「ワインってすごく種類が多いけど、どれを選べば良いの?」
この記事にたどり着く方は、多かれ少なかれそのような思いがあるのではないでしょうか。
ボーヌを指定して検索されるあなたは、既にワインの知識や経験値も高いと推測されますが、全てのワインを知り尽くす方はいませんし、ワイン選びを的確に行うのは難しいものです。
しかしそのような悩みは、この記事を読むことで少しは和らぐと確信しています。
なぜなら、2014年に日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を取得した私は、自身が実際飲んで美味しいと感じるワインもさることながら、一般消費者の皆様が実際口にして、そして満足しているワインはどれだろうという興味が湧き、インターネット上にある信憑性の高い口コミだけをを調べ尽くし、特に満足度の高いワインのみをピックアップし、特徴・当たり年・飲み頃・口コミ内容などを詳しく解説しているからです。
つまり、多くの方が美味しいと認めるワインは外す確率も少ないというわけです。
それでは参りましょう。
ボーヌ おすすめワイン4選
星の数ほど存在するワインは、産地やブドウ品種に生産者、あるいは収穫年や熟成度合い、そして個人個人の受け止め方によっても味わいへの評価は変化し、一つとして同じものが無い事が難しさであり魅力でもあります。
ここで紹介するワインはあくまで一般的に満足度が高いという事で、それら以外にも素晴らしいワインは無数に存在します。
個々の受け止め方でも評価は変わるわけですから、これが素晴らしいワインと決めてしまうのはナンセンスだと思いますし、いろんなワインを探究される事は素晴らしいと思います。
そのような事を踏まえて、この記事があなたの何かしらのヒントになり、ワイン選びのお役に立てれば幸いに思います。
さて、私はボーヌのワインを生み、日本で購入可能な主要生産者を25ほどピックアップし、その中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれかという事を客観的視点から調べてみました。
その結果、特に高評価を獲得していると感じたワインは以下の4銘柄でした。
尚、ボーヌで非常に有名なオスピス・ド・ボーヌ ボーヌについては、上質であるものの品質にバラツキもあるという事でここでは紹介しませんが、知りたい方はコチラの記事でも確認できます。
※ボーヌ以外の満足度の高いワインについてもおすすめワイン一覧で解説しておりますから、参考になれば幸いです。
ボーヌ
おすすめワイン4選
※すべて赤ワインで価格順
1.ロシニョール トラペ プルミエクリュ
《価格》【およそ7000~9000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
ファーストヴィンテージ1990の比較的若いドメーヌ。
ジュヴレ・シャンベルタンで名高かったルイ・トラペの分割で生まれたドメーヌであり、長男のジャン・ルイトラぺがドメーヌ トラぺを、ロシニョール家に嫁いだ娘は夫のジャック氏と始めたのがここで紹介するロシニョール・トラぺというわけです。
現在は2人の息子ニコラ氏とデイヴィット氏がドメーヌを運営しており、新世代のエースとして非常に高い人気で、フランスのレストランでも多く採用、日本の消費者からも高い評価を獲得しています。
このワインの特徴は、香水のようにエレガントなアロマと例えられるような、華やかで心地よい香りがあり、ほどよく優しい果実味としなやかなタンニンや美しい酸味がバランス感覚に優れた質感を表現しており、風格というよりは親しみやすい優しさをを感じる事ができる品質にあります。
口コミからは、カジュアルすぎる事もなく上級すぎる事もなく、薄すぎる事も濃すぎる事ももなく、安価すぎず高価すぎない絶妙なバランスを持った、香り高いブルゴーニュ・ピノといった傾向が感じ取れました。
陸上で例えるなら、100mの選手でもマラソン選手でも砲丸投げの選手でもなく、10種競技の有力選手といった感じでしょうか。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
さらにくわしい解説はコチラ
2.ドミニク ローラン プルミエクリュ
芳醇で複雑
充実感溢れる果実と樽感
エレガンスを併せ持つ
《価格》【およそ6600~7700円】
《ブドウ品種》ピノノワール
「新樽200%」
仕入れたワインを新樽100%で約半年熟成させ、さらに別の新樽に移し熟成させる。
このような独特の手法で人気を集めるドミニク・ローランです。
このワインの特徴は、充実感のある果実の香りに、木樽に由来する芳ばしい香りを主体に感じられる複雑な芳香性と、ふくよかで密度の高い味わいにありますが、決して大雑把ではない繊細な風味や旨味も感じらせるようなエレガンスも併せ持っているところです。
つまり新樽200%とは言っても、必要以上に樽が主張しすぎる事はありません。
口コミからは、エレガント系のブルゴーニュ・ピノを造る生産者が多い昨今にしては、果実感や樽をしっかり感じられるような造りをしている事が読み取れ、そのような差別化も飲み手を楽しませる点が興味深いと感じました。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
さらにくわしい解説はコチラ
3.アルベール モロ プルミエクリュ
充実感ある質感は
熟成で真価を発揮する
《価格》【およそ6000~12000円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》ピノノワール
掘り出し物ワイン。
知名度こそ高くないにせよ、素晴らしいワインを発見した時の喜びは一際ではないでしょうか。
このワインはそんな部類に入るワインでは!?
