お値段以上の品質のワイン=コスパワイン
ボルドーシュペリウールのランクながら、上質でボルドーらしいバランスの良い味わいを表現するシャトー。
ちなみにボルドーシュペリウールは格付け階層では、格上から順に
- 村名AOC(メドックだけにあり、ポイヤック、マルゴーなど)
- 地区名AOC(メドック、サンテミリオン、グラーブなど)
- 地方名AOC ボルドーシュペリウール
(ボルドーだけよりちょっと規定が厳しいです) - 地方名AOC ボルドー
という位置付けで、下から2番目の格です。
※村名AOCよりも上には、メドック、グラーブ、サン・テミリオンにそれぞれシャトーの格付けがあるというわけです。
オーナーのピエール・ラフォン氏は、高品質で自分の納得のいくワインを造りたいという熱意のもと、元々所有していた畑を5分の1程度に減らし、良い畑だけを選びました。
さらに、良いブドウのみを育てる事にもこだわり、質の良くないブドウは丁寧に剪定する事で低収量となり、それは格付けシャトーに匹敵する低収量となっていることもワインの品質が優れる理由です。
いろいろウンチクを言っても味は伝わりにくいですが、飲んだ方々もとても良い評価をしていますので、品質の良いワインである事が伝わってきます。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー ラグラーヴ パラン
《価格》
【2200~2700円】
そもそも売ってるところがかなり限られています。
《ブドウ品種》
・メルロー
・カベルネソーヴィニヨン
・カベルネフラン
《ボディ》ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>アントル・ドゥ・メール
《生産者》シャトー・ラグラーブ・パラン
《特徴》
豊かでエレガント
ボルドーらしいバランス型
このワインの特徴はブドウのクオリティーの高さを感じさせる品質と、果実味、タンニン、酸味のどれが主張しすぎる事もないバランス感覚に優れた味わいにあります。
厳選されたブドウから造られるワインは雑味が無く美しく、複数品種のブレンドによる複雑さは樽のほどよい風味も加わる事で増しており、ボルドーらしさもしっかりと感じさせてくれます。
前述のように、狭い畑で低収量を実践している事で生産量も少ない事も特徴で、あまり市場で見かける事もなく選択肢も少ないと言えるでしょう。
【外観】
深いルビーレッド
【香り】
ベリー系果実やプルーンの果実香に、ドライフルーツに腐葉土、樽に由来するバニラやスモーキーなニュアンスも加わり複雑さが感じられます。
【味わい】
豊かで心地よい熟した果実味が感じられ、複雑な風味と共に旨味もありバランスの良さが感じられます。豊かでなめらかさのあるタンニンは骨格を形成しており、ほど良い酸味は味わいをまとめた後に心地よい余韻が訪れます。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで複雑さのある香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~12年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
一般的にボルドー赤ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 5
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
カマンベールチーズフライ
すき焼き
など、コクのある料理に合わせることで、心地よい風味の広がるマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
ボルドーらしい品質を求める方におすすめしたいワインです。
ニューワールド系やボルドーでもモダンな果実味主体の造りと言うよりは、果実味は主張しすぎず複雑さがあり、バランスの良いクラシックなボルドースタイルを感じさせるもので、しかも手頃な価格なところが良いところです。
日常消費用としては少し高いかもしれませんが、ちょっとだけ上質なワインが飲みたい時には丁度良いのではないでしょうか。
また、ちょっとした手土産にもいいですし、気軽なパーティーなどでもこのようなワインがあると場面も盛り上がりそうですね。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「このワインの香りが好きなんです。包み込まれるような感じがして、味わいもバランスが良いのでいつも楽しませてもらっています。今回は2011でした。」
「9年目の2010です。ベリー系果実に森の湿った土を連想させるような香り。滑らかなタンニンはシルキーで心地よく、いろんな料理にマッチする懐の深いワインですね。」
「8年目の2010の開けたては花や土の香りが魅力的。タンニンは強く感じたが時間経過でまろやかになり、果実の風味も高まり美味しい。価格も考えると素晴らしいですね。」
【悪い口コミ】
「2011は2010に比べてやや軽い印象。悪いワインではありませんが、重めが好きな私としては少しの物足りなさを感じます。」
「2008う~んこんなもんでしょう。普通。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 3%
美味しい 45%
普通 52%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
価格を考慮して良いワインと考えた人が多い印象で、中にはツボにハマった方もいらっしゃいました。
数名濃いめのワインが好みの方にやや薄く感じる評価をされた以外は、おおよそ価格以上の品質でバランスに優れた品質だという傾向が読み取れました。
強すぎず弱すぎず。
高すぎず安すぎず。
美味すぎず不味すぎない!?
いや、美味すぎず程々に美味い。
ですね(笑)
そんなワインですね。
以上です。
深すぎず浅すぎないこのワインに興味を持っていただけましたでしょうか。
買いたいようで買いたくない。
いや。
買いたくないようで買ってみたい・・はず。
飲みたくないようで飲んでみたい。
飲んでみようとしたら、もう売っていない。
そんな絶妙な距離感を持ったワインかもしれません。
いや、これは私が勝手に造ったフィクションです(笑)
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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