リパッソの中で一番口コミ満足度が高いと感じた銘柄。
アレグリーニやべルターニなども人気でしたが、客観的で個人的な解釈としては、ラルコのリパッソに対するコメントの数々に最も熱を感じました。
アマローネは好きだけど高額すぎる。
そんな方に提案したい人気銘柄です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ラルコ ヴァルポリチェッラ リパッソ
《価格》
【4000前後】
《ブドウ品種》
・コルヴィーナ主体
・コルヴィノ―ネ
・ロンディネッラ
・モリナーラ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや甘口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 ラルコ
ラルコはヴェネト州で最も注目を集めるワイナリーのひとつ。
アマローネの伝説的造り手と呼ばれるジュゼッペ クインタレッリ氏の下、14歳から10年間修行したルーカ フェドゥリーゴ氏は、1999年ヴィンテージから自らのワインを生産。南米とトスカーナでワイン造りを行うルイーズ アルベルト バリケッロ氏と共にワイナリーを運営しています。
クインタレッリ氏の伝統的スタイルと自身の新しいスタイルが表現されたワインは、世界で高く評価されるようになり、ヴェネト州屈指の生産者となりました。
ちなみにワイナリー名「ラルコ」はアーチの意。フェドリーゴ氏が数年前まで家族と住んでいたところの近くにある「ユピテルの拱門」にちなんでつけられたもの。
このアーチが彼の思い出を呼び起こすように、記憶を呼び起こすようなワインを生みたいという思いが込められたもので、エチケットにも描かれています。
《味わいの特徴》
甘美さと複雑性があり
凝縮感と上品さを両立
このワインの特徴は、陰干しブドウに由来する甘美さや独特の風味が加わった、優しく複雑な飲み口がありつつ、ピュアで上品な一面も垣間見えるバランスの良さにあります。
【外観】
深みのあるルビーレッド
【香り】
レーズン、ブラックチェリー、プラムなど円熟し甘味を連想させる豊かな果実香。クローヴなどのスパイスや、樽に由来するコーヒーやバニラのニュアンスも加わり複雑さがあります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は深みのあるコクと心地よい甘味があり、シルキーなタンニンと穏やかな酸と相まってまろやかでバランス良い飲み口。高めのアルコールとスパイスや樽の風味は、飲み応えと複雑性を高めており、それらの風味を残した長い余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■独特の製法(リパッソ)■
リパッソ(Ripasso)とは再びアルコール発酵を起こすの意味で、その醸造方法あるいはそうして造られたワインを指す言葉です。
収穫後ブドウを陰干しし、水分が50%ほど抜けた糖度の高いブドウを醸造して造られるアマローネ。
このアマローネに使用するブドウを搾った時に残る「搾りかす」を使用するのがリパッソです。
通常通り造られた赤ワインにその「搾りかす」を加えることで、再びアルコール発酵が起こります。
コルヴィーナという品種は比較的軽くフルーティな赤ワインを生む傾向ですが、陰干しブドウの糖分と独特の風味が加わることで、軽やかなニュアンスを残しつつ複雑で厚みのあるワインが生まれます。
■大樽で熟成■
発酵を終えたワインは大樽で熟成され、適度な樽のニュアンスをワインに反映させます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ボリューム感のある優雅な味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~12年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、リパッソに使用されるアマローネのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2008年 4
2009年 4
2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 3
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、芳醇な香りと味わいをバランス良く感じやすくなります。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
ブルーチーズ
など、少々コクの強めの食材、あるいは味付けの施された料理との相性が良く、充実したワインと料理の味わいが互いを引き立てあうでしょう。
また、リパッソの甘味は塩分の強いブルーチーズやウオッシュチーズなどとの相性も良く、チーズの塩味がワインの甘味を引き立て、またワインの甘味がチーズの旨味を引き立て合う相乗効果が楽しめます。
逆に繊細な味わいを持った和食(刺身・鮮魚の塩焼き・寿司)などに合わせてしまうと、ワインの味わいが強すぎて料理の味わいが感じにくくなるためおすすめしません。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
リパッソとは言え結構甘味があるんですね。甘味が苦手な人には勧めれないかな。。
4年熟成の2015は酸がなくて凝縮感ある果実味。甘口のようで渋味もしっかりで、ちょっと独特ですね。美味しいワインではあるけど、ボトルで飲むほどの量はいらない。
【良い口コミ】
こうゆうタイプは食後にじっくり楽しみたい。4年熟成の2016は凝縮感ある果実味でイチヂクを思わせる甘さ。おだやかでシルキーなタンニンがあり、ラム酒を彷彿させる余韻も長い。更なる熟成の期待も高まる良いワインですね!!
私がラルコにハマるキッカケとなった銘柄。どのラインナップも素晴らしいが、コスパの観点から言うとリパッソは頭一つ抜けた印象。2時間前の抜栓でデキャンタージュすると香りの広がり抜群で、温度は冷やしすぎない事ですね。
8年熟成の2011。アマローネのような魅惑的で甘美な香りに惚れ惚れしてしまう。。
これメッチャ旨い!!10年熟成の2010は、熟したチェリーにレーズン。バニラやコーヒーにクローヴなどのスパイスが加わった風味に包まれます。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 6%
美味しい 47%
普通 47%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
濃い目でマイルド。ほどよい甘味と複雑さで満足度が高い傾向です。
甘さがあるワインが苦手な方や、スルスル飲めるようなエレガント系が好きな方には不向きな印象。
とは言え、クドさのないナチュラルな甘味とマイルドな飲み口で、価格も考慮すると納得あるいはそれ以上の満足感を得た方が多い銘柄でした。
※熟成酒に対する口コミは少なかったですが、熟成による円熟した味わいの方がより満足度は高い印象です。
客観的で個人的な解釈ではありますが、アレグリーニやべルターニなどの人気生産者を差し置いて、最も満足度の高いリパッソだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ラルコ ヴァルポリチェッラ リパッソは
【価格】
4000前後
【味】
陰干しブドウに由来する甘美さや独特の風味が加わった、優しく複雑な飲み口がありつつ、ピュアで上品な一面も垣間見えるバランスの良さがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~12年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、リパッソに含まれるアマローネのヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2008年 4
2009年 4
2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 3
【口コミ】
客観的で個人的な解釈としては、数あるリパッソの中でも最も満足度が高い。
甘さがあるワインが苦手な方や、スルスル飲めるようなエレガント系が好きな方には不向きな印象だが、クドさのないナチュラルな甘味とマイルドな飲み口で、価格も考慮すると納得あるいはそれ以上の満足感を得た方が多い。
※熟成酒に対する口コミは少ないが、熟成による円熟した味わいの方がより満足度は高い印象。
以上です。
私個人は唯一嫌いな食べ物がレーズンですが、アマローネやリパッソは美味しくて好きなんですね。
大豆は嫌いだけど豆腐は好きみたいな事でしょうか。
おもしろい例えがしたかったのですが、残念です。。。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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