スーパートスカーナの熟成古酒を今すぐ楽しみたい。
今回はそんな方に提案する人気銘柄です。
価格も手頃でしかも評判も高いという事で、紹介すべき優れた銘柄だと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ファルキーニ カンポラ
《価格》
【5000~6000円】
《ブドウ品種》
・カベルネ ソーヴィニヨン
・メルロー微量
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>トスカーナ州
《生産者》 ファルキーニ
ファルキーニはトスカーナのサンジミニャーノで1964年に設立されたワイナリー。 元々は建設業を営む家系でしたが、アンティノリのワイナリーを建設を受注した際、アンティノリの醸造長でありイタリアを代表する醸造家であるジャコモ タキス氏と知り合った事をきっかけにワイン造りを開始。イタリア格付け最高位で白ワインのDOCG「ヴェルナッチャ ディ サン ジミニャーノ」で有名なサンジミニャーノですが、そんな産地でも偉大な赤ワインが造れることジャコモ タキス氏と共に証明します。
今回紹介している「カンポラ」こそがそれであり、ファルキーニを代表するトップキュベ。
ワイン法上DOCGは名乗れませんが、その品質は確かであることから「スーパートスカーナ」と呼ばれる銘柄で、様々なワインコンテストや評論家に高い評価を獲得。
その一例として、世界的に影響力が大きいワイン誌「ワインアドヴォケイト」の得点は以下の通りです。
1999 91点
2000 92点
2001 92点
2003 90点
2005 92点
2006 88点
《味わいの特徴》
複雑で優美
バランスに優れた熟成酒
このワインの特徴は、10年を超える熟成による複雑で落ち着きある香りと味わい、そして滑らかな飲み口にあり、円熟した大人っぽいエレガントさが感じられるところです。
【外観】
レンガ色を帯びた深いガーネット
【香り】
ブラックベリーやプルーンやレーズンなど円熟した果実香が豊かに広がり、樽に由来するコーヒーやタバコ、ブラックペッパーなどのスパイス香や干草のようなニュアンスも加わり、複雑で落ち着きある芳香が広がります。
【味わい】
円熟した果実味は適度な甘味とコクがあり、熟成で溶け合ったシルキーなタンニンと共に、しなやかでエレガントなミディアムボディの味わいを表現。適度で美しい酸味が味わいのバランスを整えると、複雑な風味と心地よい旨味を残した長い余韻があります。
情報の少ない銘柄でしたが、わかる範囲でそのような品質になる理由を挙げます。
■長期熟成したカベルネ■
果実味、タンニン、酸などの成分が充実し、力強いワインを生む傾向のカベルネ ソーヴィニヨン主体のワインです。
しかし、10年を超える熟成を経ることで豊富なタンニンや酸などは、円熟した果実味と溶け合い、しなやかな飲み口と複雑な風味、そしてまとまりあるエレガントな味わいを表現するようになります。
また、20年を超える熟成に耐えるワインであるということは、それだけブドウの成分が充実し洗練されていると言えます。
■樽の使い方■
フランス製の小樽(バリック)で24ヶ月熟成しており、新樽の使用比率は1/3程度。
大樽よりも小樽。古樽よりも新樽の方が樽の風味が反映されますが、カンポラではブドウの上品なニュアンスを覆い隠さない程度の樽の風味を付けています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸や凛としたミネラルが際立ち引き締まった印象になり、エレガントな飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ふくらみのある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から15~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、カンポラの産地に隣接するキャンティ地区のヴィンテージチャートと、わかる範囲でWA(ワインアドヴォケイト)の得点も載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1995年 3
1996年 3
1997年 5
1998年 3
1999年 4WA91点
2000年 3WA92点
2001年 4WA92点
2002年 2
2003年 4WA90点
2004年 4
2005年 3WA92点
2006年 5WA88点
2007年 4
2008年 4
2009年 4
2010年 4
WA=ワインアドヴォケイト
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、円熟した香りと味わいをバランス良く感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ポルチーニのリゾット
和牛赤身のステーキ
熟成で成分が溶け合い、円熟した複雑な味わいがあるワインです。
合わせる料理も深みのある味わいを持ったものが適切で、料理とワインが互いの味わいを引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
10年熟成の07はまだ若いかな。。普通で。
【良い口コミ】
19年の熟成を経た1998はカベルネらしからぬ滑らかな飲み口!!全く角が無くマジ美味かった!!
21年熟成の98。カベルネ主体のいわゆるボルドーブレンドだが、ボルドーにはない田舎っぽさが良いんだよね。土っぽい感じとか、納屋の干し草のようなニュアンス。
なにこれ。ちょっとコスパ良すぎません?21年熟成の1999めちゃ旨いです♪
17年熟成の03は抜栓直後から広がる芳香。カシスやレーズン系の果実香にタバコやスパイスのニュアンス加わり魅惑的♪濃い~のをイメージしてましたが、思いのほかエレガントで丸い印象で、適度に残ったタンニンもいい感じ。複雑で熟成感ある味わいですが、お値段が良心的なところも魅力ですね♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 10%
美味しい 70%
普通 20%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
良質な熟成ワインがなかなか手頃な値段で楽しめるという事で、とても満足度が高いことが印象的。
ネガティブなコメントは10年程度ではやや硬いという事くらいで、偶然かもしれませんがピークアウトしたというコメントも無い事から、ブドウ自体のクオリティー高さも窺えるものでした。
パワフルで濃厚な味わいを求める場合には不向きとも言えますが、熟成古酒のエレガントで複雑な魅力がすぐに楽しめるという意味では、とても優れたコスパワインだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ファルキーニ カンポラは
【価格】
5000~6000
【味】
複雑で落ち着きある香りと味わいで滑らかな飲み口。
円熟した大人っぽいエレガントさが感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から15~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
カンポラの産地に隣接するキャンティ地区のヴィンテージチャートと、わかる範囲でのWA(ワインアドヴォケイト)の得点は以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1995年 3
1996年 3
1997年 5
1998年 3
1999年 4WA91点
2000年 3WA92点
2001年 4WA92点
2002年 2
2003年 4WA90点
2004年 4
2005年 3WA92点
2006年 5WA88点
2007年 4
2008年 4
2009年 4
2010年 4
WA=ワインアドヴォケイト
【口コミ】
良質な熟成ワインが手頃な値段で楽しめるという事で、とても満足度が高いことが印象的。
ネガティブなコメントは10年熟成程度ではやや硬いという事くらいで、ピークアウトしたというコメントも無い事から、ブドウ自体のクオリティー高さも窺える。
以上です。
価格帯も含めて個人的にも非常に気になる熟成古酒でした。
あなたはどのように感じましたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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