高額イメージの強いシャンボール・ミュジニーにおいて手頃な価格を実現し多くの方を楽しませているワインの紹介です。
１８８０年にボーヌに創立されたブルゴーニュを代表する家族経営の大規模生産者であり、アメリカのオレゴンに可能性を確信し、いち早くドメーヌを設立。
流行にとらわれず、自分たちが良いと思うワインを提供し続けているところも特徴的で、テロワールの多様性を最大限に表現した非常に多くのラインナップを持っています。
シャブリで評価の高いワインを調査した時も、シャブリ レゼルヴ ド ヴォードンの口コミ評価は高く、紹介させていただきましたが、今回はシャンボール・ミュジニーです。
価格も高騰しがちなシャンボール・ミュジニーにおいて、比較的手頃でしかも口コミ評価が非常に高く、選択肢に入れておくべきワインだと感じたので紹介させていただく事にしました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ジョセフ・ドルーアン シャンボール・ミュジニー
《価格》
【６０００～８０００円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス＞ブルゴーニュ＞シャンボール・ミュジニー
《生産者》 ジョセフ・ドルーアン
《特徴》
繊細ながら複雑で奥深い
熟成による可能性に大きな期待
ジョセフ・ドルーアンはエレガンスとバランスを重視し、土地の特性を感じられるワインを生み出すことを追求しています。
特にこのシャンボール・ミュジニーは、繊細なワインを生むテロワール（ワインを取り囲む自然環境）を感じさせるエレガントで優雅なワインとなるわけです。
そのような品質が生まれる理由をいくつか挙げましょう。
・まずは自分たちが本当に良いと思うワインを造るというスタイル。
それは「エレガントでバランスが良い事」。甘口が流行ったり、果実味主体のモダンなワインが流行ったりもしますが、一貫してそのようなワインを生む事を目指しています。
・土地の特性を表現したワインするには健全な土壌が必須。
ドルーアンでは無農薬農法から有機農法そしてビオディナミ農法へと段階的に転換し、土地の微生物の働きなどによって成分豊かな土壌が育ち、その成分を吸い上げたブドウが育ちます。
・その土地の成分を吸い上げた繊細なニュアンスも感じやすくするために、樽のニュアンスが反映しやすい新樽の使用比率を低くすることで、繊細なニュアンスを感じさせつつ、ほどよい樽感のあるバランスの良いワインを生んでいます。
【外観】
美しく透明感のあるルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
イチゴやラズベリーなどのフレッシュな果実香に、カシスやブラックチェリーなどのフルーティな果実香、バラの華やかさに樽のニュアンスも感じられます。
熟成が進むほど果実香は円熟味を感じさせる落ち着きある印象になり、紅茶や腐葉土に革製品などの熟成香も加わり複雑さも増し妖艶さを感じます。
【味わい】
透明感のあるピュアな果実味は心地よく旨味も感じられます。
タンニンは比較的穏やかで角が取れており、しなやかな質感。
美しい酸味が味わいを引き締め、心地よい果実や樽の風味を残したエレガントな余韻があります。
熟成が進むほどタンニンや酸味などの成分は溶け合うことで、なめらかさとコクが増し、円熟味を感じさせる妖艶な味わいから長い余韻までを楽しめるでしょう。
《飲む時の適正温度》
【１４℃～１８℃】
その豊かで華やかな香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
少し冷え気味にすれば酸味が際立ち軽快さのある飲み口になりますし、温度を上げるほど甘味や風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から３～３０年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
５点 秀逸な年
４点 良い年
３点 平均的な年
２点 やや難しかった年
１点 難しかった年
０点 悪い年
１９９０年 ５
１９９１年 ３
１９９２年 ２
１９９３年 ４
１９９４年 ２
１９９５年 ４
１９９６年 ５
１９９７年 ３
１９９８年 ３
１９９９年 ４
２０００年 ３
２００１年 ３
２００２年 ４
２００３年 ３
２００４年 ２
２００５年 ５
２００６年 ３
２００７年 ２
２００８年 ３
２００９年 ５
２０１０年 ５
２０１１年 ３
２０１２年 ４
２０１３年 ３
２０１４年 ４
２０１５年 ５
２０１６年 ４
２０１７年 ４
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
華やかな香りと、エレガントで奥深さのある味わいを持った上質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛タタキ
トマト系パスタ
など、ほどよくコクのある味わいの料理に合わせる事で、エレガントで深いワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、繊細で優雅な風味の広がるマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
ジョセフ・ドルーアンは実績もあり評価も高く名実ともにブルゴーニュを代表する生産者と言えるでしょう。
良質なシャンボール・ミュジニーを手頃な価格で手に入れたいのであれば、このワインは選択肢に入れるべきです。
そんな良質なワインは、贈り物やプレゼントにしても恥ずかしくない品質で、飲み手の幸せな時間を演出してくれる事でしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「７年目の２０１１はどうかな～。どうだろ～。ん～・・ん～・・ふ・普通かな～。」
【良い口コミ】
「４年熟成の２０１１は渋味が少なくスッゲー飲みやすくてガンガンいけるぜ！！でもな、ちゃんと深みのある味わいなんだよな。こんな旨いのは俺史上初だぜ！！」
「華やかな香りに圧倒されちゃいました。飲み口は繊細で軽やかでエレガント、３年目の２０１２は素敵すぎますね。やっぱりピノノワールはブルゴーニュがいいのかな～。」
「村名ワインの２９年熟成という事でちょっと大丈夫か！？と思ったが・・。すまん！！凄いぜ（笑）レンガ色を帯びた健全なルビー色。赤果実に土に樽の香りもある。非常にエレガントな甘味を持った果実味で、美しく溶け込んだ酸も心地よくしみじみ旨い。熟成による紅茶・なめし革・ドライフラワーの風味もたまらないぜ！！いやいや。なかなかのワインだ。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的！！ １４％
美味しい ６０％
普通 ２６％
良くない ０％
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
比較的若いものでは感動するほどの奥深さこそ無いですが、悪く評価する方もいなく、シャンボール・ミュジニーらしい上品で奥深さのある味わいに好感を持っている方が多い印象で、価格がお値打ちな割には満足度の高い傾向がありました。
熟成が浅く若いワインでも、開いていないや硬いと評価する方も見られず、若いうちから繊細でバランスが良い味わいである事がわかりました。
そして特に興味深かったのは最後の口コミで、３０年近く熟成させた良年のこのワインを、感動レベルの評価をした熟練者の方が何人かみえたことです。
そのような古酒は市場ではほぼありませんから、遠い未来に楽しむワインとして選んでも、感動的成長を期待できるかもしれません。
以上です。
「人を信じよ、しかしその百倍自分を信じよ。」
という言葉がありますが、ジョセフ・ドルーアンまさに流行に左右される事なく、エレガントでバランスの良いワインを追求し、自らを信じ通した生産者と言えるでしょう。
「信じてくれと言葉を放つ前に～、信じきれぬ自分を愛してやれ～！！🎵」
という歌も思い出しました。
わかる方はちょっとマニアックで熱い方でしょう。（笑）
あなただけのの好みの一本、忘れられない一本が見つかる事を願っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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