と、個人的に感じました。
このワインの特徴は、果実味・酸味・タンニンなどの成分の充実感があることで、若くしてもその豊かな味わいを楽しめなくはありませんが、熟成を経る事で成分は溶け合いしなやかさが増し、複雑で妖艶さのある風味が楽しめる点にあります。
そもそも口コミの量も少なめで、感動レベルの評価を与える方はいらっしゃいませんでしたが、熟成させたこのワインにもう少しで感動しそうな評価の方は結構多く、しっかりめの味わいを悪く評価する方もいないという事で、隠れた良酒的な雰囲気が漂うワインだと感じました。
ただし若いヴィンテージの場合の口コミが無かったこともあり、熟成させて評価が高くなる傾向を考えると、そのしっかりめの質感は最低5年程度は熟成させないと、硬いと感じる可能性もあるのではないかと推測されます。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
さらにくわしい解説はコチラ
4.ブシャール ペール エ フィス プルミエクリュ
上品で落ち着きある風味
バランスに優れた
王道ブルゴーニュ・ピノ
《価格》【およそ4500~6000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
「ワインに必要なのはバランス。何かが突出して際立つ必要はなく、果実味・酸・タンニン・ミネラルなどの要素が絶妙なバランスで互いを支え合う事で味わいを表現するのであり、バランスが良いという事は決して個性がない事ではない。」
これは長い歴史を持つブシャール・ペール・エ・フィスの言葉。
このワインの特徴は、どの成分が主張しすぎる事のないバランス感覚に優れた品質にあり、ボーヌらしい柔らかで落ち着きを感じさせる風味も感じられる質感は、複雑で上品な王道ブルゴーニュ・ピノの佇まいがあります。
口コミからは、充実感を求める方にとっては薄く感じてしまう事もあるようですが、カジュアルすぎる事もなく丁度いいブルゴーニュらしい品質に、ほどほどの満足感を持った方が多い印象です。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
さらにくわしい解説はコチラ
ショレイ・レ・ボーヌ おすすめワイン2選
この記事はボーヌのおすすめワインを紹介するものですが、お隣のショレイ・レ・ボーヌでも手頃で人気のワインがあり、きっと読者様の参考になるのでは!?と思えるだけの品質でしたのでピックアップさせていただきます。
1.トロ ボー
親しみやすさを持ち
複雑かつバランスの良い品質
《価格》【およそ4600~6400円】
《ブドウ品種》ピノノワール
何度も紹介してしまっているトロ・ボーですが、私がわざとそうしているのではなく、飲んだ方々の満足度が高いのですから仕方ありません(笑)。
このワインの特徴は力強くもありながら優しく、どの成分が主張しすぎる事はありませんが、ワイン全体で複雑でバランスの良い味わいを表現しているところで、スケールを感じさせるような品格や優雅さとまではいきませんが、心地よい味わいは親しみやすい上質ピノの佇まいがあります。
口コミからも、多くの方が豊かな香りとバランスの良い味わいに価格以上の価値を感じており、ショレイ・レ・ボーヌでは完全に抜きんでたワインだと感じている方も少なくありませんでした。
ここまで解説しておいて言うのもどうかと思うのですが、私の調べる限り楽天では一ヶ所でしか販売されておらず、在庫もどれほど残っているのか不明です。
上のリンク先に無かったら、少し価格は上がりますがエノテカさんのサイトでも販売しておりますから参考にしていただければ良いかと思います。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
さらにくわしい解説はコチラ
2.ジョゼフ ドルーアン
繊細で複雑
薄旨な味わいは
王道ブルゴーニュ・ピノ
《価格》【およそ2700~4900円】
《ブドウ品種》ピノノワール
手軽にブルゴーニュらしさを体感したい方に提案したいワイン。
