甘やかだけど透明感があって綺麗な飲み口。
口コミの量こそ少ないワインですが、飲まれた方の満足度やリアクションは印象的。
高額な貴腐ワインを考慮すれば、紹介すべきコスパ甘口ワインだと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》カ ルガーテ レチョート ディ ソアーヴェ ラ ペルラーラ
《価格》
【4000~5000】
《ブドウ品種》ガルガーネガ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 甘口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 カ ルガーテ
カ ルガーテはソアーヴェをはじめとするヴェネト州のワインを手掛ける実力派生産者。
500年以上農業を営む家系で、1900年頃からワインの生産を開始しており、2021年現在4代目当主のミケーレ氏を中心として家族で運営されています。2008年からは、ソアーヴェの筆頭生産者であるピエロパンで15年醸造に携わっていたフランコ モンケラートが醸造責任者に就任。ソアーヴェ屈指の優良生産者としてその名を馳せています。
今回紹介しているレチョート ディ ソアーヴェ ラ ペルラーラは、そんなカ ルガーテが手掛ける極甘口のソアーヴェ。
「年々甘口ワイン市場は小さくなるが、ヴェネトの伝統的な甘口は造り続けていきたい。」
そう語るミケーレ氏は、自身も大好きな甘口ソアーヴェの素晴らしさを示そうとしています。
《味わいの特徴》
魅惑的な甘美さと
透明感ある上品さを両立
このワインの特徴は、凝縮された果実の甘味と穏やかな酸に様々なニュアンスが加わった甘美な味わいにありますが、洗練されたピュアで透明感のある味わいは雑味なく、スッと舌の上を流れるような上品さも併せ持っているところです。
【外観】
トロミのある深いゴールド
【香り】
黄桃やアンズなどの熟した果実香に、蜂蜜の甘やかさや黄色い花の芳香が広がり、ドライフルーツや樽に由来するトーストやナッツ類の芳ばしいニュアンスも加わり、それらが一体となった複雑で清潔感のある香りに包まれます。
【味わい】
トロミのある質感は凝縮された甘やかな果実味と相まって優美な味わい。酸は穏やかでマイルドな印象ですが、透明感のある味わいは綺麗にまとめられており、複雑で甘美な風味を残した長い余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■収量制限■
剪定などで優れたブドウだけを残し、収穫量をあえて減らします。
残されたブドウには成分が集中し、凝縮感ある味わいを生みます。
■陰干ブドウ■
収穫されたブドウは6~7ヶ月陰干され、水分が蒸発し重量が50%になってから発酵させます。
水分が抜けることで糖分が凝縮され、甘やかなワインを生みます。
また、陰干しの段階でカビの一種である貴腐菌が付き、その菌による独特の風味も加わり複雑さが高まります。
■クリアな酒質■
甘やかながら酸化ニュアンスのない透明感のある味わいで、その要因の一例は以下の通りです。
収穫は機械ではなく手摘み。また除梗(果粒だけを取り出す工程)は特殊な機械を使用しており、ブドウを傷付けないことでピュアな味わいを生みます。
また、ブドウの圧搾(ブドウを潰し果汁を搾る)では、酸化を防止するために窒素ガスを入れながら搾れる特殊な機械を使っており、よりクリアな味わいを生んでいます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインは小樽(バリック)で10~12ヶ月熟成され、樽に由来する芳ばしいニュアンスが適度に反映されます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸が際立ち引き締まった印象になり、上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になり、香りや甘美な果実感が広がる優雅な飲み口が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から4~20年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
冷やし気味にして軽快さを楽しむ場合、温度も上がりにくい小ぶりのグラスを選ぶと良いでしょう。
少し温度を上げて広がる風味や味わいを楽しむ場合は、香が取りやすく温度も上昇しやすいシャルドネグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのバターソテー
ブルーチーズ
極甘口のワインはフォアグラとの相性が非常に良いことで知られており、甘美なワインの味わいが、きめ細かなフォアグラの深いコクと相まって、とろけるようなマリアージュが楽しめます。
また、上品な甘味は塩分の強いブルーチーズやウオッシュチーズなどとの相性も良く、チーズの塩味がワインの甘味を引き立て、またワインの甘味がチーズの旨味を引き立て合う相乗効果が楽しめます。
逆に繊細な味わいを持った和食(刺身・鮮魚の塩焼き・寿司)などに合わせてしまうと、ワインの甘露な味わいが強すぎて料理の味わいが感じにくくなってしまうでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的なネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
今まで飲んできたデザートワインとは別物。6年熟成の2010は蜂蜜の甘いニュアンスが主体で酸も穏やかだが、クドさがなく綺麗な飲み口でとても良い。
濃厚だけどとても綺麗。ラフランス、パイナップル、バナナ、メロンの凝縮感ある果実香に、ミントの爽やかさやカラメルのような甘芳ばしいニュアンスが加わります。味わいも酸や苦味が穏やかで、角の無い優しい甘味。とても癒されますね♪
焼いたパンにチーズと蜂蜜をかけたような風味。これはガルガーネガ最上の甘口ですね。
いろんな貴腐ワインを経験してきたけど、このレチョートには驚きましたね。ダントツでナンバーワン。特に2010は秀逸!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 20%
美味しい 44%
普通 36%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
そもそも口コミ量の少ないワインでしたが、少ないながらも経験豊富なワインラバーの方々の高い満足度が非常に印象的でした。
とても綺麗な味わいで、しつこくない美しい甘さである事がよく伝わり、複雑な風味も相まって奥深さもあるようです。
ソーテルヌの貴腐ワインなどと比較すれば価格も手頃で、甘口ワインラバーの方におすすめすべき銘柄と感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
カ ルガーテ レチョート ディ ソアーヴェ ラ ペルラーラは
【価格】
4000~5000
【味】
凝縮された果実の甘味と穏やかな酸に様々なニュアンスが加わった甘美な味わいで、洗練されたピュアで透明感のある味わいは雑味なく、スッと舌の上を流れるような上品さも併せ持っている。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
そもそも口コミ量の少ないワインだが、少ないながらも経験豊富なワインラバーの方々の高い満足度が非常に印象的。
とても綺麗な味わいで、しつこくない美しい甘さである事がよく伝わり、複雑な風味も相まって奥深さもある。
以上です。
辛口が主流の現在ですが、このようなエレガントな甘口も選択肢の幅を広げてくれそうです。
ソアーヴェの甘口の中では、もう少し酸が効いたピエロパンも好評ですが、今回紹介したカ ルガーテが客観的には1番満足度が高いと感じました。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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