右岸のラフィットと形容され、2012年にサンテミリオン格付けの最上級に、シャトー・アンジェリュスと共に昇格を果たしたシャトーを紹介します。
19世紀から名は知れ渡り、高評価のワインを生んでいましたが、1998年以降、オーナーがジェラール・ペルスになってかは、さらに磨きがかかり、凝縮感溢れるモダンなワインに変化しています。
今回はそんなシャトー・パヴィについて解説します。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー パヴィ
2001 《飲み頃かつ高評価の年》
《価格》
【3万~11万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・メルロー
・カベルネフラン
・カベルネソーヴィニヨン
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>サン・テミリオン
《生産者》シャトー・パヴィ
《特徴》
複雑で芳醇な品質は
ラフィットを思わせる
前述ですが、2012年にシャトー・アンジェリュスと共にサンテミリオン格付け最上級である第1特別級Aに昇級したパヴィーです。
その理由は、1998年からオーナーがジェラール・ペルス氏に変わったことが大きく、ブドウの収量制限、澱と触れたままの熟成、清澄・濾過を行わないなど、様々な工夫を実行し、良いワインを造るための出費を惜しまないスタイルがあったからと考えられます。
今日に至っては、メドック格付け第1級の中でも筆頭のラフィットが形容されるまでになり、右岸のラフィットとして複雑で芳醇なワインを世に送り出しているのです。
50年間不変であった格付けを変更させたこのワインは、何かを達成した時などにもピッタリで、昇進祝いや結婚祝い、あるいは還暦祝いにもいいですね。
敬意を表してこのような歴史を覆す昇格を果たしたワインを贈るのも素敵ですね。
【外観】
若いうちは深みのある濃い赤紫。
熟成が進むほどレンガ色に近づきます。
【香り】
若いうちはベリー系果実やチェリー・カシスといった果実の香りに、煙草・スパイスなどのニュアンスも加わります。
熟成させるほど果実の風味は落ち着きを見せ、トリュフやドライフルーツや革製品といった複雑な香りも加わります。
【味わい】
若いうちはパワフルな果実の風味があり、様々な味わいが幾重にも重なるようなスケール感があり、タンニンは骨格を形成し、ほどよい酸味は味わいをまとめます。
熟成が進むほどタンニンや酸味といった成分はワインに溶け込み、果実味も落ち着きを感じさせる大人びた風味に変わり、エレガントさも増した品質へと成長していきます。
※ヴィンテージや熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から10~60年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1960年 1
1961年 5
1962年 4
1963年 0
1964年 3
1965年 0
1966年 4
1967年 3
1968年 0
1969年 1
1970年 3
1971年 3
1972年 0
1973年 2
1974年 0
1975年 4
1976年 2
1977年 0
1978年 2
1979年 3
1980年 1
1981年 3
1982年 5
1983年 4
1984年 1
1985年 3
1986年 3
1987年 1
1988年 3
1989年 3
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 3
1994年 3
1995年 4
1996年 3
1997年 3
1998年 5
1999年 3
2000年 5★パーカー100点
2001年 4
2002年 3
2003年 3
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 5
2009年 5
2010年 5★パーカー100点
2011年 3
2012年 4
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
※パヴィに関しては、98以前の評価が低いため、98以前のワインはピークを過ぎている可能性が高いと思われます。
逆に98以降のビッグヴィンテージでは、飲み頃が始まるのが遅い場合がありますから、そのようなところも考える必要がありますね。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
牛肉の赤ワイン煮込み
フォアグラのバターソテー
など、上質な素材などを使用しコクのある味わいの料理と合わせる事で、複雑な風味と豊かなコクの広がりを体感できる極上のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
サンテミリオンを代表する素晴らしい品質のワインで、知名度も高いワインでもあります。
大切な方への贈り物にしても、サンテミリオン格付けプルミエグランクリュ クラッセAであれば、品格・味わい共に抜群ですし、結婚記念日など記念日に飲んでも思い出の1ページに残るワインになるでしょう。
また、パヴィはクラッセBからクラッセAに昇格したワインですから、昇進祝など何かを達成した時にはピッタリですね!!
そのような時にプレゼントしてもいいですね。
また、自分ではものすごく頑張って達成したけど、周りの人には伝わらない時もありますね。
そんな時は自分へのご褒美にいかがでしょうか(笑)
パヴィはあなたの努力を祝福の味わいでもてなしてくれる事でしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「2006のパヴィ。美しいガーネット色でしっかりとした果実味。メルローらしい優しさがありタンニンもなめらか。長い余韻もあってとっても美味しいわね。」
「少し濁りのあるガーネットがかったルビーレッド。ベリー系果実やカシスの香りに革製品のニュアンスもある。やさしい果実味でタンニンもなめらかだったよ。1992はまだ若さを感じるが貴重な体験だったよ。」
「2003のボルドーは酷暑で、ブドウがよく熟したとの事。パヴィ―に使われるブドウも極限まで凝縮していて、2005程ではないにせよ芳醇かつ力強いワインになってますね。素晴らしいですよ。」
【悪い口コミ】
「悪いコメントが見つからないのも困ったもんだ。」
という皆様の声でした。
最後のは私の心の声ですが(笑)
その他にもたくさんの口コミがありましたが、
感動的!! 66%
美味しい 34%
普通 0%
良くない 0%
という結果でした。
素晴らしい結果なのですが・・。
どうやら同じ方が何度も様々なヴィンテージのパヴィを飲み、素晴らしかったと評価しているため、少し信頼性は失われますが、それでもその他の方の好印象の口コミもあり、上質なワインである事には変わりないようです。
そして気になったのは、パーカーポイントを調べてみると、1998以降は高得点を連発しているのですが、それ以前は90点に満たない(中には70点台も)年がほとんどでしたから、パヴィーはオーナーが変わった98年以降が品質が高いとも推測されますね。
以上です。
98以降のパヴィーの勢いは注目に値すると思います。
造り手の努力によって進化していくワインは、常に変化していくもので目が離せませんね。
現在ではロマネコンティが揺るぎないトップですが、そのような事を覆すワインが出ても不思議ではありません。
日々努力、学習を継続し素晴らしい成果が出るように頑張ろう!!
と思わせてくれる回となりました。
パヴィーのように・・・。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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