ドメーヌ・トロ・ボー ブルゴーニュ ブラン

おすすめ【白】ワイン

 

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「広域ブルゴーニュワインって事はカジュアルな味わいだよね。」

そのように考えている方が飲むと、ボトルを2度見してしまうのでは!?

今回は、そんなワインの紹介です。

 

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さて、私は広域ブルゴーニュ・ブラン(白)を生み、日本で購入可能な主要生産者を90程ピックアップし、その中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみました。

その結果、とても多くの方に飲まれ、高い満足度を獲得していると感じた生産者の一つにトロ・ボー があました。

手頃な価格のワインが多いブルゴーニュ・ブランにおいては高額なワインですが、価格以上の満足度を獲得しており、紹介すべきと感じました。

その他に特にそのような条件を満たしていると感じたのは、
■バシュレ・モノ
■ルー・デュモン
■ギィ・アミオ
■ジョセフ・ドルーアン
以上の生産者達でした。
※他にも《ソゼ》《フランソワ・カリヨン》《ジャン・マルク・ボワイヨ》をはじめとする、15ほど好評な生産者はいましたが、あえて絞らせてもらいました。

《ワイン名》 ドメーヌ・トロ・ボー ブルゴーニュ ブラン

《価格》

5000円前後

《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》  ミディアムボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ブルゴーニュ
《生産者》  ドメーヌ・トロ・ボー 

プロフィール
トロ ボーは1880年に始まる家族経営のドメーヌで、本拠地はショレイ・レ・ボーヌ。ドメーヌ名の由来は、創設者のアレクサンドル・トロ氏と妻の苗字「ボー」を合わせて「トロ・ボー」です。現在は5代目のナタリー女史(とても素敵な笑顔をお持ちの女性です)がドメーヌを切り盛りしており、非常にコスパに優れるワインを生むとして、多くのブルゴーニュラバー達から愛されています。

生産量の少なさもあり選択肢の幅が狭い事がありますが、必ず試しておきたい生産者ではないかと感じています。

《味わいの特徴》

気品とエレガンス
バランス良い味わいは
広域ブルゴーニュの最高峰

このワインの特徴は、洗練された厚みのある果実感に、塩気を伴った鉱物的なミネラル感や美しい酸がバランス良く融合している品質にあり、カジュアルな広域ブルゴーニュのイメージを覆す味わいは、気品やエレガンスが感じられます。

また熟成によって円熟味が増す点も特徴的で、広域ブルゴーニュにおける最高峰の一つと言える品質です。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

ドメーヌの哲学
「私達のワイン造りは心からその土地を愛し、ブドウの魅力を的確に伝えていくこと。仕事の8割は畑で最高のブドウを育てることに尽きます」
ナタリー女史がこう語るように、この事を基本理念においてワイン造りが行われています。

減農薬農法
農薬や化学肥料を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)の実践により、土地の微生物の働きなども加わった健全で成分豊かな土壌が育ち、その成分を吸収土地の特性を反映したブドウが育ちます
情報の少ないワインですが、トロ・ボーが手掛ける白ワインはグランクリュのコルトン・シャルルマーニュと、このブルゴーニュ・ブランのみ。
定かではありませんが、コルトン・シャルルマーニュの選考から惜しくも落ちたブドウから造られるのでは?
と推測されるほど、コルトン・シャルルマーニュっぽい塩気を伴ったミネラル感や、美しい酸を持った気品あるワインです。

樽香は控えめ
樽のニュアンスの反映しやすい新樽の使用比率は不明ですが、ほどよい樽とブドウの繊細な風味も感じられるワインを生んでいます。

その他にも、馬を使った耕作や丁寧な手摘み収穫などが行われていますが、その根底には土地を愛し、ブドウの魅力を伝えるという基本理念に基づいています。

【外観】
淡いレモンゴールド
熟成するほど濃いゴールドに変化していきます。

【香り】
若いうちはラフランスや白桃などのフルーティな果実香に、グレープフルーツやハーブの柑橘類の爽やかさ、白い花や樽に由来するバニラや蜂蜜などのニュアンスも感じられます。

