「手頃で美味しいジュヴレ・シャンベルタンないかな~」
今回はそんな方の心を満たす事ができそう。そんなワインを紹介です。
ジュヴレ・シャンベルタンと言えば、力強く長期熟成にも向く優秀なワインが多く産出されます。
アルマン・ルソー、フーリエ、クロード・デュガ、デュガ・ピィ、ドニ・モルテなどが最有力で秀逸なワインを生みますが、お値段も中々。
シャルロパン、セラファン、パカレ、ルー・デュモンなどもそれに次いで人気ですが、まだちょっと高いかな?と、思う方もいるでしょう。
では、アルマン・ジョフロワはどうでしょう。
「どうでしょう?そもそも知らないよ。」
ですか?(笑)
しかし3分後には「知ってるよ。」と言えるでしょう。(笑)
それでは簡単に概要を解説します。
・アルマン・ジョフロワはジュヴレ・シャンベルタンに特化したドメーヌで、19世紀の終わり頃から始まる歴史ある生産者です。
・5代目の当主のフィリップ・アルマン氏は近代的なアプローチより伝統的手法を重んじ、自然に寄り添い土地やブドウのピュアな風味を楽しめるワイン造りに努めています。
おわり・・
簡単すぎますか?(笑)
確かに他の生産者に比べて、ドラマチックなストーリーや輝かしい受賞歴などは見つかりませんでした!!
しかし安心してください。
私がなぜこの生産者を紹介するのかというと、実際に飲まれた方々が多く、そして口コミ評価が高かったからであり、受賞歴や知名度などは無視してみた時、価格も含めた総合力があると感じたからです。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ドメーヌ アルマン ジョフロワ ジュヴレ シャンベルタン
《価格》
【5300~7500円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
《生産者》 ドメーヌ アルマン ジョフロワ
《特徴》
エレガントでありながら
芯の通った強さを持ち併せる
このワインの特徴は、ピノノワールらしい繊細で上品な香りと、チャーミングさも感じられる果実味を持ち、ほどよいタンニンと美しい酸味は、ジュヴレ・シャンベルタンらしい力強さを表現しており、品格を感じる味わいであることです。
そのような品質になる取り組みを挙げると、
・土地やブドウのピュアな味わいをワインに反映させるため、農薬は一切使わず、それによって健全な土壌が育ち、その豊かな成分を吸い上げたブドウの実が得られます。
・土地の味わいを表現するために、酵母は添加するのではなく、自然に生息する天然酵母のみで発酵させます。
・そのような土地とブドウの風味を感じやすくするため、樽のニュアンスが反映されやすい新樽の使用比率はあえて低めに設定し、ほどよい樽香の感じられるワインに仕上げます。
主に以上のような取り組みで、土地とブドウのピュアな風味を表現したワインとなるのですね。
【外観】
深みのあるルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
イチゴやラズベリー、カシスなどのフルーティでチャーミングな果実香が広がり、バラの華やかさや樽に由来するバニラのニュアンスも心地よく感じられます。
熟成させるほど果実香は落ち着きある熟した果実の香りになり、土やキノコなどの熟成香も加わった円熟味が感じられます。
【味わい】
みずみずしい果実味はほんのり甘味を持っており心地よく、ほどよくしなやかなタンニンと美しい酸味は味わいをまとめ、品のある味わいを表現し、心地よいい果実香や樽の風味などを伴った余韻が訪れます。
熟成するほど成分は溶け合いなめらかさと旨味が増し、複雑な熟成香などの風味も加わった円熟味を感じさせる品質に成長していきます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し低めの温度にすれば、酸味を感じやすくエレガントで軽快な飲み口が楽しめますし、温度を上げるほど香りと味わいが広がり、豊かな風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
豊かな香りと複雑な味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がり、甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
カプレーゼ
牛肉の香草焼
など、ほどよくコクのある味わいの料理に合わせる事で、豊かで華やかな風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
【手頃で美味しいジュヴレ・シャンベルタンを選ぶ時】
このワインは村名ジュヴレ・シャンベルタンにしてはお手頃価格で、品質は秀逸まではいかないまでも良質なワインです。
5~6千円で良質なピノノワールをお探しでしたら、ジュヴレ・シャンベルタンはその名だけでも品格がありますから、選択肢に入れるべきワインではないでしょうか。
【贈り物やプレゼントに】
ジュヴレ・シャンベルタンはあまりワインを知らない方でも、なんとなく良いやつ?くらいに知っている方も多いと思います。
もちろんくわしい方にもジュヴレ・シャンベルタンの格は伝わりますから、贈り物にしても特別感があり最適ではないかと思います。
ちょっと特別な日に、ちょっと特別で良質なこのワインは場面を盛り上げてくれる事でしょう。
《こんな場合には不適切!?》
どちらかと言えばエレガントな品質ですから、コクの強い濃厚な味わいの料理に合わせると、ちょっと薄く感じてしまうかもしれません。
とは言っても、ワインはお酒であり楽しむ事が一番大切だと思いますので、不適切な場面など本当は無いのかもしれません。
あえて言うなら、場面の雰囲気を悪くするような飲み方は不適切という事でしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「クラシックブルゴーニュ。力強い味わいで強い酸味、ジュヴレっぽい鉄っぽさがある。4年目の2015はまだ成分が馴染んでいない感じで、いつ馴染むのだろう。悪いわけではないが難解さを感じた。」
「3年熟成の2014。樹齢35年以上の区画のワイン。ほどよい厚みで、チャーミングなフルーティさが感じられるワイン。いわゆる若いジュヴレ・シャンベルタンです。まあ、普通。」
「5年熟成の2014はチャーミングさを感じる果実味で、少しだけミネラルや酸が立ちすぎかなって思えた。良いワインではあるが、もう数年寝かせた方が成分が馴染んだ落ち着きある品質になるでしょう。」
【良い口コミ】
「お値打ちで品質も良いコスパピノ。心地よい香りも豊かで持続性があり、王道のブルゴーニュのピノノワールという印象で美味しいですね。」
「6年熟成の2011はエレガントな果実味で穏やかな酸、土っぽさもある。一本芯の通った実直さがあっていいワインだと思う。」
「透明感のあるパープルレッド。赤系ベリーにスミレ・紅茶・バニラの香りはチャーミングさのある複雑な香り。酸味やタンニンは比較的穏やかで甘味もほどよく心地よいワイン。5年目の2014は開けるべきか迷いましたが、開けて正解でした。とても美味しかったです。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 57%
普通 43%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
このワインは、人を感動させるほどのポテンシャルはないようですが、悪く評価する方も見られず、それなりに好感の持てる良質なピノノワールという口コミが多い印象で、価格も手頃である事も人気の理由の一つにあるのだと感じました。
奥深くスケール感溢れる秀逸なピノノワールを求める方にはおすすめできませんが、そこそこ上質なピノや、手頃でジュヴレ・シャンベルタンらしさを感じたい方に提案したいワインではないかと思います。
以上です。
アルマン・ジョフロワの事が伝わりましたでしょうか。
知名度こそそこまで無いのかもしれませんが、とっても使い勝手の良い実用的なジュヴレ・シャンベルタンと言えるでしょう。
何気なく目を通した記事をキッカケに、そのワインが思い出のワインになる。
そんな素敵な出会いがあるといいですね。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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