「ワインの値段は、多くの人が買えるものでなくてはいけない。」
なんとも庶民の気持ちに寄り添ってくれて、親近感が湧く言葉ですね♪
今回紹介するワインは、ボルドーのすぐ隣。知名度が高いとは言えないベルジュラックのコスパ白ワインです。
このベルジュラックにおいて多くの方に親しまれ、口コミ高評価(vinica)を獲得していると感じた唯一の生産者。
いくつかあるラインナップの中でも価格も考慮した満足度では、赤ワインのアダージョと並んでベルジュラック ブランが最も印象が良いと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》シャトー デ ゼサール ベルジュラック ブラン
《価格》
【1300円前後】
《ブドウ品種》
・ソーヴィニョン ブラン
・セミヨン
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>南西地方>ベルジュラック
《生産者》 シャトー デ ゼサール
シャトー デ ゼサールはベルジュラックを代表するコスパワイン生産者。
1984年にパスカル キュイセ氏は両親と兄と共にワイン造りをスタート。料理人を志していたパスカル氏は、足を悪くしてしまいワイン造りの道を選んだ経緯があります。
そんな元料理人のキュイセ氏は、素材と個性が大切なのは料理もワインも同じ、自分だけのオリジナルワインを造る事を意識。
「ワインの値段は、多くの人が買えるものでなくてはいけない。」とも語っており、安くて美味しいワインを生むことにこだわる人物です。
ワインへの評価も高く、その一例は以下の通り。
・イギリスの権威あるワイン誌、デカンター誌において、満点の5つ星を獲得。
・パリ農作物コンクールで金賞を獲得。
《味わいの特徴》
軽快さと豊潤さを両立した
バランス型コスパワイン
このワインの特徴は、柑橘類や青リンゴなどの新鮮な果実のスッキリとした味わいと、白桃やラフランスのようなフルーティー味わいをバランス良く表現している点にあります。
また、そのようなバランスと清潔感のある良質なワインが、手頃な価格で楽しめるコスパの良さも嬉しい特徴と言えるでしょう
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
・ソーヴィニヨンブラン=柑橘類やハーブのニュアンスを持ったスッキリ爽やかな味わい。
・セミヨン=酸は控えめ。厚みのあるジューシな果実味。
ソーヴィニヨン・ブランを主体にセミヨンがブレンドされるワインで、爽やかさとフルーティーさを持ち合わせたバランスの良さがあります。
■リュット レゾネ■
農薬や化学肥料を極力使用しない減農薬農法(リュット レゾネ)を実践。土地の酵母など様々な生物の営みが反映された土壌は、健全で成分豊かなワインを生むブドウが育ちます。
これは、品質は畑にあるという生産者の考えからくるものです。
■スキンコンタクト■
通常白ワインは、ブドウを潰して果汁だけを抜き取りアルコール発酵へと進みます。しかしこのワインは、ブドウを潰した後アルコール発酵が始まる前に、24~48時間低温で果汁と共に果皮を漬け成分を抽出します。この手法をスキン コンタクトと呼び、深みのある味わいを生む要因のひとつとなっています。
■生産者の信条■
「ワインの値段は、多くの人が買えるものでなくてはいけない。」
そう語るパスカル キュイセ氏は、多くの人にワインを楽しんでもらいたいと考えており、大好きなワイン造りの職人にはなれるが、ワインでお金持ちになろうとは考えていない人物です。
コスパの高さは、そのような生産者の信条が反映されていると言えます。
主な理由は以上ですが、品質は畑にあるという思想を軸に、一つの手法にとらわれず良いと思う事を取り入れるスタイルを実践しています。
【外観】
グリーンがかった淡いレモンイエロー
【香り】
青リンゴや柑橘類の爽やかさに、白桃のフルーティーさ。白い花のフローラルな香りやハーブのニュアンスも加わります。
【味わい】
フレッシュでフルーティーな果実味は適度なボリューム感で軽快な飲み口。優しい酸味が味わいをまとめると、ほんのり苦味を感じつつ果実やハーブの風味を残した軽快な余韻へと続きます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~10℃】
しっかり冷やせば酸味が際立ちスッキリした飲み口。
少し温度を上げれば穏やかな印象になり、フルーティな味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~4年
※一般的傾向や口コミから推測
1※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快な飲み口が楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
生カキを薬味ポン酢で
天ぷら各種をレモンと塩で
軽快でフルーティーな味わいを持ったこのワインには、和食など比較的繊細な味わいを持った料理に合わせることで、素材の味わいを引き立ててくれます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
ソーヴィニヨンブランの青っぽいニュアンスを、セミヨンの果実感が包み込むような優しさのある飲み口。悪くはないが、ソーヴィニヨンブランに求める味わいではないかな。
2年熟成の2016は、なんだか軽い。果実味も弱くただ辛い印象。
【良い口コミ】
このワインコスパ良い!!2年熟成の2017は柑橘類やハーブの爽やかさに、白桃のようなフルーティーさが広がる芳香。スッキリしていますが、ちゃんと味わいもある辛口白って感じです。
果実味豊かで適度な酸味。これは和食にマッチします!!
暑~い日にはキンキンのソーヴィニヨンブラン♪3年熟成2016は1000円台前半。この値段なら十分満足できる!!
このワイン好きです♪2年熟成2015は心地よい香り。果実味豊かな味わいで、後半にかけてハーブや上品な花の香りも感じられます。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 27%
普通 70%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
1000円台前半のお手軽ワインという事で、コメント内容も比較的シンプルで感動的評価をする方はゼロ。
若干否定的な意見も見られるワインでしたが、ソーヴィニヨンブランの爽やかなハーブのニュアンスと、セミヨンの厚みのある果実味を組み合わせた軽快な飲み口に好感を持つ方が多い傾向。価格も考慮すれば十分に満足できると感じる方も少なくありませんでした。
奥深さはありませんが、爽やかさとフルーティーさのバランスが良いワインで、気軽なデイリーコスパワインの候補に持っておいても悪くないと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
シャトー デ ゼサール ベルジュラック ブランは
【価格】
1300円前後
【味】
フレッシュでフルーティーな果実味は適度なボリューム感で軽快な飲み口。優しい酸味が味わいをまとめると、ほんのり苦味を感じつつ果実やハーブの風味を残した軽快な余韻へと続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~4年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
コメント内容も比較的シンプルで感動的評価をする方はゼロ。
若干否定的な意見も見られるワインだが、ソーヴィニヨンブランの爽やかなハーブのニュアンスと、セミヨンの厚みのある果実味を組み合わせた軽快な飲み口に好感を持つ方が多い傾向。価格も考慮すれば十分に満足できると感じる方も少なくない。
以上です。
コスパにこだわる生産者の良質白ワインでした。
隣の産地であるボルドーでは、同レベルの白ワインをこの価格で購入するのは難しいです。
デイリーワインの候補に。飲食店であれば、グラスワインの候補にこのような選択肢があっても楽しそうですね♪
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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