「恋人達」「恋する乙女達」
を意味する畑をご存知でしょうか。
グランクリュに匹敵、いや、凌駕するとまで言われるほど上質なワインを生むとして有名なプルミエクリュであり、シャンボール・ミュジニーを代表する畑です。
その名は「レザムルーズ」
今回紹介するワインは、そんなレザムルーズの最大の所有者でありシャンボール・ミュジニーのトップ生産者の一つ、ロベール・グロフィエが造るレザムルーズ。
非常に誠実で実直な性格を持つグロフィエ家の造り出すワインは、非常に評価も高く、ロバート・パーカー氏から「A.C.ブルゴーニュからグラン・クリュに至るまで、どのワインもテロワールを良く表現した最上のワインだ」と評されています。
そして、シャンボール・ミュジニーで実際に多くの方に飲まれ、口コミ評価も高いワインはどれだろうと調べてみた結果、このワインは紹介すべきワインだと確信致しました。
シャンボール・ミュジニーのトップクラスを選ぶのであれば、必ず候補に入れておきたいワインだと言えます。
《ワイン名》 ロベール・グロフィエ シャンボール・ミュジニー プルミエ・クリュ レザムルーズ
《価格》
【47000~7万円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャンボール・ミュジニー>レザムルーズ
《生産者》 ロベール・グロフィエ
《特徴》
快活で豊潤かつ優雅
熟成で現れる
完成度の高い妖艶さ
ロベール・グロフィエのワインの特徴はシャンボール・ミュジニーにしては濃密で味わい深い事。
その成分の豊かさは長期熟成にも耐えるもので、熟成によって深まる味わいは妖艶で、非常に完成度の高い味わいを持っています。
そのようなワインを生むための取り組みをいくつか挙げましょう。
・農薬や化学肥料を使わない有機栽培の実践により、健全で成分豊かな土壌が育ち、その豊かな成分を吸い上げた上質なブドウが得られます。
・抜群の立地条件を持ったレザムルーズではありますが、さらに日照を向上させ風通しの良いブドウの樹の仕立てを工夫することで、熟度の高い健全なブドウが得られます。
・ブドウの収量をあえて抑える仕立て方をすることで、残されたブドウの果実に成分が集まり、上質なブドウが育ちます。
・そのような成分豊かなブドウ本来の味わいを大切に考えるため、樽のニュアンスが反映しやすい新樽の使用比率はあえて低くしています。
主には以上ですが、その他にも様々なワイン製造に関わる作業を誠実に実直に行っており、そのような真面目さがワインの品質に現れているという事でしょう。
【外観】
深みのある赤紫色。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
熟したチェリーやラズベリーにイチゴなどの果実香が豊かに広がり、バラの華やかさにほのかな樽、牡蠣の殻のようなミネラリーなニュアンスもあります。
熟成するほど果実香はさらに円熟味の増した果実やドライフルーツのようなニュアンスになり、なめし革や腐葉土に紅茶といった熟成香のニュアンスも加わり、品格や円熟を感じさせる妖艶な香りになっていきます。
【味わい】
洗練されたイチゴやラズベリーといった赤系果実の果実味が豊かに広がり、上質でやや控えめなタンニンはなめらかな質感を表現します。
豊富なミネラルは味わいに奥行きを感じさせ、美しい酸味はエレガントで優雅な余韻へと導いてくれます。
熟成するほど果実味は円熟味を増し、心地よい甘味を伴った優雅な旨味も豊かに感じられます。
酸やタンニンなどの成分は綺麗に溶け合うことでなめらかさが増し、調和の取れた官能的なエレガントさが現れ、複雑で魅惑的な長い余韻へと導いてくれます。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3年~40年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1978年 5
1979年 3
1980年 2
1981年 2
1982年 2
1983年 3
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 4
1988年 5
1989年 4
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
優雅な香りと、奥深く複雑な味わいを持った秀逸なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
アワビバター
和牛の赤ワイン煮込み
など、豊かなコクのある味わいの料理に合わせる事で、エレガントで深いワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑で優雅な風味の広がる極上のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
本当に美味しいシャンボール・ミュジニーを選びたい時や、絶対に外したくない時にこのワインを選ぶのは賢者の選択と言えるでしょう。
実際に飲まれた方の口コミ評価も非常に高く、本物を理解した方でもこのワインならば十分に満足できるのではないでしょうか。
そんなワインですから、接待や特別な贈り物などにも向いているでしょう。
シャンボール・ミュジニーという産地名だけでも価値がありますし、さらにレザムルーズとなれば格別です。
その秀逸な味わいは飲み手の幸せな時間を造り出してくれる事でしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「2年目の2016はやはりシャンボール・ミュジニーらしい香りが素晴らしく、いいワインね。でも、このワインの力はまだまだこんなもんじゃないのでしょう。熟成後が楽しみ。」
【良い口コミ】
「10年物の08は開かせるために3時間前の抜栓。エレガントな香りを想像しましたが意外な展開。凝縮感ある果実香に土や獣が強く感じられます。味わいもパワフルでスパイシーで奥行きのある複雑性。なかなかのスケール感は女性的でエレガントとは言えないですがこれはこれで素晴らしい。」
「2年目の2015という事で若い。鮮やかなパープルレッド。若さゆえの酸は感じるが落ち着いたニュアンスも感じる。ほ~これはつまり・・うまいのである。」
「17年の時意を経た02はとても妖艶。エレガントと表現するよりはもっとリアルなセクシーといった印象。経験豊かな大人の女性の色気?そう私のように(笑)。さておき、これはまさに飲み頃で別格のワインと言えるでしょう。」
「24年熟成の93。開けたては酸が立ちぎみでやや閉じている。しかし時間経過で果実味が広がり始め熟成香も豊かになり、酸も心地よい印象に。タンニンはワインにしかり溶け込んでおりなめらかで、奥深い旨味と相まって優雅なひと時を楽しめる。秀逸だね。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 27%
美味しい 70%
普通 3%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
これはかなりのワインだと率直に感じましたね。
非常にポテンシャルの高さを感じさせる口コミがほとんどで、普通と評価する方すらほとんど見られませんでした。
マイナスイメージの口コミは若すぎると感じた方が少しみえたくらいで、若くても味わいにまとまりがあり十分満足と感じている方も多かったです。
さらに長期熟成させれば、その満足度はさらに高まっている傾向もありましたので、待てる方は長期熟成を選択肢皆様にるべきとも感じました。
いずれにせよ、非常に飲み手を満足させる確率の高い優れたワインである事は間違いなさそうです。
以上です。
とても優れた味わいである事がひしひしと伝わってきますね。
というわけで高額です!!(笑)
それだけの価値があるのですから受け入れるしかありません。
記念日などの特別なひと時、仕事で成果を上げた時、特にお世話になった方への感謝の気持ちを込めて贈る時、そのような特別な場面でこそ力を発揮し、価格相応、いやそれ以上の記憶に残るワインともなり得るのではないでしょうか。
あなただけのの好みの一本、忘れられない一本が見つかる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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