1000円前後で高い満足感が得られるハイコスパ赤ワイン。
エノイタリア、トゥルッリ、ポッジョ レ ヴォルピなど手軽で好評な赤ワインが多いプーリア州ですが、今回紹介するリオーネ デイ ドージも然り。
南イタリアを中心にコスパワインを生み続けるリオーネ デイ ドージは、プーリア州でも高い人気を集めていました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》リオーネ デイ ドージ サリーチェ サレンティーノ リゼルヴァ
《価格》
【1100前後】
《ブドウ品種》
・ネーグロアマーロ
・マルヴァジーア ネーラ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>プーリア州
《生産者》 ボッテ―ル社(ボッターカルロ)
ボッテール社はイタリア各地のワインを生産し、イタリア屈指の規模を誇るヴェネト州の生産者。 1928年にカルロ ボッテール氏と妻のマリア女史によって設立され、バルクでワインを販売していましたが、1960年代に息子の代になるとボトリングして販売を開始。
その規模を拡大し海外への輸出も始めていきます。1980年代になると地元の生産者との密な関係を築き、アブルッツォ、カンパニア、プーリア、シチリアでのワイン造りもスタート。
2021年現在イタリア最大級の生産者の一つとして、世界的にも知られるようになっています。
今回紹介しているサリーチェ サレンティーノ リゼルヴァは、プーリア州で造られる濃いめの赤ワイン。
フランスのワイン専門誌「ジルベール&ガイヤール」で2011ヴィンテージが金賞。
日本のワイン誌「リアルワインガイド」では2017ヴィンテージが2020旨安大賞を受賞しており、日本の一般消費者の方々にも安くて旨いと高い人気を集める銘柄です。
《味わいの特徴》
豊潤で柔らか
樽の風味もよく効いた
ハイコスパ赤ワイン
このワインの特徴は、少しの甘味を伴った豊潤な果実味と樽に由来するバニラやチョコレートの風味もしっかりと加わった味わいにあります。
また、穏やかな酸味とシルキーなタンニンはバランスを整えつつ柔らかな飲み口を表現しており、その価格の手軽さも見逃せない特徴です。
【外観】
ガーネットを帯びた濃いめのルビーレッド
【香り】
カシスやブラックベリーなどの熟した果実の甘味を連想させる香りに、レーズンのような落ち着きあるニュアンス。
樽に由来するバニラやチョコレートのニュアンスもハッキリと感じられ、ブラックペッパーなどのスパイス香も加わります。
【味わい】
厚みのある果実味は少しの甘味が感じられ、豊富でシルキーなタンニンと穏やかな酸が広がるミディアム~フルボディーの優しい飲み口。
樽に由来するバニラやチョコレートの風味は豊潤な果実味と溶け合い温かみのある味わいで、それらの風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに主体的(80%)に使用されるのがネグロアマーロ。
「黒くて苦い」という意味を持つ品種名で、色は非常に濃く濃厚な果実味が特徴的でタンニンも豊富。酸味は控えめなため、果実味主体の力強いフルーティさがあり、わずかな苦味を感じられるワインを生む傾向。
ブレンド(20%)されるマルヴァジーア ネーラは、豊かなチョコレートの風味があり、プラムや花の香りがする傾向です。
■温暖な気候■
イタリア南部に位置するプーリア州は典型的な地中海性気候。
温暖で乾燥し雨も少ないためブドウはよく熟し、酸は穏やかで凝縮感ある果実味主体のワインが生まれる傾向です。
■熟成■
発酵を終えたワインは、木樽で最低12ヶ月熟成。さらにステンレスタンクで12ヶ月間熟成されてからリリース。
木樽に由来するバニラやチョコレートのようなニュアンスがしっかりと感じられ、風味の複雑さを高めています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し低めの温度にすれば引き締まった印象になり、軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や樽の風味が広がり、ふくらみある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【大ぶりのグラス~小ぶりのグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された大ぶりのグラスを選ぶことで、芳醇な香りと味わいを感じやすくなります。
気軽なワインですから、冷やし気味にして小ぶりのグラスで飲んでも軽快な飲み口が楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
トマト系のパスタ
ポークグリル
など、果実感が濃いめのワインの味わいは同じく濃いめ料理との相性が良く、互いの味わいを引き立て合います。
濃いめの果実感が主体の飲み口ですから、スパイシーな肉料理などの味わいを優しくまとめてくれる効果もあります。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
酸や渋味が少なくフルーティーで甘めな感じでボディが弱めの印象。甘めなので私の好みではないかな。。
豊潤な果実香から、酸やタンニンがしっかり目のドライな味わい。たまには良い感じもするけど好きなタイプではありません。
私は好きだけど、強めの樽感は賛否が分かれそう。果実の風味もあるが樽の香りが優勢で、バランスが悪いと感じる人もいそうだな。。
【良い口コミ】
安くて良いワイン見つけました♪4年熟成の2016は煮詰めた果実や樽にスパイスが加わった香り。凝縮感ある味わいは穏やかな酸と豊富でシルキーなタンニンもあり滑らかな飲み口で、余韻にはバニラやチョコレートのような樽の風味が広がります。この価格帯なら美味しすぎです!♪
4年熟成の2017は渋味穏やかで甘やかな果実香。ガツンと力強いワインが苦手な人でも、このような優しい味わいなら楽しめるでしょう。
1000円以下でこの味わいはあり得ん!飲み始めは酸が強すぎるかな?って思ったけど、時間経過でバランスが整い美味しくなりました。満足しかない♪
4年熟成の2016を3日間で楽しみましたが、衰えていく事なく、むしろ日を追うごとに開いていく感じがして美味しくなっていきました!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 33%
普通 61%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
手軽なワインにしては美味しいというようなコメントが多いことが印象的な銘柄でした。
温暖なプーリア州らしい甘味のある果実感や、強めに効いた樽の風味を苦手と感じる意見もありましたが少数派で、厚みのある味わいへの満足度はとても高い傾向です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
リオーネ デイ ドージ サリーチェ サレンティーノ リゼルヴァは
【価格】
1100前後
【味】
少しの甘味を伴った豊潤な果実味に、樽に由来するバニラやチョコレートの風味もしっかりと加わった味わい。
また、穏やかな酸味とシルキーなタンニンはバランスを整えつつ柔らかな飲み口を表現している。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
手軽なワインにしては美味しいといったコメントが多いことが印象的な銘柄。
温暖なプーリア州らしい甘味のある果実感や、強めに効いた樽の風味を苦手と感じる意見もあるが少数派で、厚みのある味わいへの満足度はとても高い傾向。
以上です。
1000円前後のプーリア州のワインとしては、トゥルッリ サリーチェ サレンティーノと並んで満足度が高い印象でした。
若干甘味が強めでマイルドなトゥルッリと比較すると、ややドライな味わいで人気を集めるのがリオーネ デイ ドージの印象です。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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