メドックの格付けワインの価格は格付け順位とほぼ比例している。
と、思っている方はいませんか!?
私も以前はそのように思っていました(笑)
しかし、実際はそんな事は全くなく、2級でも1万円以下のものもあれば5級でも2万円を超すものもあり、品質が高く消費者にも認められたワインが価格は高騰するわけです。
格付け第1級の5大シャトーを上回る品質と価格のワインは、2級以降にはありませんが(ヴィンテージにもよりますが)、5大シャトーの次に高額で取引され、消費者にも認められたワインがあります。
そのワインは2級ではなく、なんと3級にありました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー パルメ
《価格》
【27000円~6万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・メルロー
・カベルネソーヴィニヨン
・プティヴェルト微量
※ヴィンテージによって使用比率は変動します。
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>メドック>マルゴー
《生産者》シャトー・パルメ
《特徴》
華やかで豊満で柔らか
妖艶なエレガントさを持つ
パルメの特徴的なところは、
1、メルローの比率が高い事。
パルメはメルローが高い事で、華やかな香りとポムロールのような肉厚でやさしい果実味が感じられます。
2、樽香をあまり付けない事。
樽香をあえて抑えた造りをするため、若いうちは複雑感が弱い印象ですが、熟成が進むほどに穏やかな熟成香が豊かに感じられるようになります。
といった事で、もちろん栽培方法や醸造技術の研究も熱心で、ブドウに負荷をかけない工夫のされた手摘みの収穫を多くの人手を使って行ったり、設備投資にも力が入れられ最新鋭の設備も整えるなど、良いワイン造りへの試行錯誤は続けられています。
後で解説するパーカーポイントも、95点以上の格別の品質と評価されるヴィンテージも連発しており、この得点は1級ワインに匹敵しており、2級以降でこれほどの評価を受けるシャトーはほとんどありません。
5大シャトーに匹敵する格付け第3級という事で、品質は抜群です。
大切な場面でこそパルメは本領を発揮するワインで、本物を求める方に飲んでいただきたい1本と言えるでしょう。
【外観】
若いうちは深みのあるルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づきます。
【香り】
若いうちはベリー系果実やカシスなどの豊かな果実香に、バラなどの花の華やかな香りが加わります。
熟成が進むほど豊かで落ち着きのある果実香に、、ドライフルーツ・革製品・土などの熟成香も加わります。
【味わい】
若いうちは凝縮感のある果実の風味が広がり、豊かなタンニンは骨格を形成し、美しい酸は味わいを引き締めます。
熟成が進むほどタンニンや酸などの成分がワインに溶け込み、全体の調和がとれた滑らかな質感になり、力強さも感じますがエレガントな妖艶さを感じさせる品質になっていきます。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~50年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1970年 3
1971年 2
1972年 0
1973年 2
1974年 0
1975年 3
1976年 2
1977年 0
1978年 3
1979年 3
1980年 1
1981年 2
1982年 5
1983年 3
1984年 1
1985年 4
1986年 4
1987年 2
1988年 3
1989年 4
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 1
1994年 3
1995年 4
1996年 4
1997年 2
1998年 3
1999年 3
2000年 5
2001年 3
2002年 3
2003年 4
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 4
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 3
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
【パーカーポイントが特に高かった年】
1983 98点
1989 95点
1999 95点
2000 95点
2005 97点
2009 97点
2010 98点
2011 98点
2012 96点
【パーカーポイントが低かった年】
1985 88点
1986 89点
1988 88点
1994 86点
1997 87点
2007 89点
2013 87点
※ワイン全体から見れば低い点ではありませんが、飲み頃を過ぎている可能性もありますから注意が必要です。
※1982以降でここに載っていないヴィンテージは90~94点の傑出した品質です。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
上質な和牛ヒレステーキを赤ワインソースで
クリーム系パスタにトリュフを乗せて
など、特に上質な素材などを使用しコクの深い味わいの料理と合わせる事で、洗練されたエレガントで複雑な風味の広がりを体感できる、極上のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「1999年です。非常に豊かな香りが印象的。ただし味わいはまだ開いていない。デキャンタージュ後2時間経過で開いてきた。野性的な風味も感じられエレガントで妖艶さがある。パルメはさすがです。」
「こんな素晴らしい古酒は初めてです。まだ生き生きとしていて最高の状態で気絶しそう(笑)1967ありがとうございました。」
「2012という事でまだ早いかと思いましたが、抜栓直後から芳醇な香りで十分に楽しめる品質でした。」
【悪い口コミ】
「2014はボルドーにしては軽い印象。ヴィンテージが悪いのかな?」
「ブショネってたよ・・1996・・」
「なんだろう。もっと深いのかと期待してしまった。良質なワインですがパルメにしてはね・・。2007でした。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 33%
美味しい 57%
普通 7%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
良くないと言っている方はブショネですから、かなりの方が満足感を感じている印象の口コミが多かったですね。
10年程度の熟成でもパワフルで素晴らしいと評する方も多いですが、適切に熟成された古酒を飲まれた方は、特に感動している事がよく伝わってくる口コミをされています。
若くして楽しまれるのも良いですし、良いヴィンテージのパルメを適切に熟成させて楽しむのも良いでしょう。
以上です。
シャトー・パルメの品質がなんとなく想像できましたでしょうか。
品質はもはや5大シャトーと同じくらいと言ってしまって良いのでは?
と感じますね。(実際パーカーポイントが5大シャトーよりも良い年もたくさんあります)
価格は5大シャトーに比べれば半額程度(とは言っても高額!!)ですから、比較的手に入れやすくコスパにも優れるワインといえるでしょう。
その抜群の品質は、本物を理解する方にこそ相応しいワインで、ここは外せない場面だという時にパルメのような品質のワインを選ぶべきだと思います。
特別な日に特別な人と特別感溢れるパルメと共に、特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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