トリンケーロ ヴィーニャ デル ノーチェ

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バルベーラの最高峰と感じたブライダ

そんなブライダに対抗するバルベーラを挙げるとすればトリンケーロ。

実際口コミの量ではブライダを大きく上回っており、その口コミ内容も非常に興味深いものでした。

酸化防止剤を極力使用しないワインで、ボトル差が多少見受けられる印象ですが、そんな一期一会の味わいを楽しめるという意味でも、ワインラバーの心を擽る素晴らしい銘柄だと感じています。

この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。

《ワイン名》トリンケーロ ヴィーニャ デル ノーチェ

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《価格》

6000~8000円

《ブドウ品種》バルベーラ
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   イタリア>ピエモンテ州
《生産者》  トリンケーロ

プロフィール
トリンケーロはピエモンテ州におけるナチュラルワインの先駆けと呼ばれる生産者。
 

1925年からの長い歴史を持つアスティ県のワイナリーで、2020年現在3代目当主はエツィオ トリンケーロ氏
同氏は先代から引き継いだ約50㏊の畑を13㏊にまで縮小しており、「家族経営で自ら完璧に畑の世話ができる規模にするため」と勇気ある決断をした人物。また、イタリア自然派ワインの先駆けであるグラヴナーに影響を受け、ピエモンテ州においてナチュラルワインの先駆者となりました。

ここで紹介している「ヴィーニャ デル ノーチェ」は「アスティの宝石」とも呼ばれる畑名で、トリンケーロの代表作
世界屈指のバルベーラとも呼ばれる銘柄です。

《味わいの特徴》

充実し長熟で真価を発揮する
トップクラスのバルベーラ

このワインの特徴は、大地の恵みを感じるような充実感のある味わいにあり、特に力強い酸味は特徴的です。
そのような酸をはじめとする成分は熟成期間が長くなるほど溶け合い、しなやかで円熟した魅力を発揮。トップクラスのバルベーラと呼べる深い味わいが感じられます。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

品種の個性
強い酸を持ち、タンニンは少なめの軽いワインになるのがバルベーラの特徴。
しかし、以下で解説する環境や栽培方法によって、充実した成分を持った重いワインが誕生します。

豊富な酸や骨格あるタンニンがある事で長期熟成に耐える力も十分で、熟成で円熟した魅力を発揮します。

恵まれた環境
「アスティの宝石」と呼ばれるほど恵まれたテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)を持つ畑がヴィーニャ デル ノーチェ。
エツィオ氏は粘土質でより肥沃な地質は、凝縮感のある果実味を持つブドウが育つと考えており、さらに恵まれた日照量で熟度は高まります。
そうして生まれたブドウの高い糖分は、発酵によりアルコールに変化。アルコール度数の高いパワフルなワインを生みます。

ヴィエイユ ヴィーニュ
樹齢の高い古木(ヴィエイユ ヴィーニュ)は土地の成分を吸い上げる能力が高く、若い樹よりも充実感のある上質なワインを生みます。
このヴィーニャ デル ノーチェは、1927年に植えられた樹を含む古木から生まれるワインです。

収量制限
剪定などで収穫量をあえて抑えます。
そうすることで残されたブドウに成分が集まり、濃厚なワインが誕生します。

ナチュラルワイン
農薬や化学肥料を一切使用しないビオロジック農法を実践
土地の天然酵母など、様々な生物の営みが反映された土壌は健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウは土地の個性を反映したピュアなワインを生みます。
また醸造においても極力酸化防止剤を使用せずブドウのありのままを表現。熟成では樽の影響が大きい小樽の使用はやめ、大樽を使用します。
※小樽(バリック)は酸やタンニンを和らげ、比較的若いうちから楽しめる傾向で、樽の香りも反映しやすい。
※大樽は酸やタンニンを残しやすいため、若いうちは硬さを感じる事も多いですが、長期熟成に向く傾向。そのためエツィオ氏は出荷を十分な熟成期間を経てからにしています。

【外観】
ガーネットを帯びた深いルビーレッド
熟成するほど淡いレンガ色に近づきます

【香り】
プルーン、カシス、ブラックチェリーなど熟した果実の豊潤な果実香に、スミレやバラの華やかさ。上品な樽のニュアンスやハーブやスパイスの風味も加わり、複雑で優雅な香りが広がります。
熟成するほど果実香は円熟したニュアンスになり、紅茶、腐葉土、革製品など落ち着きある熟成香も加わります。

