グロ注意
かも知れない話です。
1830年設立。
5代目は伝説の醸造家として知られるジャン・グロ氏。彼の造るワインは、『これぞブルゴーニュ赤ワインの模範』と言われるほど有名で秀逸。
1996年。ジャン・グロ氏の引退に伴い、ドメーヌの畑はミシェル氏(長男)、ベルナール氏(次男)、そしてアンヌ・フランソワーズ女史ら3人の子供に分割・譲渡されることとなります。
今回紹介するミシェル氏は、父であるジャン・グロで働きつつ、1978年には「ドメーヌ・ミシェル・グロ」を創立。
ジャン・グロが引退するはるか以前から、実質的にジャン・グロのワインを造っていたのもミシェル氏であることは周知の事実でした。
つまり、ミシェル氏こそがグロ家の正統的な後継者であり、その名の恥じぬワインを造り続けているという事です。
※正統後継者と聞くとどうしても○○の拳を連想してしまいます。
このアニメ、ちょっとグロ注意!!
そんな事はさておき、シャンボール・ミュジニーで多くの方に飲まれ、口コミ評価の高いワインはどれだろうと調べてみた結果、ヴォーヌ・ロマネで有名な生産者ではありますが、村名シャンボール・ミュジニーは多くの方に飲まれ、そして価格以上の評価を得ている事がわかりましたので紹介すべきと感じたわけです。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ミシェル・グロ シャンボール・ミュジニー
《価格》
【7000~13000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャンボール・ミュジニー
《生産者》 ドメーヌ・ミシェル・グロ
《特徴》
豊かな香り味わい
熟成で深まる円熟味
このワインは、繊細でエレガントなワインのイメージが強いシャンボール・ミュジニーにしては豊かな味わいがあります。
それは、村名畑ではあるものの特級畑であるミュジニーに隣接した畑のブドウである事で、そのような好立地の畑による成分豊かなブドウが育つというわけです。
そしてミシェル氏は、ワインにソフトさと果実味を表現しようとしており、青臭さや苦味の要因にもなり得るブドウの梗(果実の付いた枝のような部分)を全く使用しない事や、発酵温度をやや高めにし成分の抽出を促進させることで、雑味の無い豊かなワインを生んでいます。
そんな成分豊かな品質は長期熟成にも向いており、熟成が進むほど成分は溶け合いなめらかでエレガントなワインへと成長していきます。
【外観】
鮮やかなルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
ラズベリーやイチゴのような甘酸っぱい香りに、ブラックチェリーやブラックベリーのようなフルーティな香りもあり、バラの華やかさやほのかな樽のニュアンスも感じられます。
熟成が進むほど果実香は熟した果実の甘やかさや、ドライフルーツの落ち着いたニュアンスに変化していき、紅茶や土に革製品といった熟成香も加わり円熟を感じさせる香りになっていきます。
【味わい】
凝縮感のある果実味が口の中に広がり、ほどよいタンニンはなめらかな質感、綺麗な酸味は美しく味わを引き締め、エレガントな余韻があります。
熟成するほど果実味は円熟味を増し、心地よい甘味を伴った優雅な旨味も感じられます。
酸やタンニンなどの成分は綺麗に溶け合うことでなめらかさは増し、調和の取れた妖艶さが現れ、優雅な余韻へと導いてくれます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
その豊かで心地よい香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち軽快さのある飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
豊かな香りと、エレガントで優雅な味わいを持った良質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
地鶏のソテーをベリーソースで
白身魚のグリル、バタークリームソースで
など、ほどよいコクを持った料理に合わせる事で、エレガントで豊かなワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑で優雅な風味の広がる上質なマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
【手頃で美味しいシャンボール・ミュジニーを選ぶ時】
村名シャンボール・ミュジニーにしては比較的お手頃価格です。
良質なピノノワールを1万円以内でお探しでしたら、シャンボール・ミュジニーはその名だけでも品格がありますし味わいも折り紙付き、選択肢に入れるべきワインではないでしょうか。
【贈り物やプレゼントに】
シャンボール・ミュジニーはあまりワインを知らない方でも、なんとなくいいやつ?くらいに知っている方も多いと思います。
そんな特別感あるシャンボール・ミュジニーはその味わいも含めて、贈り物や記念日に飲むワインとしても、場面を華やかに盛り立ててくれる事でしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「なんと5000円台のセールがされていたので思わず・・。4年熟成の2014はまだ角がある?渋味が強いかな?翌日はなめらかになり素晴らしかったけど。」
【良い口コミ】
「8年目の2010は最初っから香りたまらん~。これって開いてるって言いうのでしょうね~。美味し~。」
「4年目の2012だぁ。ミシェル・グロの村名畑はグランクリュのミュジニーに2/3も隣接してるんだってんなぁ。なるほどな~旨いはずだ。でも、若いから早めに抜栓しておいた方がベターだね。」
「4年目の2014はちょっと早かった感はあるものの全然許容範囲。深いルビーが美しく、ラズベリーにチェリーにバラ、血液にナッツにキノコの香りも豊かに広がります。凝縮感のある果実味に伸びやかな酸で、タンニンはなめらかでやさしく、繊細ではありますが余韻は長いですね。いいんじゃないでしょうか。」
「おぉ。結論。もう一本買うべきだった(笑)。9年熟成の09は濃すぎず薄すぎず・・旨すぎない・・いやいや!!旨いぜ!!落ち着いた香りで、タンニンはしなやかだ。これはなかなかいいぜ~。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 7%
美味しい 50%
普通 43%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動レベルの美味しさと感じる方は少ないものの、安定感のある上質な味わいという感じが伝わってくるような口コミが多い印象で、品質自体を悪く評価する方は見当たりませんでしたした。
しかし、結構多かったのが5年以内の若いワインは、酸やタンニンが主張しすぎていて早かったと評価する方がいたという事です。
時間経過や、翌日に持ち越すことで良くはなるようですが、そのような飲み方ができない場合は若いヴィンテージは注意が必要かと感じました。(グロ注意)
そして、10年程度の熟成を経たワインは成分も馴染み、とても高い評価を出している方が多かったので、熟成という選択肢も持っておいても良さそうです。
以上です。
あなただけのの好みの一本、忘れられない一本が見つかる事を願っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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