フィネス。
ワインの味わいを表現する時にたまに使われます。
フィネス=【洗練された・繊細で上質な・優雅な】
このような意味で、ワインを賛辞する時の最高級の褒め言葉とも言われます。
今回紹介するヴォーヌロマネは、そんな「フィネス」を表現することを第一として造られます。
1988年には先代のジョルジュ・ミュニュレ氏の死去によりドメーヌの存続も危ぶまれましたが、次女マリ・アンドレ・ミュニュレ氏を中心に努力を実らせ、現在では先代以上の評価を得るドメーヌに成長。
女性ばかりのドメーヌという事もあって、ワインの品質も女性らしいエレガンスやロマンティックさを持っており、「フィネス」が感じられる品質は多くの人々を魅了しています。
ヴォーヌロマネの中で多くの方に飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうと客観的視点から調べてみた結果、価格も含めた満足度は非常に高いものがあり、紹介すべきワインだと感じました。
《ワイン名》 ジョルジュ ミュニュレ ジブール ヴォーヌ ロマネ
《価格》
【13000~25000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ヴォーヌ・ロマネ
《生産者》 ドメーヌ ジョルジュ ミュニュレ ジブール
《特徴》
女性的優雅さエレガンス
フィネスを持つ
このワインの特徴は、優雅な香りと非常に洗練された雑味のない品質にあり、どの成分が主張しすぎる事のないバランス感覚に優れた味わいは、女性的なエレガンスと気品を感じさせるもので、まさしく「フィネス」を表現しています。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
・ブドウの収穫量をあえて低くすることで、残された果実に成分が集中し、上質な果実が得られます。
・収穫後のブドウは厳しく選び抜かれ健全な果実のみを使用するため、雑味の無い洗練されたワインが生まれます。
・「フィネス」を追求するため、過度の成分抽出は行わず果実の繊細で上品な部分を表現します。
・そのようなブドウの繊細な風味まで感じやすくするため、樽の風味が反映されやすい新樽の使用比率はあえて低くして、樽香はほどよく心地よい印象です。
【外観】
深みのあるルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
ラズベリーやカシスになどの豊かな果実香に、バラやスミレの華やかさが加わり優雅で、樽に由来するバニラやコーヒーのニュアンスも心地よく感じられます。
熟成するほど果実香は円熟を感じさせる熟した果実や、ドライフルーツの甘やかさが現れ、腐葉土に革製品や紅茶といった複雑で妖艶なニュアンスが広がりを見せます。
【味わい】
若いうちは洗練されたピュアな果実味が豊かに広がり、生き生きとした酸味は美しく味わいを引き締めます。
ほどよくキメの細かいタンニンはなめらかな質感を表現し、心地よい旨味と優雅な風味を伴った余韻があります。
熟成するほど成分は溶け合う事でさらになめらかな質感になり、果実味も円熟を感じさせる上質な旨味を伴った甘美さが現れ、優雅な風味を伴った余韻が長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
その優雅で魅惑的な香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントな印象の飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や華やかな風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
優雅な香りと、エレガントで複雑な味わいを持った上質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
地鶏のグリルをベリーソースで
和牛のタタキ
など、上質な素材を使用し豊かなコクのある味わいの料理に合わせる事で、優雅な風味の広がるマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「4年熟成の2013は鮮やかなルビー色。赤い果実にスミレの花に土、樽も少し感じられる香り。チェリーにラズベリーなど凝縮感のあるフレッシュな赤系果実味で、酸は強めでタンニンもそこそこ感じる。豊かで強めの味わいではあるがサラリとしたのど越しで華やかな余韻。品質自体は高いがコスパで言うとそんなにかな。熟成させればよくなるかもね。」
「あれ?10年経過の08なのに。あれ?硬いぞ。深い所にヴォーヌロマネの香り。ミネラルも強いね。08って強い年なのか!?悪くはないのだけどね。」
【良い口コミ】
「3年熟成の2014はうっとりするような香り。スミレにやさしいバニラがいっぱいに広がり、味わいは綿密な赤系の果実味が主体。タンニンはやや強めで硬さを感じますが、それでもキメが細かく許容範囲。余韻は長く、バニラにスパイスの風味が感じられほのかな甘みが心地よいですね。全体的には繊細でエレガントな印象。熟成したらもっと凄い事になっちゃうのでしょうね。」
「美しく透明感あるガーネット。想像以上に豊かで甘やかなチェリーなどの果実香。6年目の2011は酸味が強めで美しい飲み口ですが、時間経過で成分が溶け合いバランスは整い、凝縮感ある味わいは十分満足できます。そして更なる熟成も期待できます。ヴォーヌロマネらしさを感じられる良い生産者ですね。」
「おぉ。これはいいぜぇ。肉にも野菜にも刺身にあんこにだってが、つまりピノは何にでも合うんだぜ!!ちょっと我慢すればな(笑)。さておき3年目の2015は、15っぽいうっとーしさもなく滑らかなのど越しがあり、スルスル系だね。そのくせ余韻はしっかりしてるんだぜ。3リットル?これならいけるぜ(笑)」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 10%
美味しい 70%
普通 20%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
少々価格は高めではありますが、満足度もそれに比例して高い印象のワインでした。
若いうちは美味しいと評価する方も多かったですが、若干硬く熟成に期待したいと評価する方もちらほらでしたから、成分が溶け込んだ円熟味ある味わいが好みの方は、古酒あるいは熟成させる選択肢を持っておいた方が良さそうです。
いずれにせよ、ヴォーヌロマネらしい妖艶な香りとバランス感覚に優れた味わいを持っており、村名ワインの域を超えた高いポテンシャルを持っている事は、皆様の口コミから感じる結果となりました。
以上です。
今回は「フィネス」を連発してしまいました。(笑)
この記事の中にはフィネスがいっぱい。
つまりジョルジュ・ミュニュレ・ジブールのヴォーヌ ロマネにはフィネスが感じられるという事なのでしょう。
なんか無理矢理ですね。(笑)
とは言え、それを目指している事は間違いなく、またそれを感じ取っている方も多く存在する事は確か。
このワインを大切なあの方と飲んで・・
「このワインにはフィネスを感じるね。」
と言えば。
「あなたったら、そんな言葉も使えるのね。素敵よ。」
または、
「フィネスって何!!誰よ!!もっと私を見てよー!!」
かもしれません。。。(笑)
適切な場面で、適切な表現をしましょう。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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