1000円前後での中ではかなり飲み応えのある赤ワイン。
プーリア州らしい果実感たっぷりの味わいはコスパ抜群で、知っておくべきデイリーワインだと感じました。
温暖な産地らしい果実の甘味の広がる濃厚な赤ワインですから、軽やかなワインや甘味の無いワインをお探しの方にはおすすめできません。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》トゥルッリ サリーチェ サレンティーノ
《価格》
【1000前後】
《ブドウ品種》
・ネーグロアマーロ
・マルヴァジーア ネーラ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや甘口
《産地》 イタリア>プーリア州
《生産者》 マッセリア ボルゴ デイ トゥルッリ(親会社がチェヴィコ)
マッセリア ボルゴ デイ トゥルッリは手軽でコスパの良いワインを生産するプーリア州のワイナリーです。
親会社はイタリア屈指の生産量を誇るエミリア ロマーニャの生産者協同組合であるチェヴィコ社で、ワイナリー名の「トゥルッリ」はプーリア州のアルベロベッロにある、トンガリ屋根に白壁が特徴の農民家屋を意味しています。 今回紹介しているサリーチェ サレンティーノもそのコスパの高さで人気を集める銘柄で、2018ヴィンテージが日本のワインコンテストであるサクラアワードで最高賞のダイヤモンドトロフィーを獲得するなど、高い評価を獲得している銘柄です。
《味わいの特徴》
充実した果実味と樽感
バランス感覚にも優れる
このワインの特徴は、完熟ブドウによる甘味を伴った充実感ある果実味と樽の風味が広がる濃厚な味わいを、優しい酸味と適度なタンニンが味わいのバランスを整えているところ。
濃厚ながらスルリと飲めるようなクドさのない上品さも持ち合わせており、非常にコスパに優れる点も見逃せない特徴です。
【外観】
深みのある赤紫
【香り】
プルーン、ブラックベリー、カシスなど円熟した果実の豊潤な香りに、樽に由来するバニラやチョコレートのニュアンスやスパイスの風味も加わります。
【味わい】
円熟した果実の凝縮感ある味わいは心地よい甘味があり、穏やかな酸味と適度なタンニンがバランスを整えて濃厚で上品な味わいを表現。
バニラやチョコレートやスパイスの風味も複雑性を高めており、それらの風味を残した長い余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに主体的に使用されるのがネグロアマーロ。
「黒くて苦い」という意味を持つ品種名で、色は非常に濃く濃厚な果実味が特徴的。酸味は控えめなため、果実味主体の力強いフルーティさがあり、わずかな苦味を感じられるワインを生む傾向。
ブレンドされるマルヴァジーア ネーラは、豊かなチョコレートの風味があり、プラムや花の香りがする傾向です。
■温暖な気候■
イタリア南部に位置するプーリア州は典型的な地中海性気候。温暖で乾燥し雨も少ないためブドウはよく熟し、酸は穏やかで凝縮感ある果実味主体のワインが生まれる傾向です。
■熟成■
発酵を終えたワインはステンレスタンク80%とフレンチオーク樽20%で8ヶ月熟成されます。
主体的に使われるステンレスタンクは密閉性が高く酸化しにくいため、ブドウのピュアな風味を反映。
20%使用される樽はバニラやチョコレートのようなニュアンスを反映させます。
《飲む時の適正温度》
【10℃~18℃】
冷やし気味にすれば風味は弱まりますが引き締まった印象になり、軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど甘味や風味の広がり、濃厚で優しい味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【大ぶりのグラス】
気軽なワインですから、少し冷やし気味にして小ぶりのグラスで飲んでも軽快さが楽しめます。
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された大ぶりのグラスを選べば、フルーティーな香りと味わいをバランス良く感じやすくなり、優雅な雰囲気も楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ビーフシチュー
トマト系パスタ
ほんのり甘味のある濃い味わいで、バランスよく優しい味わいが魅力のお手軽赤ワインです。
肉料理やオイルやバターなどを使ったコクのある料理に合わせやすく、気軽な家庭料理やなどに優しく寄り添ってくれるでしょう。
反対に、カジュアルな飲み口が魅力なので、奥深い味わいの料理にはバランスが悪いですね。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
ネグロアマーロらしい濃厚な果実感で甘めな感じ。悪くはないし、たまに飲むのには良いけど、やはりあまり得意ではないかな。。。
いつも見かけてたけど、飲むのは初めて。2年熟成の2018はうまく言えないけど、なんか違う感じですね。普通で。。
【良い口コミ】
〇〇賞受賞!みたいなのはアテにならない事が多いけど、これは正解でしたね。3年熟成の2018は黒系果実の甘味と酸味を連想させる芳香から、凝縮感ある果実味。ジャムっぽい甘味は単調ではなく黒系果実のエキス感があり、マイルドな酸とタンニンとコショウ系のスパイス感が加わり複雑さもある。これはまた必ずいただきたいハイコスパワインですね。
2年熟成の2018は果実感たっぷりでほんのり甘いけど、酸や苦味がうまくバランスを整えていて、濃いわりにスルリと飲めるところが良い。
とっても豊かな芳香とジューシーな果実味で、飲み飽きない心地よさもある。そして食事と合わせることでさらに良くなることも発見♪ミートソースなどトマト系パスタも良かったけど、塩コショウだけの赤身ステーキに想定以上のマリアージュ!!豊潤な果実味がレストランで出てくるような上品なソースのようになり、ステーキのシンプルな味わいをグン↑とアップしてくれました!♪
空けてから日持ちの良いワインです♪2年熟成の2018を3日かけて飲みましたが、香も味わいも落ちることなくずっと美味しかった。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 40%
普通 57%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
安い割には濃厚でバランス良く満足度は高い傾向です。
濃いめで甘味のある果実感が好みから若干ズレるといったネガティブコメントも少しありましたが、ワイン自体を低く評価するものではない印象。
一番多かったのは濃くて甘味もあるけど全体の味わいはバランス良く、価格を考えれば十分納得あるいは満足できるというコメントでした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
トゥルッリ サリーチェ サレンティーノは
【価格】
1000前後
【味】
完熟ブドウによる甘味を伴った充実感ある果実味と樽の風味が広がる濃厚な味わいを、優しい酸味と適度なタンニンが味わいのバランスを整えている。
濃厚ながらスルリと飲めるようなクドさのない上品さも持ち合わせている。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
安い割には濃厚でバランス良く満足度は高い傾向。
濃いめで甘味のある果実感が好みから若干ズレるといったネガティブコメントも少しある。
一番多かったのは濃くて甘味もあるけど全体の味わいはバランス良く、価格を考えれば十分納得あるいは満足できるというコメント。
以上です。
どのようなワインのイメージが広がりましたでしょうか。
私はスッキリ軽快が好きな方や甘味のあるワインが苦手な方にはおすすめできませんが、果実味主体の優しい味わいが好きな方に提案したいお手軽ワインだと感じました。
なお、もう少しだけ甘味控えめな方が良い場合は、同じくプーリア州の同価格帯で人気のリオーネ デイ ドージもおすすめです。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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