【味わい】
プラムやブラックチェリーを思わせる凝縮感のある果実味は、適度な甘味と出汁が効いたようなコクと共に心地よく広がります。
豊富でシルキーなタンニンや金属的なミネラル感が味わいの構造を形成しており、強く美しい酸味がしっかりと味わいをまとめると、複雑な風味を残した長い余韻が続きます。
熟成するほど充実した成分は溶け合いしなやかな印象。腐葉土や革製品を思わせる落ち着きある熟成香を伴った、エレガントな味わいに成長していきます。

《飲む時の適正温度》

14℃18℃
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち引き締まった印象。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から8年~30年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
ピエモンテ州のヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1995年 3
1996年 
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑で豊かな香りと、充実した味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


イベリコ豚のハーブグリル


うなぎのかば焼き

ピュアで充実感溢れる味わい、そしてバランス感覚を持ち合わせたバルベーラです。
合わせる料理も上質で深いコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

今回は9年熟成の2008。これも美味しいワインではあるのですが、自然派だけにボトル差が結構ある印象。お客様に提供するにはもっと安定感のあるワインが良いかもしれませんね。


20年熟成の99は素晴らしいことは大前提。ピュアな甘味を伴った厚みのある果実味に金属的なミネラル、美しい酸に出汁系の旨味があります。しかし何やらよそよそしく硬い印象は否めない。冷やし過ぎ?もっと時間かけるとかデキャンタするとかしても良かったかもです。


7年熟成の2010と9年熟成の2008の飲み比べ。08は美味しいのだが10はどうした?なんか薄い。

良い口コミ

うんまい うんまい♪9年熟成の2010は既にうんまい。スミレや黒系果実の芳香から、プルーンやカスタードやチョコのような上質な甘味を、果実のきれいな酸がまとめる。高アルコールからくるパンチと、ほんのり野性的なニュアンスもあってとってもうんまい♪


最高のバルベーラは抜栓直後から魅惑的芳香を放つ。20年熟成の99は溶け込んだタンニンがシルキーな質感を表現し、力強くも角の無い酸と金属的なミネラルが果実味と一体化した味わい。複雑な風味とコクを余韻に残す。


こちらは12年熟成の07です。酸が特徴的なバルベーラですが、ピノの酸とも違うんですね。あまりうまく言えないけど、上品さがあって最初っから最後までとっても素晴らしかった!♪


ほ~バルベーラがこれほどパワフルだとは。。。9年熟成の07は抜栓直後から素晴らしかった。


18年熟成の99はめっちゃ美味いやん!♥バルベーラってこんなんだっけ?バローロ✖ブルネロ÷2って感じ(笑)

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!    10%
美味しい     50%
普通       37%

良くない      3%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

非常に興味深いバルベーラというのが、個人的な第一印象。

謎の状態の悪さによる否定的意見以外は、大半の方が高評価。中には感動的評価を与える方もチラホラ見られるワインでした。

ただし、酸化防止剤を極力使用しない自然派ワインという事で、ボトル差があったり獣的な風味を感じる意見もありますから、安定感のある品質を求める場合には不向きとも感じました。

とは言え、力強くもピュアでバランス良い味わいは注目すべきで、バルベーラの最高峰と感じたブライダに対抗する筆頭銘柄ではないかと感じる結果となりました。

 

まとめ

それでは最後に情報整理です。

トリンケーロ ヴィーニャ デル ノーチェ

価格
6000~8000円


大地の恵みを感じるような充実感のある味わいで、特に力強い酸味は特徴的。
そのような酸をはじめとする成分は熟成期間が長くなるほど溶け合い、しなやかで円熟した魅力を発揮する。

飲み頃
ブドウ収穫年から8年~30年
※一般的傾向や口コミから推測

当たり年
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1995年 3
1996年 
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3

口コミ
謎の状態の悪さによる否定的意見以外は大半の方が高評価で、中には感動的評価を与える方もチラホラ見られる。
ただし、酸化防止剤を極力使用しない自然派ワインのため、ボトル差があったり獣的な風味を感じる意見もあり、安定感のある品質を求める場合にはやや不向きとも感じた。

以上です。

ブライダとの大きな違いは、【小樽は使わない】【ナチュラルな栽培と醸造】であることでした。

どちらも素晴らしいバルベーラで好評ですから、そんなこだわりの違いを味わいで感じてみるのも楽しそうです♪

あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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