ポムロール。
世界一のメルローを生む産地。
そんなポムロールのワインと言えばペトリュスやル・パンが有名で別格、メルローの世界一ですが、お値段も超一流で非常に手が届きにくいワインです。
それに次いで人気で品質も秀逸なラフルール、レヴァンジル、トロタノワは上記の2つに比べればかなり値打ちですが、それでも数万するもので手を出すのに躊躇してしまう事も多いと思います。
そんな秀逸で高額なワインを多く生むポムロールにおいて、価格も手頃で手が届きやすく、ポムロールらしさも感じられるワインがありますので紹介する事にしました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 クロ ルネ
4378円。
2020~2030年くらいま飲み頃が続きます。
《価格》
【4300~6300円】
ほとんど扱っているところがありませんでした。
《ブドウ品種》
・メルロー主体
・カベルネフラン
・マルベック
《ボディ》ミディアム~フルボディ
《甘辛》 まろやかな辛口
《産地》 フランス>ボルドー>ポムロール
《生産者》シャトー・クロ・ルネ
《特徴》
豊潤な果実味主体の
やさしい質感
クロ・ルネのワインの特徴は、やさしい果実味主体で滑らかなタンニンと穏やかな酸を持った飲み心地良さにあります。
これは、ル・パンやシャトー・モンペラなどを手掛け一躍有名にした、天才ワイン醸造コンサルタントと呼ばれるミシェル・ロラン氏に影響するもので、そのような果実味主体でやさしい飲み口はモダンな造りと表現されます。
そのような滑らかな造りは、比較的若いうちから楽しめるスタイルであり、もちろん熟成させても円熟味の増したワインに成長していきます。
高額ワインを多く生み出すポムロールにおいて、このようなポムロールらしいリッチな味わいを持ち、しかも手頃なクロ・ルネは試してみる価値が十分にあると言えるでしょう。
【外観】
若いうちは深いガーネット色。
熟成が進むほどレンガ色に近づきます。
【香り】
若いうちはベリー系果実やカシスなどの豊かでピュアな果実香に、チョコレートやタバコにインクのニュアンスなども加わります。
熟成させるほど果実香は熟した果実の落ち着いたものになり、煙草やシナモン、革製品などの熟成香も加わります。
【味わい】
若いうちは凝縮感のある豊かでやさしい果実味で、存在感はあるものの角の取れたタンニンはほど良く骨格を感じさせます。
樽に由来するスモーキーさやバニラのやさしいニュアンスも加わりコクがあり、ほど良い酸味は味わいをまとめ心地よい余韻があります。
熟成が進むほど果実味は落ち着きある熟した果実の甘味を感じさせ、タンニンや酸味などの成分がワインに溶け込むことで、より滑らかさが増しシルクのような質感になり、豊かさも感じますがエレガントさも感じさせる質感に成長していきます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
その豊かな香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 5
2001年 4
2002年 3
2003年 3
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 5
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
【パーカーポイント】
1998 86点
1999 87点
2000 88点
2001 87点
2002 ?
2003 86点
2004 ?
2005 89点
2006 ?
2007 86点
2008 89点
2009 89点
2010 89点
2011 90点
2012 ?
2013 ?
2014 ?
2015 91~93点
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ローストビーフ
うなぎのかば焼き
など、上質な素材を使用しコクのある味わいの料理と合わせる事で、心地よく豊かな風味の広がりを体感できる、上質のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「6年目のクロ・ルネ2012。インク、キャラメル、コーヒーなどの豊かな香り。濃密で粘性の高い質感で甘やかさがある。豊かなタンニンは角が取れており滑らかで、酸のバランスも良い。いいワインです。ポムロールの良さを堪能できますね。」
「熟した果実に、バニラ、チョコレート、シナモンの香りでタンニンは強いもののシルキー。奥行きのある味わいでコクもあり、スモーキーな余韻が心地よい。ポムロールらしくコスパも素晴らしい。2011は4年目という事で、あと10~15年熟成させればさらに華開くでしょう。」
「4年目の2013で若いのですが、とても豊潤で飲みやすいですね。なるほどミシェル・ロランらしいモダンな造りですね。」
【悪い口コミ】
「7年目の2008はクセもなく飲みやすい味わい。悪くも無いが特に印象に残る事も無い。」
「酸味は少なめでまろやかな味わい。多くは語りませんが普通かな。2007でした。」
「4年目の2011という事で、タンニンは強めでアルコール感も強かったです。美味しいワインだと思いますが、もっと熟成させるべき?とも思いました。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 50%
普通 50%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
とても飲み心地の良い豊かなワインで、そのようなやさしい口当たりを高評価する人もいれば、そこそこで普通と感じる人もいる印象で、驚くほどうまいと感じた人もいなく、ダメだと感じた人もいないワインでした。
まとめてしまえば、
濃厚でやさしく心地よい品質で、熟成にも向くポムロールらしいワイン。
といった感じでしょうか。
以上です。
クロ・ルネの味わいがなんとなく想像できましたでしょうか。
個人的には想像しやすいのでは?
と、思いました。
ニューワールドっぽくてモンペラの造りにも似ているというヒントがありましたので。
細かいニュアンスは飲んでみるしかありませんから、ぜひ試していただきたい一本です。
きっとイメージに近い味わいでしょう。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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