ようこそマニアックな世界へ。。。
おそらくこの記事に辿り着く方は、
・勉強熱心で好奇心旺盛
・マニアック感漂うマイナー産地を求めている
いずれかに属しているのではないでしょうか。
今回は、一般レベルのワインの知識では辿り着く確率が非常に低い産地、
サン・ブリです。
ソムリエ試験では、
サン・ブリSaint Bris=ソーヴィニョン・ブランSauvignon Blanc
と覚える産地ですね。
それはさておき、早速進めましょう。
さて、私はサンブリのワインで多くの日本の一般消費者の方々に飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてました。
その結果、やはりそのマイナーさ故に、そもそもたくさん飲まれているワインは存在せず、しかも実際購入できるワインも、私の調べる限り7生産者程度しか見つかりませんでした。
今回はそんな7つの生産者の中でも最も満足度が高いのでは!?
そう感じたドメーヌ・フェリックスを紹介させていただきます。
ちなみに他の生産者はパッとしない口コミ内容でしたから、このサンブリにおいては唯一紹介するのがドメーヌ・フェリックスという事になります。
※参考までに7つの生産者です
・ドメーヌ ピエール=ルイ&ジャン=フランソワ ベルサン
・ドメーヌ グラン・ロシュ
・ドメーヌ プティジャン
・ドメーヌ ウィリアム・フェーブル
・ドメーヌ デ・マランド
・オリヴィエ トリコン
・ドメーヌ・フェリックス
《ワイン名》 ドメーヌ・フェリックス サン・ブリ
《価格》
【2000円前後】
《ブドウ品種》ソーヴィニョン・ブラン
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>サン・ブリ
《生産者》 ドメーヌ・フェリックス
ここで簡単にプロフィール。
ドメーヌ・フェリックスは1960年創業の家族経営の生産者で、ブルゴーニュ北部で活躍しています。
現オーナーのエルベ・フェリックスの代から、栽培から醸造までを一貫して行うドメーヌスタイルになり、2013年の世界ソーヴィニョン・ブランコンクールでは、金賞を獲得する実績もあります。
《味わいの特徴》
爽やかでフルーティ
軽快さが売りのコスパワイン
このワインの特徴は、ソーヴィニョン・ブランらしいハーブや柑橘系の爽やかなニュアンスに、白桃やリンゴなどの程良いフルーティさも楽しめる品質にあり、綺麗な酸や凛としたミネラルもバランス良く感じられます。
じっくり味わうというよりは、軽快にクイクイ飲んで楽しめる品質で、価格も手頃なところも嬉しい特徴と言えるでしょう。
非常に情報の少ない生産者ですが、そのような品質になる理由を挙げます。
■自然派農法■
化学肥料を抑える栽培を実践する事で、健全で成分豊かな土壌が育ち、その土地の成分を吸い上げたブドウが育ちます。
サン・ブリにおいてはシャブリに隣接することもあり、豊富なミネラルを含んだ土壌で、凛とした鉱物的なミネラル感のあるワインを生むブドウが育ち、またその冷涼さは、綺麗な酸をワインにもたらします。
■ソーヴィニョン・ブランらしさ■
サン・ブリは唯一ブルゴーニュでソーヴィニョン・ブランのみが認められた産地。
ソーヴィニョン・ブランはハーブや柑橘類のような、爽やかなニュアンスを持ったワインを生みます。
【外観】
グリーンがかった淡いレモンゴールド
【香り】
グレープフルーツなどの柑橘類やミントなどハーブ類の爽やかさに、青リンゴやラフランスなどのフルーティさ、白い花の華やかさも感じられます。
【味わい】
柑橘類やリンゴの果実味をフレッシュな酸が引き締め軽快な印象で、適度に広がる旨味や、凛としたミネラル感も味わいに幅を持たせ、スッキリとした余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば、フルーティな風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
飲み頃はブドウ収穫年から
【およそ1年~5年】
若いうちの生き生きとした風味を楽しむワインで、長く熟成させてしまうと風味は弱まりどこか枯れた印象のワインになってしまうでしょう。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョにハーブを添えて
若鶏のタタキをレモンと塩で
など、比較的軽快な味わいから適度なコクを持つ料理に合わせると良いでしょう。
爽やかでフルーティな飲み口は、上質な料理と言うよりは気軽な料理に寄り添い、楽しいマリアージュを演出してくれます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
爽やかで軽快なワインを手軽に楽しみたい時におすすめです。
気軽な料理に気軽な仲間たちとワイワイやる時は、上級ワインを味わいうよりも、このようなサクサク飲める軽快なワインがマッチすることも多いです。
ちょっとワインに詳しい仲間との集まりに、サンブリを登場させたら、
「あー!!ソムリエ試験の時勉強したマイナーAOCだ!!」
というよな盛り上がりを見せるかもしれません(笑)。
《こんな場合には不適切!?》
スッキリ軽快で比較的カジュアルなワインですから、じっくり向き合て味わうワインではありません。
難解な小説をじっくり読み解くのはいいですが、4コマ漫画はじっくり読み込みませんね(笑)。
4コマ漫画は言い過ぎですが、このワインは比較的シンプルで軽快に楽しめるところが素敵なんですね。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「キリッとしてスッキリしたワイン。暑い日にクイクイ飲むにはいいかもしれないけど、落ち着いてゆったりと味わいたい時には薄いと感じるでしょうね。」
【良い口コミ】
「白い花、青リンゴ、柑橘類にハーブ。とても華やかで軽快な飲み口が心地よい。酸も豊かですが果実味やミネラルもあって美味しい。2年熟成の2017は和食にもよく合いそうな感じです。」
「青リンゴやハチミツの香りがして、これは甘いワインなのか!?そう思わせといてキレの良い辛口。このギャップがたまりませ~ん🎵」
「グレープフルーツに青っぽいニュアンス、そしてトロピカル系の甘いニュアンスも僅かに感じられる。2年熟成の2014は素直に美味しいと思えるワイン。爽やかさがあるソーヴィニョン・ブラン好きにおすすめしたい。」
「奥深さとは無いけど、綺麗な酸と凛としたミネラルがあって爽快感がありますね。そして何より安いところが素晴らしい!!」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 3%
美味しい 30%
普通 67%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
手頃な価格帯のソーヴィニョン・ブランということで、感動するような方はほとんどいませんでしたが、否定的な意見もほとんど見られませんでした。
ソーヴィニョン・ブランらしいハーブ系の爽やかさに、ほどよいフルーティさは優しさを、豊富な酸や鉱物的な凛としたミネラルは芯のある味わいを表現しており、気取らず軽快に楽しむ時などに向いているワインだとわかります。
マイナー産地という事もあって、価格も非常に手軽で、そのような部分も含めて満足度の高いコスパワインと言えるでしょう。
以上です。
ソーヴィニョン・ブランといえば、ロワールのサンセールやピュイ・フュメ、あるいはボルドーのアントル・ドゥ・メールなどが有力ですが、もう一歩踏み込みたい時はサン・ブリという選択肢を持っているなんて素敵です。
そもそもサン・ブリは、こちらから探しに行かないと中々出会えませんし。
そんなメタルスライム的レアさのあるワインを試してみるのも楽しそうです。
きっと経験値もグンとアップすることでしょう。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
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