メドックの格付けは有名で、どのワインも違った個性を持っており魅力的ですね。
しかしそんなメドック格付けワインは61銘柄あり、全て飲むのは中々大変でお金もかかります。
そのようなこともあり私は格付けワインの中でも評価が高く、多くの方が飲んでいる銘柄を調査しました。
2級レベルになるとおおよそ良い評価のワインばかりでしたが、その中でも特に皆様に好評でスーパーセカンドと呼ばれる銘柄の紹介です。
「投資対象というよりは、ワイン通が選ぶワインだ。」
と、ロバートパーカー氏は評価し、
「コストパフォーマンスにおいては最も興味深いワインのひとつ。」
と、続けています。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー デュクリュ ボーカイユ
《価格》
【12000~75000円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・カベルネソーヴィニヨン主体
・メルロー少し
・カベルネフラン微量
※ヴィンテージによって使用比率は変動します。
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>メドック>サンジュリアン
《生産者》シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
《特徴》
複雑で華やかなアロマ
力強くリッチで奥深い
スーパーセカンド
デュクリュ=昔のオーナーだったベルドラン・デュクリュ氏由来。
ボーカイユ=美しい砂利・小石
の意味を持ち、2級でありながら1級ワインに劣らないと呼ばれる【スーパーセカンド】の代表格と呼ばれているデュクリュ・ボーカイユです。
ボーカイユの名の通り砂利質の土壌で水はけが良く、カベルネソーヴィニヨンに最適な土壌を持ち、1級のラトゥールにも隣接するような非常に恵まれた環境でブドウ栽培が行われ、ブドウの手摘み収穫や、良いブドウと悪いブドウが一切触れないように選果するなどの取り組みもあり、優れた品質のワインを世に送り出し続けています。
華やかな香りと、力強い味わいは奥深く品格を感じさせ、
「サンジュリアンのラフィット」
とも、称されています。
「サンジュリアンのラフィット。なんて名誉ある評価だ。嬉しいですね。」
と思っているか、
「サンジュリアンのラフィット?いや、我々はサンジュリアンのボーカイユ。唯一無二なのだ。」
と思っているのは定かではありませんが、上質なワインを造り続け2003年以降は特に格別のワインを生産し続けており、注目に値するシャトーだと思います。
様々な大切な場面で、活躍できるであろうこのワインは選択肢の1つとして必ず知っておきたい1本だと思います。
【外観】
美しく深みのあるルビー色。
熟成が進むほどレンガ色に近づきます。
【香り】
若いうちはベリー系果実やカシスにスミレの花などの豊かな香りに、樽のニュアンスも加わります。
熟成が進むほど果実の香りはやわらかになり、土・キノコ・ドライフルーツなどの複雑な熟成香も豊かに感じられます。
【味わい】
若いうちは果実味豊かでタンニンも多く骨格を感じさせるリッチな印象で、熟成が進むほどタンニンや酸味がワインに溶け込むことで、なめらかな質感で角の取れた旨味たっぷりのエレガントな品質になってゆくでしょう。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~50年
※一般的傾向や口コミから推測
【当り年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1968年 0
1969年 1
1970年 3
1971年 2
1972年 0
1973年 2
1974年 0
1975年 3
1976年 2
1977年 0
1978年 3
1979年 3
1980年 1
1981年 2
1982年 5
1983年 3
1984年 1
1985年 4
1986年 4
1987年 2
1988年 3
1989年 4
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 1
1994年 3
1995年 4
1996年 4
1997年 2
1998年 3
1999年 3
2000年 5
2001年 3
2002年 3
2003年 4
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 4
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 3
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
【パーカーポイントが特に高かった年】
1982 95点
1996 96点
2003 96点
2005 97点
2008 95点
2009 100点
2010 98点
【パーカーポイントが低かった年】
1981 88点
1983 86点
1987~1993 悪臭の可能性
1994 89点
1997 87点
2001 89点
2002 87点
※ワイン全体から見れば低い点ではありませんが、飲み頃を過ぎている可能性もありますから注意が必要です。
※1982以降でここに載っていないヴィンテージは90~94点の傑出した品質です。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
フォアグラのバターソテー
など、上質な素材を使用しコクのある味わいの料理と合わせる事で、複雑な風味とコクの広がりを体感できる極上のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「自分へのご褒美でデュクリュボーカイユ2006。最初は硬めだったけどだんだん香り広がり、味わいもまろやかで深みが出てきました。タンニンも効いてバランスが素晴らしい。お肉との相性も最高ですね。」
「評価の高い1996。素晴らしい品質だ。様々な果実の味わいがあり奥深い。力ずくではないエレガントさがある。」
「1985はまだ若さが感じられます。インクのような香りがあり、飲むほどに引き込まれて無口になる私がいました。ブルゴーニュとは違った良さを感じるいい機会になりました。」
【悪い口コミ】
「ボーカイユを初めて飲みました。2011です。ん~ちょっと早かったかな~。ポテンシャルは感じるけどね。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、
感動的!! 19%
美味しい 78%
普通 3%
良くない 0%
という結果でした。
5大シャトーほどの感動的な口コミはありませんでしたが、上質なワインである事が伝わってくるコメントが多く、悪い印象の口コミは上記のような早く開けすぎて硬かったというものくらいでした。
適切なタイミングで飲まれた方は、感動はしないまでも満足している印象ですから、安定感があり万人受けしやすい品質なのでしょう。
以上です。
デュクリュ・ボーカイユに限ったことではありませんが、2000年を過ぎた辺りからのワインの品質向上は目を見張るところがありますね。
これだけの情報溢れる社会になり、技術も向上し安定的に良いものが造れるようになったのだと感じました。
やはり本当に良いものは価格も高騰します。
しかし、確かな品質である事の裏付けとも受け取れます。
そんな確かなワインを選ぶことで、素敵な時間を過ごせるのでしょう。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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