ジュラ地方特有のワインと言えばヴァンジョーヌ。※ヴァンジョーヌとは
そして、黄ワインと呼ばれるこのワインの最高峰はシャトーシャロン(AOC名)です。
私はこのサイト上で口コミ満足度の高い銘柄を(vinicaで調べています)を紹介していますが、シャトーシャロンは比較的高額な割には満足度は低い印象。私自身もその独特の風味は好きとまではいかないので、その結果にも納得できます。
しかしソムリエ試験を受ける方などにとっては、独特の製法や味わいに興味を持つ方も少なくないと思いましたし、いくつかあるシャトーシャロンの中でも、どれを選べば良いか迷う方もいるのではないかと思い、一つだけ紹介しておこうと思いました。
ベルテボンデ、アンリメール、ピエールラモットなど、どの銘柄も口コミは少なくその独特さに評価の平均値は低めの傾向ですが、私が僅かながらの差で勝っていると感じた銘柄がドメーヌ クールベのシャトーシャロンでした。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ドメーヌ クールベ シャトー シャロン
《価格》
【6000~9000円】
《ブドウ品種》サヴァニャン
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ジュラ サヴォワ地方>シャトーシャロン
《生産者》 ドメーヌ クールベ
ヴァン ジョーヌの名手として知られるドメーヌ クールベは、5世代続く家族経営のワイナリー。
2020年現在5代目当主のダミアン氏は、カリフォルニアのオー ボン クリマ、アルザスのツィント フンブレヒト、ブルゴーニュのニコラ ポテルなど世界各地でワイン造りの経験を積んでいます。そんな経験を活かし、2014年以降ビオディナミ農法を実践するなど、秘境とも呼ばれるジュラに新風を吹き込みました。
《味わいの特徴》
紹興酒のような風味を持つ
独特の奥深さ
このワインの特徴は、通常の白ワインとは全く違った香りと味わいがあり、ワインというよりは酒精強化ワインであるシェリーや紹興酒を思わせる独特の風味が感じられます。そして、数あるヴァンジョーヌの中でも、特に奥深く品質が高いとされるシャトーシャロンらしい味わい深さがあります。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■特別なヴァンジョーヌ■
シャトーシャロンは数あるヴァンジョーヌの中でももっとも上質で偉大。
その品質を守るため、生産者の委員会とINAO(原産地統制呼称委員会)の代理人がシャトーシャロンを訪れ、品質基準を満たしているか確認を行います。
そのため、年によってはシャトーシャロンは生産されないほどで、品質における信頼があります。
■ビオディナミ農法■
農薬や化学肥料を使用しないことはもちろん、天体の動きに合わせて農作業を行うビオディナミ農法を実践。
土地の天然酵母など様々な生物の働きが加わった健全で成分豊かな土壌が育まれ、その成分を吸い上げたブドウは充実感溢れるピュアなワインを生みます。
■独特の伝統製法■
ヴァンジョーヌは通常のワインと同じようにアルコール発酵を終えた白ワインを樽に入れ熟成させます。
そうするとワインは少しずつ気化して減っていきます。
通常のワインはここでワインを補充しますが、ヴァンジョーヌはそれをしません。
そうするとワインの表面には《フルール》と呼ばれる産膜酵母という膜が発生し、このフルールがワインに独特の風味を与えます。
そしてこのフルールの発生した状態の熟成を6年間する事が義務付けられていますが、クールベではそれを超える7年間の熟成を経ないと出荷しないこだわりを貫いています。
【外観】
やや緑がかった明るい金色
熟成するほど琥珀色に近づいていきます
【香り】
アーモンドやべーゼルナッツにシナモンやアニスなどオリエンタルスパイス。黄色い花や紹興酒を思わせるニュアンスも感じられます。
【味わい】
ボリューム感のある飲み口は甘味や果実感は控えめでドライな印象。紹興酒を思わせる独特のコクがあり、美しい酸が味わいをまとめ、ほんのり苦味を後口に感じると、複雑な風味を残した余韻が非常に長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【10℃~18℃】
冷やし気味にすれば酸が強調され引き締まった印象に。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になり、広がる風味が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から8~50年
※一般的傾向から推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ふくらみのある大きめのグラス】
冷やし気味にして軽快さを楽しむ場合、温度も上がりにくい小ぶりのグラスを選ぶと良いでしょう。
少し温度を上げて広がる風味や味わいを楽しむ場合は、香が取りやすく温度も上昇しやすい大きめのグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
エビと野菜の紹興酒炒め
コンテなどハードチーズ
紹興酒にも似た風味があるワインで、紹興酒を使用した中華料理との相性も良いでしょう。また、ジュラの名物チーズであるコンテとの相性が良いことでも知られています。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
これがヴァンジョーヌですか。シェリーに似てるかな。普通。
初めて飲んだけど、もういいかな。。。
【良い口コミ】
9年熟成の07を豚足と共に。これがなんとも相性が良い♪
紹興酒風の香から、ナッティな飲み口。8年熟成の09はシェリーのようで美味しい。
8年熟成の09は紹興酒、べっ甲飴、べーゼルナッツの香。デザートワインなのかと思ったら、味わいはすっごいドライ。サヴァニャンという品種は初めてですが、複雑で綺麗な酸味があり美味しいですね。
シェリーを思わせる酸化熟成香で、これぞヴァンジョーヌという味わい。アミノ旨味の凝縮感あるコンテ(ハードチーズ)との相性は秀逸だね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 27%
普通 73%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
紹興酒やシェリーのような独特の風味を持つワインで、その独特さに感動を覚える方はいなく、ちょっと苦手、あるいは悪くはないけど普通と感じているニュアンスの口コミも多いワインでした。
とは言え、いくつかあるシャトーシャロンの中でも、僅差ではありますがこの銘柄が満足度は高い印象。個性的な風味を楽しんでおられる方も少なくありませんでした。
私自身はヴァンジョーヌやシェリーの独特さは好きではないので、普通と評価される方の気持ちがよくわかります。しかし、紹興酒やシェリーが好きなような方にはおすすめできる銘柄で、ヴァンジョーヌの最高峰であるシャトーシャロンの中でも好評のドメーヌ クールベは、個性的なアイテムとして選択肢に入れておくのも面白いと思う結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ドメーヌ クールベ シャトー シャロンは
【価格】
6000~9000円
【味】
アーモンドやべーゼルナッツにシナモンやアニスなどオリエンタルスパイス。黄色い花や紹興酒を思わせる香り。
ボリューム感のある飲み口は甘味や果実感は控えめでドライな印象。紹興酒を思わせる独特のコクがあり、美しい酸が味わいをまとめ、ほんのり苦味を後口に感じると、複雑な風味を残した余韻が非常に長く続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から8~50年
※一般的傾向から推測
【口コミ】
紹興酒やシェリーのような独特の風味を持つワインで、その独特さに感動を覚える方はいなく、ちょっと苦手、あるいは悪くはないけど普通と感じているニュアンスの口コミも多い。
とは言え、いくつかあるシャトーシャロンの中でも、僅差ではあるがこの銘柄が満足度は高い印象。個性的な風味を楽しんでおられる方も少なくない。
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