肉料理やジビエに合わせたい珍しい赤ワイン。
知名度が高くないので口コミ量は非常に少ないものの、飲まれた方の満足度は高く、特徴的な強靭なタンニンやワイルドなニュアンスは興味深いものでした。
力強い赤ワインを求める方には、ウンブリア州の上質なサグランティーノはおもしろい選択肢になるでしょう。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》アルナルド カプライ コッレピアーノ モンテファルコ サグランティーノ
《価格》
【6000~7000】
《ブドウ品種》サグランティーノ
《ボディ》 フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ウンブリア州
《生産者》 アルナルド カプライ
アルナルド カプライはサグランティーノ種の可能性を引き出した元祖と呼ばれるウンブリアの生産者です。 繊維業で成功したアルナルドカプライ氏は、1971年にワイン造りの夢を叶えるためにワイナリーを設立します。
1988年からは熱意ある息子のマルコが参画。ミラノ大学と協力し、クローン選抜、栽培技術、醸造設備などの改良を重ねます。
そして1993年に「サグランティーノ ディ モンテファレスコ25アンニ」を生みだし、世界的に認められる生産者となりました。
1995年にはイタリアソムリエ協会より『ベストプロデューサーオブザイヤー』を受賞し、2001年には同協会から最高の造り手として、ワインのオスカー賞を獲得しました。その他評価誌でも数多くの受賞歴があり、イタリアを代表するワイナリーのひとつと評されるまでに成長しています。
《味わいの特徴》
パワフルで風格ある味わいで
洗練された上品さも合わせ持つ
このワインの特徴は、凝縮感ある果実味と堅牢なタンニンのある力強く風格ある味わいにあり、洗練された雑味の無さやキレイな酸からは上品さも感じられ、スパイスや革製品などの複雑な風味も相まって奥深い味わいを表現しているところです。
【外観】
深いガーネット色
【香り】
ブラックベリーやブラックチェリーなどの果実香に、煮詰めた果実やドライフル―ツ。クローヴやシナモンなどのオリエンタルスパイスや、革製品やトリュフなど様々な芳香があり、それらが一体となった複雑で落ち着きある香りが広がります。
【味わい】
凝縮感ある果実味は少しの甘味と深いコクがあり、高いアルコールと存在感のあるタンニンと相まってパワフルな飲み口。しなやかで伸びやかな酸が複雑で奥深い味わいを上品にまとめており、長い余韻が続きます。
情報の少ないワインですが、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
100%使用されるサグランティーノは暴れ馬のような野性的な個性を持つと言われる品種。
高いアルコール度数と非常に豊富なタンニンを持つ品種で、熟成によって円熟味が増していきます。
※昔は通常のワインには難しいと考えらえ、陰干しブドウの甘口ワイン用に使用されていました。
■昼夜の寒暖差■
ブドウ畑は昼は温暖ですが夜は冷え込みます。
温暖さはブドウの熟度を高め、冷え込みはキレイな酸をもたらします。
また昼夜の寒暖差はブドウに豊かな香りを生む要因になっています。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはフレンチオークで22ヶ月熟成され、上品なバニラの香りやコショウやクローヴなどのスパイスのニュアンスが反映されます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち引き締まった飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実感や複雑な風味が広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から6~30年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く香りと味わいを感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
天然うなぎの蒲焼
ワイン単体でも楽しめる充実感がありますが、強めの味わいの料理と合わせる事で、さらに互いの味わいを高め合うマリアージュが楽しめるでしょう。
野性味あるワインの味わいは、羊や鹿などジビエ料理と合わせるのもおすすめです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
現地で飲んだ味わいの感動が忘れられず、何度も日本で購入するもあの感動には程遠い。。。そして遂に2010ヴィンテージで格別の味わいに再び感動。それにしても当りを引く確率の低さがね。。。
【良い口コミ】
1998は20年経過してるのにまだまだパワフル!!とはいえ、荒々しいタンニンも角が取れ滑らか。華やかな芳香と複雑な味わいが心地よい。あと十年はいけそうで、サグランティーノのポテンシャルを感じますね!これは牛肉も良いけどジビエとも楽しみたい♪
22年熟成の98は力強くもエレガントな味わい。複雑な芳香から味わい深い果実味を美しい酸がまとめる素晴らしいワインです。
サグランティーノってこんなに旨いのか!♪03は11年の熟成でまろやか~な味わいで、肉料理にもぴったですぅ~♪♪
8年熟成の2012は舌を収縮させるようなタンニンで、強靭なサグランティーノらしさが感じられるものの上品さも合わせ持っている。複雑でワイルドな芳香と、熟成による深みもプラスされた味わいで、優美な余韻も非常に長い。知名度こそ低いものの、素晴らしいですね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 20%
美味しい 50%
普通 30%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
知名度の低さからか口コミ量は非常に少ないワインでしたが、非常に興味深いワインだと感じました。
ヴィンテージや熟成度合いによって品質にバラつきがあるようですが、サグランティーノらしい力強いタンニンのある強靭さがあり、複雑かつ上品な味わいに満足する方が多い傾向です。
10年程度の熟成でも高評価ですが、20年を超える熟成物の方が満足度は高い印象です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
アルナルド カプライ コッレピアーノ モンテファルコ サグランティーノは
【価格】
6000~7000
【味】
凝縮感ある果実味と堅牢なタンニンのある力強く風格ある味わい。
洗練された雑味の無さやキレイな酸からは上品さも感じられ、スパイスや革製品などの複雑な風味も相まって奥深い味わいを表現している。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から6~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
口コミ量は非常に少ないが、非常に興味深いワインだと感じた。
ヴィンテージや熟成度合いによって品質にバラつきがあるようだが、サグランティーノらしい力強いタンニンのある強靭さがあり、複雑かつ上品な味わいに満足する方が多い傾向。
10年程度の熟成でも高評価だが、20年を超える熟成物の方が満足度は高い印象。
以上です。
今回はコッレピアーノを紹介しましたが、トップキュベでサグランティーノの最高峰と呼ばれる25アンニも人気です。
コッレピアーノを気に入った方は、さらに深い25アンニへとステップアップしてみるのも楽しそうですね♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント