リッチでバランスの良いコスパワイン。
スッキリ軽快を求める場合や、樽の風味が苦手な方はこの時点で《戻る》ボタンですが。。。
カリフォルニアやオーストラリアのような、ボリューム感のある白が好きな方には是非知っていただきたい銘柄で、日本の消費者の方々の口コミ満足度も高い印象。
特にコスパの良さを褒める意見の多さも印象的で、紹介すべき銘柄だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ディ レナルド ファーザーズ アイズ
《価格》
【2000~2300】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>フリウリ ヴェネツィア ジューリア州
《生産者》 ディ レナルド
ディ レナルドはフリウリ州南東部オンタニャーノにあり、1878年からの歴史ある家系を持つレナルド家が運営するワイナリー。
量よりも質にこだわっており、そのコスパの良さでも注目を集める生産者です。 長い歴史を持つワイナリーですが、品質が飛躍的に向上したのは2000年代に入ってから。
畑に最も適する品種の研究や、そのブドウの凝縮度を高めるための収量制限をするなどの改革を実施するなど、伝統的手法と最新のテクノロジーの良い部分を取り入れることで品質は向上。その改革を実施した人物こそが2021年現在もオーナーであるマッシモ氏。
幼い頃からワイン造りに関わっており、経験を重ねたマッシモ氏は栽培や醸造を担うコンサルタントを雇うことも辞め、現在では栽培から醸造まで全て自身で担当。
清潔で整理されたワイナリーは非常に真面目で計画的なマッシモ氏の性格がわかるもので、同氏は良いワインを産むための最新テクノロジーを取り入れる時代感覚も持ち合わせています。
今回紹介している「ファーザーズアイズ」はディ レナルドの上級キュベで、2005年にリリースが始まった銘柄。
イタリアのワインガイドブック『ルカマローニ』で2016~2020まで5年連続97点を獲得しており、アメリカの市場や日本の一般消費者にも高い満足感を与えているコスパワインです。
《味わいの特徴》
凝縮された果実味と
芳醇な樽の風味が広がる
リッチな白ワイン
このワインの特徴は、南国果実系の円熟したジューシーな果実味と、バニラやバタートーストを思わせる芳醇な樽の風味が溶け合ったリッチな味わいにあります。
とは言え、適度な酸や凛としたミネラル感が味わいを引き締めることで、ボリューム感の中に上品さも兼ね備えるバランスの良さも兼ね備えています。
【外観】
濃いめのレモンゴールド
【香り】
パイナップル、黄桃、熟したリンゴなど豊潤な果実香に、蜂蜜のようなコクのある甘味を思わせる芳香。樽に由来するバニラ、バター、トーストの香りもハッキリと感じられ、芳醇でリッチな香りが広がります。
【味わい】
パイナップルや熟したリンゴを思わせる凝縮感ある果実味は少しの甘味が感じられ、トロミのある質感と相まってリッチな飲み口。中程度の酸味と凛としたミネラル感が味わいを引き締めることで上品さも表現されており、心地よい旨味や樽の風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■収量制限■
ブドウは剪定などによって収穫量をあえて抑えます。
そうすることで選別された優れたブドウに成分が集中し、凝縮感あるワインが生まれます。
■マロラクティック発酵をする■
アルコール発酵を終えたワインは、乳酸菌の働きでリンゴ酸を乳酸に変化させるマロラクティック発酵をする場合があり、赤ワインではほぼ全て行いますが、白ワインはする場合としない場合があります。
シャープなリンゴ酸がマイルドな乳酸に変化する発酵で、このワインはマロラクティック発酵を行うためマイルドな飲み口になります。
■樽の効かせ方■
樽で発酵を終えたワインは新樽のアメリカンオークの小樽で約7ヶ月熟成されます。
フレンチオークと比較してココナッツ、バニラ、バターなど樽の風味が付きやすいのがアメリカンオークの特徴。
さらに古樽よりも新樽。大樽よりも小樽の方が樽のニュアンスが付きやすく、最も樽の風味を強調させる選択と言えます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち引き締まった印象。軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象。フルーティで豊かな風味の広がりが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から1~8年
※一般的傾向や口コミから推測
※若いほど生き生きとしたフレッシュさが際立ち、熟成するほど円熟し落ち着きある味わいになります。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【中庸で膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
香りが取りやすく温度も上がりやすい膨らみのあるグラスで飲めば、ボリューム感ある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ホタテバター
チキングリル
厚みのある果実味と樽の風味がしっかりと感じられる白ワインで、サッパリとした料理というよりはコクの豊かな料理との相性が良いでしょう。
マイルドで香ばしい樽のニュアンスは、バター系の料理や火を通した芳ばしい料理ともよく合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
悪くないですけどボチボチですかね。。。
抜栓して半日もすればスッキリして良い感じになりましたが、開けたては樽感が強すぎかもしれないかと。。塩麴焼のサンマとは合いませんね~~。
抜栓翌日は酸が落ち着き樽が際立つ感じ。好きではない。
【良い口コミ】
このワインはニューワールド系のわかりやすい美味しさ。果実感と樽感満載でコスパも良いですね。
甘味とコクが広がる豊潤な果実味で、芳ばしい樽感とアルコール高めのパワフルな味わい。酸はマイルドで柔らかな飲み口だけどあと味わい結構スッキリ辛口って感じ。父の日に因んで選んだ1年熟成のファーザーズアイズ2017は中々良かったですね。
クリーミーな樽の効き方が良いですね!美味しいですぅ~~♪
樽好きの私には満足すぎる一本。値段合ってます?ってくらい(笑)1年熟成の2018は樽由来の満足感満載のステキなワインだと思いました♪
2000円台前半なら賞賛せざるを得ないだろう。2年熟成の2019は樽感と果実感のバランスも素晴らしい。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 43%
普通 57%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
比較的手頃なワインで感動評価こそありませんでしたが、凝縮感あるリッチな果実味と、しっかり樽が効いた味わいへの満足感は高く、コスパの良さを誉める方が多いことが印象的な銘柄でした。
ただしドライでスッキリした白ワインが好きな方や、樽が苦手な方にはには不向きとも思います。
カリフォルニアやオーストラリアのような、果実感と樽の風味が豊かなワインが好きな方におすすめしたいコスパワインと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ディ レナルド ファーザーズ アイズは
【価格】
2000~2300
【味】
南国果実系の円熟したジューシーな果実味と、バニラやバタートーストを思わせる芳醇な樽の風味が溶け合ったリッチな味わい。
また、適度な酸や凛としたミネラル感が味わいを引き締めることで、ボリューム感の中に上品さも兼ね備えるバランスの良さも兼ね備えている。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~8年
※一般的傾向や口コミから推測。
※若いほど生き生きとしたフレッシュさが際立ち、熟成するほど円熟し落ち着きある味わい。
【口コミ】
比較的手頃なワインで感動評価こそ無いが、凝縮感あるリッチな果実味と、しっかり樽が効いた味わいへの満足感は高く、コスパの良さを誉める方が多いことが印象的。
以上です。
今回は最も評判が高いと感じたファーザーズアイズを紹介しましたが、ディレナルドはさらにカジュアルクラスの白ワイン「モノヴィティーニョ」がイタリア最高のワイン評価誌「ガンベロロッソ」で最高賞トレ ヴィッキエーリを獲得しています。
カジュアルな価格帯のワインがトレ ヴィッキエーリを獲得することは稀で、日本の消費者の満足度も高い印象。
その他のラインナップも安定して好評で、ファーザーズアイズを含めた様々な銘柄も下記リンクで検索できますから、参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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