリが手掛けるワインといった印象で、奥深さはなくとも陽気で親しみやすい味わいで人気を集めていました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》トルマレスカ シャルドネ プーリア
《価格》
【1300~1800】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>プーリア州
《生産者》 トルマレスカ(アンティノリ)
トルマレスカは、イタリアワイン界を代表するトップ生産者であるアンティノリがプーリア州で手掛けるワイナリーです。
アンティノリはイタリア全土に10を超えるワイナリーを所有しており、その規模は国内最大クラス。
また、世界各地にブランドを所有しており、カリフォルニアを代表する生産者❝スタッグス リープ ワイン セラーズ❞も傘下にあるワイナリーのひとつです。
1385年からワインビジネスの歴史を持っており、「元祖スーパートスカーナ」として名高いサッシカイアとは血縁関係。
1970年代に❝ティニャレロ❞や❝ソライヤ❞といったスーパートスカーナが海外で高く評価され、世界的なワイナリーへと成長しました。
2021年現在26代目となるピエロ・アンティノリ侯爵は名誉会長で、3人の娘と共に伝統を守りつつ更なる発展を続けています。
そんなアンティノリが「エレガントでトップクオリティのプーリア産ワインを造る」という信念の下、1998年に設立されたのがトルマレスカ。
「海の目の前にある塔」を意味するトルマレスカとおり、畑の前には海が広がっており、様々な品種から上質なプーリアワインを生んでいます。
今回紹介しているトルマレスカ シャルドネ プーリアは、そんなトルマレスカが手掛けるエントリークラスの白ワイン。
バランス良い味わいとコスパの良さで人気を集める銘柄です。
《味わいの特徴》
ふくらみのある果実味と
フレッシュな酸を持った
親しみやすい味わい
このワインの特徴は、温暖な産地らしい膨らみのある優しい果実味を持ちつつ、キレの良いフレッシュな酸を持ちあわせた味わいにあります。
奥深さや複雑性はなくシンプルな印象ですが、ほんのり塩気を感じるようなミネラルも感じられ、明るく陽気で親しみやすい味わいが魅力的です。
【外観】
グリーンがかった明るいイエロー
【香り】
グレープフルーツやレモンなどの柑橘類のフレッシュさに、ラフランスやパイナップルのようなフルーティーな果実香が広がり、白い花の華やかさやハーブの爽やかなニュアンスも感じられます。
【味わい】
厚みのあるフルーティーな果実味をキレイな酸がまとめるドライな飲み口で、ほんのり塩気を感じるミネラル感のある親しみやすい味わいです。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■シャルドネの個性■
世界的に栽培され最も有名な白ブドウですが、品種自体には大きな特徴が無いところが特徴。
土地の気候、土壌の個性を最も反映する変幻自在の品種で、以下で解説するプーリアの自然環境を表現したワインが生まれます。
■栽培環境■
このワインに使用されるシャルドネは、異なる個性を持った2つの区画の畑で栽培されブレンドされます。
【内陸部の火山性土壌】
【海沿いの粘土質土壌】
詳しい解説がネット上では見つからりませんが、火山性土壌に由来する鉱物的なミネラル感や、海風などに由来する塩気を伴ったようなミネラル感を反映。
また、海沿いの温暖な気候に由来する豊潤な果実味と内陸部の夜の冷え込みが適度な酸をもたらし、バランス良い味わいが生まれるのではないかと考えられます。
■丁寧なブドウ管理■
最適のタイミングで収穫されたブドウは、酸化による劣化が進まないように素早く醸造所へ移動。
粗さが出ないように優しくプレスされてから発酵され、ピュアで雑味の無いワインを生む要因の一つになっています。
■ステンレスタンク発酵と熟成■
醸造も発酵もステンレスタンクを使用しており、当然樽の風味は付きません。
密閉性が高く酸化防止効果があり余計な香りも付かないため、ブドウのピュアな果実感がストレートに反映されるのがステンレスタンクの特徴です。
また、樽のように買い替えるコストが掛からない事もステンレスタンクの特徴です。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象。フルーティで豊かな風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【中庸でふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
ボンゴレビアンコ
海の潮風を思わせるようなミネラル感を持った、フレッシュでフルーティーな白ワインです。
気軽な家庭料理などにも寄り添う親しみやすい味わいで、ミネラル豊富な魚貝類との相性も良いでしょう。
反対に、比較的シンプルで明るい味わいが魅力のワインですから、牛肉などのコクの深い素材や濃いめの味付けが施された料理には、ワインの味わいが負けてしまう場合もあります。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
2年熟成の2017は、一瞬ゲヴェルツを彷彿させるライチ系の豊かな芳香に柑橘類が加わる。1000円台中盤としては香りのボリューム感があり、味わいも陽気でみんなで楽しく飲むのにちょうど良い感じ。あえて言うなら、後口にタンニンが引っ掛かるところがネガティブな要素かな。
【良い口コミ】
3年熟成の2017はスッキリ爽快かつ果実味も豊か。和食との相性も良いですね~~♪
リッチで樽感満載のカリフォルニアよりも、スルスル飲めるこのワインの方が好みですね!!1年熟成の2019は奥深さや長い余韻はありませんが明るくわかりやすい味わいで、1000円台のワインとしては十分。微炭酸が心地よく感じられる冷たい温度が良いでしょう。
スッキリとした酸がありつつパイナップルのような厚みのある果実感もあり、石灰系のミネラル感もプラス。2年熟成の2018は厚みのある果実感ながらドライな飲み口で、シンプルではあるが少年のような裏表のない素直な味わいに好感が持てる。
2年熟成の2018は複雑性はないですが、厚みのあるフルーティーな果実味を豊富な酸がスッキリと締めくくる飲み口。クセもなく飲みやすいワインです。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 27%
普通 70%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
フレッシュでフルーティーな味わいへの好感が高い傾向です。
奥深さや複雑さは無いので感動的評価はゼロですが、ネガティブコメントも稀。
親しみやすい平均的な白ワインというような普通評価が一番多かったですが、価格を考慮すれば納得、あるいは満足している方が多い傾向です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
トルマレスカ シャルドネ プーリアは
【価格】
1300~1800
【味】
温暖な産地らしい膨らみのある優しい果実味を持ちつつ、キレの良いフレッシュな酸を持ちあわせた味わい。
奥深さや複雑性はなくシンプルな印象だが、ほんのり塩気を感じるようなミネラルも感じられ、明るく陽気で親しみやすい味わいが魅力。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
フレッシュでフルーティーな味わいへの好感が高い傾向。
奥深さや複雑さは無いので感動的評価はゼロですが、ネガティブコメントも稀。
親しみやすい平均的な白ワインというような普通評価が一番多いが、価格を考慮すれば納得、あるいは満足している意見が多い。
以上です。
際立つ個性のようなものはありませんが、フルーティーでバランス良く手頃な価格。
日常的に楽しむ白ワインの選択肢に持っておきたい銘柄と感じる結果となりました。
あなたはどのように感じましたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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