とても力強く荘厳で、熟成によってエレガントさが現れる上質な格付け第2級ワインの紹介です。
ピションが付く2級は2つ。
シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン
シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド
です。
元々1つのシャトーであったこのシャトーは、相続によって2つに分割されます。
男兄弟が相続したバロン。
女姉妹が相続したラランド。
というわけです。
そして、姉妹が造り出すラランドのワインはなめらかな女性的品質。
兄弟が造り出すバロンのワインはガッチリと厚みある男性的な品質。
という特徴を持つようになりました。
どちらも評価が高く素晴らしいワインを生み出していますが、今回は男性的なワインの紹介です。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー ピション ロングヴィル バロン
《価格》
【11000~40000円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・カベルネソーヴィニヨン主体
・メルロー少し
※ヴィンテージによって使用比率は変動します。
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>メドック>ポイヤック
《生産者》シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン
《特徴》
スモーキーで力強く
荘厳なボルドーらしさを持つ
ボルドーのメドックの中でも、最もタンニンがしっかりとした男性的ワインを生む村として知られるのがポイヤック村です。
そんなポイヤック村には3つの格付け第1級ワインがあり、ラフィット、ムートン、ラトゥール、は有名ですが、そんな1級の中でも最も男性的で荘厳なワインを生むのがラトゥールで、その畑に隣接するのがシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンです。
砂利質の水はけのよい土壌の下層部分には、鉄分を多く含んだ粘土質の土壌がある事で凝縮感と骨格あるワインを生むブドウが収穫できるわけです。
品質も年々安定感を増しており、ボルドーらしい骨格あるワインを体感したい方にはピッタリで、品質も品格も十分なワインですから、贈り物やプレゼントあるいは特別な日に飲むワインとして、選択肢に入れても良いのではないでしょうか。
【外観】
若いうちは深みのあるルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づきます。
【香り】
若いうちは豊かなベリー系果実やバラの香りに、鉛筆の芯や杉を感じさせる香りも加わります。
熟成が進むほど果実香は落ち着きを見せ、ドライフルーツ・バニラ・煙草・革製品といった熟成香も加わりエレガントさを感じます。
【味わい】
若いうちはパワフルな果実味と骨格あるタンニンが荘厳な印象で強めの酸味が味わいを引き締めポテンシャルを感じさせます。
熟成が進むほど成分はワインに溶け込み、タンニンは丸みを帯び酸味もほどよく感じられ、果実の風味・旨味・複雑味などがバランス良く融合し、エレガントな品質になっていきます。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~35年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1970年 3
1971年 2
1972年 0
1973年 2
1974年 0
1975年 3
1976年 2
1977年 0
1978年 3
1979年 3
1980年 1
1981年 2
1982年 5
1983年 3
1984年 1
1985年 4
1986年 4
1987年 2
1988年 3
1989年 4
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 1
1994年 3
1995年 4
1996年 4
1997年 2
1998年 3
1999年 3
2000年 5
2001年 3
2002年 3
2003年 4
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 4
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 3
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
【パーカーポイントが高い年】
1989 95点
1990 96点
2000 97点
2008 95点
2010 97点
【パーカーポイントが低かった年】
1983 85点
1985 83点
1986 89点
1994 88点
1997 86点
1999 89点
※ワイン全体から見れば低い点ではありませんが、飲み頃を過ぎている可能性もありますから注意が必要です。
※ここに載っていないヴィンテージは90~94点の傑出した品質です。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
上質な和牛サーロインステーキ
舌平目のムニエルをバターソースで
など、上質な素材などを使用しコクのある味わいの料理と合わせる事で、洗練された風味の広がりを体感できるマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「2002は熟成感あって豊かで素晴らしい。シガーのニュアンスがボルドーを感じさせるね。」
「煙草・革製品といったボルドらしい香り、タンニンもパワフルで同じ時に飲んだオーブリオンよりも強いわ。1998とってもいいわね。」
「2000年という事で硬くないか心配したが余計な心配だったようだ。ベリー系果実の香りにトースト香、なめらかで奥深い味わい。さらに熟成させてもスケールの大きなワインになってゆくだろう。」
【悪い口コミ】
「2007はドライな味わいで、ちょっと痩せた印象を感じてしまった。」
「タンニンが主張しすぎて硬いね。2006はもっと熟成させるべきだったか。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、
感動的!! 7%
美味しい 83%
普通 10%
良くない 0%
という結果でした。
感動的な口コミは少なかったのですが、ボルドーらしさを感じさせ、上質なワインである事が伝わってくるような口コミが多かったですね。
悪い印象の口コミは上記のように、早くて硬かったというものくらいですかね。
ですから、15年程度の熟成をさせるか、そのようなヴィンテージのものを購入すれば美味しく飲めるのではないかと感じました。
以上です。
シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン。
男らしくそしてボルドーらしさを体感できる素晴らしいワインでしょう。
ここまで読み進めていただいたあなたには、そんなワインを選択肢に入れておかないわけにもいかないだろうと思っています!!(笑)
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
コメント