ドイツのピノで最もおすすめできる生産者のひとつ。
口コミからはベンハルトフーバーと並んで味わいのレベルの高さが伝わるもので、手軽な価格を考慮すればベッカーの方が満足度は高い印象です。(あくまで客観的で個人的な解釈です。)
高騰するブルゴーニュのピノノワールを考えると、3000円台で楽しめるエレガントなピノは選択肢に持っておきたいですね。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》フリードリッヒ ベッカー シュペートブルグンダー
《価格》
【3300前後】
《ブドウ品種》シュペートブルグンダー(ピノノワール)
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 ドイツ>ファルツ
《生産者》 フリードリッヒ ベッカー
フリードリッヒ ベッカーはドイツのピノノワール(シュペートブルグンダー)におけるトップ生産者。ベッカー家は約300年に渡ってワイン造りを行っており、第2次世界大戦で荒廃したドイツワイン界を復旧させるため協同組合を設立。
当時ドイツでは甘口ワインが主流で、組合は質より量を重んじるスタイルに舵を切ります。
協同組合のリーダー的存在であったベッカーですが、周囲の反対を押し切り組合を脱退。それは当主のフリードリッヒ ベッカー氏自身が好きなピノノワールから「世界一エレガントなワインを造る」ためであり、1973年に独立します。
周囲からの否定的な評価をされることもありましたが、その情熱と努力により品質は向上します。
ドイツのワイン誌ゴーミヨ誌では、8年連続で最優秀赤ワイン賞を受賞されるなど、名実共にドイツのピノノワールのトップ生産者となりました。
今回紹介しているシュペートブルグンダーは、フリードリッヒ ベッカーのスタンダードキュベ。
手頃な価格にしては味わい深いと、日本の一般消費者からも支持を集める銘柄です。
《味わいの特徴》
エレガントでバランス良い
ハイコスパピノ
【外観】
透明感のあるルビーレッド
【香り】
ラズベリー、イチゴ、チェリーなど赤い果実を思わせる甘酸っぱい果実香が豊かに広がり、バラやスミレの華やかさや樽に由来するスパイスやコーヒーのニュアンスも適度に感じられます。
【味わい】
中程度に厚みのある果実味は少しの甘味と出汁が効いたような旨味が感じられ、キレイな酸が味わいを引き締めることで上品でエレガントな飲み口を表現。心地よい旨味や風味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■目指す味わい■
当主のフリードリッヒ ベッカー氏の目標は「世界一エレガントなワインを造る」こと。
ブルゴーニュのピノノワールを思わせる繊細で上品かつ旨味のある味わいが楽しめます。
■品種の個性■
シュペートブルグンダー(ピノノワール)は男性的な力強さよりも、繊細で上品な女性的ニュアンスを持っています。
そして土地の個性を反映しやすい特徴もあり、大地の恵みを感じさせる滋味深いニュアンスを持ったワインを生むことも特徴的です。
■栽培環境■
冷涼なドイツの中では比較的温暖な気候を持つ産地で、引き締める酸を持ちつつ適度に厚みのある果実味があり、優しくバランスの良い飲み口のワインが生まれます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインは濾過も清澄も行わず、ありのままの状態で樽熟成されます。
樽に使用される木材は、所有する森のものを使用しており、ブドウのピュアな風味を覆い隠さない程度の樽のニュアンスが感じられます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち、軽快で上品な飲み口。
温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された、バルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ポークグリル
鴨鍋
など、適度にコクのある料理や野性味のある味わいを持った素材との相性が良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
さすがベッカーと思える味わい。5年熟成の2016は果実味、酸味、渋味、スパイス感の要素が綺麗に溶け合いピノの良さが凄く伝わります!抜栓後1週が経過しても枯れることなく、むしろ深みが増しエレガント。3000円台でこの味わいは本当にありがたい♪
果実感と酸が互いを引き立て合うようなバランスがとても良いですね。ブルゴーニュの高騰ぶりを考えると、非常にありがたい選択肢ですね。
ドイツでピノといえばベッカー。このスタンダードキュベは際立つ要素はないけどネガティブな要素も特になく、安心して選べるコスパピノだと思う。
ドイツワインにハマるキッカケになった赤ワイン。初めて飲んだ時は驚きは今でも覚えています。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 53%
普通 40%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常に高い満足感を与えている事が印象的な銘柄でした。
感動的評価こそ少ないですが否定的なコメントも特になく、適度な厚みと複雑性、そしてバランス感覚に優れる味わいを褒める意見が大半。
コスパの高さをを褒める意見も少なくありませんでした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
フリードリッヒ ベッカー シュペートブルグンダーは
【価格】
3300前後
【味】
赤い果実を思わせる甘酸っぱい果実香が豊かに広がり、バラやスミレの華やかさや樽に由来するスパイスやコーヒーのニュアンスも適度に感じられる。中程度に厚みのある果実味は少しの甘味と出汁が効いたような旨味が感じられ、キレイな酸が味わいを引き締めることで上品でエレガントな飲み口を表現。心地よい旨味や風味を残した余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
非常に高い満足感を与えている事が印象的な銘柄。
感動的評価こそ少ないが否定的なコメントも特になく、適度な厚みと複雑性、そしてバランス感覚に優れる味わいを褒める意見が大半。
コスパの高さをを褒める意見も少なくない。
以上です。
なかなか掘り出し物感ある優良ピノではないでしょうか。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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