熟成するほど果実香は円熟した果実のアロマになり、ナッツ類やバターにカスタードといった落ち着きある風味も優雅に広がります。

【味わい】
若いうちはラフランスや柑橘類の厚みのある綺麗な果実味が広がり、塩気を伴った凛としたミネラルと美しい酸が気品ある味わいを表現し、心地よい旨味を伴った余韻があります。

熟成するほど成分は溶け合い円熟味が増し、熟した果実や蜜にバタートーストといった落ち着きある風味が広がり、長い余韻へと導いてくれます。

《飲む時の適正温度》

8℃14℃
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントさが増します。

温度を上げるほどふくよかで複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~12年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。

一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2005年 4
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 
2015年 3
2016年 4
2017年 5

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《適正グラス》

【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


地鶏のタタキをレモンと塩で


白身魚のグリルをレモンバターソースで

など、比較的コクのある料理などと合わせることで、豊かな風味とコクの広がりあるマリアージュを楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

 


こんな場合におすすめ

広域ブルゴーニュの最高峰を選ぶのであれば、選択肢に入れるべきワインです。

広域のレベルを超えた味わいの意外性は、持ち寄りのワイン会に登場させても盛り上がりそうです。


こんな場合には不適切!?

とてもバランス良い味わいで万人受けしやすいワインですから、不適切な場面もイメージしにくいですが、広域ブルゴーニュとは言え上級ワインの味わいですから、あまりカジュアルすぎる料理に合わせると、バランスが悪くなりそうです。

また、熟成させる場合は適切な保存は必須、直射日光や高温は避けましょう。

 

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「柑橘→白桃→パイナップルというような果実実の変化。樽のニュアンスに非常に豊富なミネラルが印象的。エレガントという言葉がハマるような優れたワイン。ただし冷やし過ぎるとアルコール感が気になるかな。3年熟成2015。」


「3年熟成の2015は充実した果実感があり、ふくらみのある味わい。個人的にはもっと酸が欲しかったかな。」


「3年熟成の2016をみんなで楽しみました。甘味があって美味しいと皆様からは評判でしたが、私としては酸が足りない感じで、やや薄いかと。ハズレの無いトロ・ボーでこの味わいだと、2016というヴィンテージに疑問を向けるべきか。」

良い口コミ

「なんだこれは!!ほとんどコルトン・シャルルマーニュじゃないか。透明感のあるラフランスのような果実実に塩っぽいミネラル感。広域ブルゴーニュ・ブランのトップクラスだね。4年熟成2015。」


「いや~久々に当たりを引いた感じですね~。厚みのある柔らかな果実感を美しい柑橘系の酸が引き締め、豊富なミネラルは芯の通った気品を表現、そしてほんのり樽感。3年目の2015は1万クラスのポテンシャルを感じます。」


「3年熟成2016は研ぎ澄まされた刀か!?これはブルゴーニュ・ブランの領域を超えている。この旨味そして斬れ味。トロ・ボー、脱帽(ダツ・ボー)」


「7年目にして飲み頃を迎えた2012です。抜栓したては火薬ののようなニュアンス。時間が経過するほどにラフランスや白桃、そしてカスタードへと広がってゆく。粘性のある質感と角の取れた酸で、ボディはあるのにスルリと飲める心地よさがあります。」

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!     3%
美味しい     74%
普通       23%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

広域ブルゴーニュワインとしては高額なワインですが、品質も広域のレベルを超えた高さで、感動レベルとまではいきませんが、それに近い評価を与える方が非常に多い印象が残りました。

味わいの傾向としては、厚みのある果実味に凛とした鉱物的なミネラル感や、美しい酸が一体となってバランス良い味わいを表現しているイメージで、その味わいはコルトン・シャルルマーニュを彷彿させる、というコメントもいくつか見られた事も印象的です。

そしてそのような成分の充実ぶりは若い段階でも高評価ですが、5年以上熟成させたものの方がさらに満足度は高い傾向ですから、熟成という選択も持っておいた方が良いと言えるでしょう。

 

以上です。

トロ・ボーは他のラインナップも非常に好評で、飲み手の満足度の高い生産者です。

迷ったらトロ・ボー選べば大丈夫、という気もするほどです。

そして私はトロ・ボーの回し者でもありません。。。。

あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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