1000円台で満足度の高い人気銘柄。
ヴェネト州の手軽な白ワインと言えばソアーヴェが有名で、1000円台のソアーヴェはスッキリ軽快な銘柄がほとんど。
今回紹介する銘柄は、そのような軽快なソアーヴェとはニュアンスが異なり、豊かな香りとフルーツ感満載の味わいを優しい酸がまとめるバランスの良さで好評。
安い割に深みも感じられるという口コミ(vinica)も少なくなく、紹介すべきコスパワインだと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》モンテ デル フラ クストーザ
《価格》
【1300~1800】
《ブドウ品種》ガルガーネガ主体に他4~8種
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 モンテ デル フラ
モンテ デル フラはヴェネト州のクストーザ地区にある家族経営のワイナリー。
1958年に創業され徐々に規模を拡大。2021年現在200haのブドウ畑を所有しており、クストーザ地区における最大の生産者に成長しました。今回紹介しているクストーザは、モンテ デル フラを代表する看板ワイン。
コスパに優れるとして、日本の消費者にも高く評価されている銘柄です。
《味わいの特徴》
豊かな果実感とキレ
適度な深みも持ち合わせた
コスパワイン
このワインの特徴は、柑橘類や桃やリンゴなど多様な果実の風味が広がるフルーティーさを、適度な酸がスッキリまとめるバランスの良さにあります。
また、手軽な価格ではあるものの、適度なコクやミネラル感による深みのある味わいが楽しめるところも嬉しい特徴と言えます。
【外観】
微かにグリーンを帯びた麦藁色
【香り】
グレープフルーツ、オレンジ、マスカット、青リンゴ、ラフランス、白桃など様々な果実のフレッシュさとフルーティーさが重なった豊かな芳香に、白い花や石灰を思わせるミネラル香も加わり複雑さがあります
【味わい】
厚みのある果実味はほんのり甘味と適度なコクを伴ったミデアムボディの飲み口。やや穏やかな酸味が味わいを優しくまとめ仄かな苦味を後口に感じると、果実の風味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の多様な個性■
年によってブレンド比率や使用する品種の数は異なりますが、ガルガーネガを主体に、トレッビアーノ、フリウラーノ、コルテーゼ、シャルドネ、リースリング イタリコ、マルヴァジアなど4~8種をブレンドして造られます。
香りや味わいの個性が異なる品種を複数使用することで、複雑で味わい深さのあるワインが誕生します。
■自然な栽培と醸造■
健全なワインを生みたいと考えており、科学的な処置をできる限り減らしたいと考える生産者で、具体的に以下のような取り組みを行っています。
《農薬の不使用》
栽培における害虫駆除には農薬を使わず、コンフュージョン セクシャルを使用します。
農薬を使用しないことで、土地の天然酵母など様々な微生物の働きが加わった健全で成分豊かな土壌が育まれ、ピュアで味わい深いワインを生む要因の一つになっています。
《亜硫酸塩を少なくする》
醸造において酸化防止効果のある亜硫酸塩の添加量を、法定許容量の1/3まで減らします。
気温の低い夜間収穫や、圧搾工程での4℃をキープ、10℃での発酵など、温度をできるだけ低く保つことで少ない添加量を実現しており、よりアロマティックで上品なワインを生む要因になっています。
■ステンレスタンク■
醸造はステンレスタンクでは発酵し熟成されます。
樽は使用しないため当然樽の風味は付きませんが、その分ブドウのピュアな風味が感じやすく、フレッシュでフルーティーなワインを生むのがステンレスタンクの特徴です。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味や凛としたミネラルが際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象になり、ふくらみのある飲み口が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から1~3年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりor膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
温度が上がりやすく香りも取りやすい膨らみのあるグラスで飲めば、広がりある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
天ぷら各種をレモンと塩で
鮮魚のカルパッチョ
など、ほどよい強さ味わいの料理との相性が良く、ミネラル豊富なワインの味わいは、特にミネラル豊富な魚貝類との相性が良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
スッと飲めるけど、ちょっとアロマティックなのは好きではない。。。
【良い口コミ】
2年熟成の2016は安っすいのに厚みのある飲み口で味わい深い!!
アロマティックの意味が納得できる芳香。1年熟成の2018は複数品種による複雑さがありますが、そのバランスがとても良くて、爽やかさと深さを両立したハイコスパワインですね!!
店員さんに勧められたし、安かったので試しに。2年熟成の2016は香りの要素が多様で、ほんのり甘味を感じるバランス良い味わい。おもしろくて、進める気持ちも理解できました~~♪
要するにコスパワイン。2年熟成の2016は若々しいフレッシュさがあるアロマティックな芳香。青リンゴ、柑橘類、白桃、ハーブ、ホワイトペッパー他いろんな香りがあり、複数品種である事がわかる。シトラス系のミデアムボディの飲み口をキレの良い酸がまとめると、豊かな芳香とフルーティーな味わいを残した余韻がある。良いワインだね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 44%
普通 53%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
適度な厚みと深みがあり、コスパの良さで満足度が高い傾向。
唸るような深みは無く、アロマティックさが苦手というネガティブコメントもありましたが、大半の方が適度な深みとバランスに納得あるいは満足しており、コスパを褒める方も多い銘柄でした。
1000円台のワインとしては、ヴェネト州に限らず世界のワインの中でも特に評判が高く、日常消費用の味方となる優良銘柄と感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
モンテ デル フラ クストーザは
【価格】
1300~1800
【味】
柑橘類や桃やリンゴなど多様な果実の風味が広がるフルーティーさを、適度な酸がスッキリまとめるバランスの良さがあり、適度なコクやミネラル感による深みも感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~3年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
適度な厚みと深みがあり、コスパの良さで満足度が高い傾向。
唸るような深みは無く、アロマティックさが苦手というネガティブコメントもあるが、大半の方が適度な深みとバランスに納得あるいは満足しており、コスパを褒めるコメントも多い。
以上です。
日常消費の強い味方になり得る素晴らしいコスパワインだと感じています。
なお、今回紹介したクストーザの格上にあたる「クストーザ スペリオーレ カ デル マーグロ」も手頃で非常に人気で、正直どちらを紹介すべきか迷うくらいでした。
という訳で、もしクストーザを飲んで気に入ったら、より味わい深いカ デル マーグロを試してみるのも良いでしょう。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸い。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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