充実感こそありませんが、繊細な風味で出汁の効いたような優しい旨味や、果実に土に革や樽などの複雑な風味も持ち合わせた品質は上品なブルゴーニュらしさを感じられます。
そもそもこのワインの口コミをしておられる方はブルゴーニュラバーの方が多く、濃厚なワインが好みの方は選んでいないという事も一因にあるのでしょうが、非常に手頃な価格にしては複雑で心地よい出汁の効いたような旨味も感じられる品質に、非常に満足しているといった方が最も多かった印象で、悪い印象の口コミはほぼ見当たりませんでした。
「ブルゴーニュのピノノワールらしいワインを3000円位で飲んでみたいけど、どれを選べばいいかな?」
そんな風に思っている方におすすめする一本です。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
さらにくわしい解説はコチラ
ボーヌ おすすめワインのまとめ
いかがでしたでしょうか。
ボーヌには比較的手頃にブルゴーニュらしいエレガントさを楽しめる銘柄が多かったですね。
この記事が参考になり、あなただけの好みのワインが見つかれば幸いです。
※尚、もっとたくさんの銘柄を知りたい方はおすすめワイン一覧でも確認できます。
では、今回紹介したワインのおさらいです。
1.ロシニョール トラペ プルミエクリュ
7000~9000
香水のようにエレガントなアロマ、風格というよりは親しみやすい優しさを持ったバランスの良い品質。
2.ドミニク ローラン プルミエクリュ
6600~7700
新樽200%。果実感や樽をしっかり感じられるような造りだが、決して大雑把ではない繊細な風味や旨味も感じらせるようなエレガンスも併せ持っている。
3.アルベール モロ プルミエクリュ
6000~1.2万
果実味・酸味・タンニンなどの成分の充実感があり、熟成を経る事で成分は溶け合いしなやかさが増し、複雑で妖艶さのある風味が楽しめる。
4.ブシャール ペール エ フィス プルミエクリュ
4500~6000
上品で落ち着きある風味、バランスに優れた王道ブルゴーニュ・ピノ。
★もう少し手軽なショレイ・レ・ボーヌ
おすすめワイン2選
1.トロ ボー
4600~6400
心地よい味わいは親しみやすい上質ピノの佇まい。
価格以上の価値を感じており、ショレイ・レ・ボーヌでは完全に抜きんでたワインだと感じている方も少なくない。
2.ジョゼフ ドルーアン
2700~4900
充実感こそ無いが、繊細な風味で出汁の効いたような優しい旨味や、果実に土に革や樽などの複雑な風味も持ち合わせた品質は上品なブルゴーニュらしさがある。
以上です。
それでは参考までにブルゴーニュ赤のヴィンテージ・チャートも載せておきます。
ボーヌの当たり年
ワインの味は畑で決まると言われるように、ブドウの出来栄えでワインの品質は変わってきます。
そんなブドウの出来を左右するのが、日照時間・日較差(昼夜の温度差)・降雨量など様々な気候条件だったりします。
そしてその結果その年のブドウがどのような出来であったのかを示す指標がヴィンテージチャートとして存在するわけです。
長期熟成タイプのワインでは、良いヴィンテージ程飲み頃は遅く、そうでなければ早めに訪れると考えておくと参考になるかと思います。
尚、およそ3000円くらいまでのワインは買った時が飲み頃であることがほとんどですから、1年以内に飲んでください。
ですから今回紹介するヴィンテージチャートは、長期熟成に向く高品質なワインの飲み頃を見極める参考にしていただければと思います。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
無数に存在するワインは、生産者やヴィンテージに熟成度合いに飲み手の状など様々な要素も加わり、一つとして同じものがありません。
そのような一期一会の味わいを楽しまれることを願いつつ、あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
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