当たれば感動。
外せは酸っぱい紹興酒。。。
すぐに買える長熟バローロは珍しく、比較的手頃な価格も魅力的。
口コミ(vinica)では、劣化に出会った方もチラホラですが、感動的熟成酒に出会った方も同じくらい。
リスクをスリルに変換して楽しめる方に特におすすめできるのでは?
そう感じましたのでこのバローロを紹介しようと思いました。
※リスクが少ない長熟バローロでしたらボルゴーニョをおすすめします。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ピオ チェザーレ バローロ
《価格》
【7000~20000円】
※古酒は高額
《ブドウ品種》ネッビオーロ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ピエモンテ州
《生産者》 ピオ チェザーレ
ピオ・チェザーレ社は、ピエモンテ州に1881年に設立された歴史ある生産者。家族経営の長い伝統を継承しつつ新しい取り組みにも積極的で、土地の個性を反映した最高品質のワインを造る理念を持つ生産者です。
創業時から変わらないエチケットはピオ家の「自信と誇り」の現れ。
今回紹介しているバローロはピオ チェザーレの看板銘柄で、世界中のトップレストランなどでも採用されており、その評価は以下の通りです。
・「ワインスペクテイター」「ジェームス サックリング」「ワイン アドヴォケイト」などのワイン誌で、毎年のように90点台を獲得。
・パーカーポイントでは最高で95点を獲得。
《味わいの特徴》
強さと柔らかさを両立
複雑な味わいは
熟成でエレガントさが増す
このワインは、風格あるバローロらしい豊富なタンニンや強めの酸があり、力強さのある飲み口と複雑な風味を伴った味わいがあります。しかし、豊潤な果実も持ち合わせることで親しみやすさも同時に持ち合わせています。
また、長期熟成を経ることで成分は溶け合いしなやかになり、円熟した風味が広がるエレガントさが増してきます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性と長期熟成■
バローロに使用されるネッビオーロは、ピノノワールに近い透明感のある色調。そして強めの酸と収斂(しゅうれん)性のあるタンニンが特徴的で、適度な果実味と出汁の効いたような旨味が感じられます。
長期熟成で酸やタンニンはワインに溶け込むことでしなやかさが増し、タバコ、トリュフ、革製品など複雑な風味を伴った深い味わいが現れてきます。
■複数の畑■
異なる個性を持つ畑のブドウをブレンドして造られるバローロで、それぞれのブドウが持つ多様な香りと味わいが複雑性をもたらします。
■収量制限■
剪定などを行い収穫量を抑えます。そうすることで残されたブドウに成分が集まり、凝縮感のあるワインが生まれます。
■伝統と革新の融合■
近年リニューアルされた醸造設備は、重力だけでワインを移動するシステムを導入。
ポンプよりも衝撃が少なくワインに負荷をかけないため、ブドウの繊細さや個性を残せます。
また、熟成に使用する樽は伝統的な大樽とモダン(現代的)な小樽(バリック)を組み合わせます。
大樽=骨格あるタンニンや酸を残す
小樽=タンニンや酸をやわらげる
以上の効果があり、骨格ある成分は長熟にも向きつつ、比較的若くしても親しみやすい柔らかさを両立したワインを生んでいます。
【外観】
深みのあるルビーレッド
熟成するほど淡いレンガ色に近づきます
【香り】
チェリーやブラックベリーなどの果実香に、腐葉土やドライフラワー、樽のニュアンスも加わった複雑な芳香が広がります。
熟成期間が長いほど果実香はプラムやレーズンのような円熟したニュアンスになり、紅茶、革製品、土といった熟成香も広がりを見せます。
【味わい】
凝縮感のある果実味は、適度なコクや骨格あるタンニンと相まって充実感のある味わい。美しい酸が味わいをまとめると、複雑な風味を残した余韻が続きます。
熟成するほど果実味は熟した果実の甘味やコクが強まり、ワインに溶け込んだタンニンもしなやか。紅茶や革製品などの熟成のニュアンスも加わった味わいは、力強さよりもエレガントさが勝っており、心地よい風味を残した長い余韻へと続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち引き締まった印象。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~50年
※一般的傾向や口コミから推測
※ボトル差もあり、古酒にはリスクも潜む印象
【当たり年】
参考までに、ピエモンテ州のヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1952年 5
1958年 5
1961年 5
1964年 5
1971年 5
1980年 3
1981年 3
1982年 5
1983年 2
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 3
1988年 4
1989年 5
1990年 5
1991年 2
1992年 2
1993年 3
1994年 2
1995年 3
1996年 5
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 5
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑な香りと、円熟した奥深さのあるワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
キノコのリゾット
ラムチョップ
円熟した味わいを持ったバローロで、料理とワインが互いを高め合うマリアージュが楽しめるでしょう。
合わせる料理も上質で程良いコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
これはもう紹興酒。。。32年熟成の85は既に終わっていた。飲めない。。。
これって健全?美味しいかって聞かれたら答えはノー。淡いオレンジ系の色合いで、かなりのご老人って感じ。酸っぱい紹興酒のようです。まぁ、これもまた経験ですか。。。58年熟成の1959ですもの。
おぉ。。床下から28年前のワイン1990が出現!!結果はアウト!!何でも熟成させりゃ良いわけではないですね。
【良い口コミ】
グレートな1971は46年熟成。いまだ生命力を感じる果実香に、枯葉や土に紅茶の香も加わります。これは素晴らしいですよ!!
ずっと飲んでいたい素敵なワイン。55年熟成の1955は、オレンジやレンガ系の透明感のある色調。果実、樽、ドライフラワーなどの香りがあり出汁系のニュアンスもある。熟成で溶けたタンニンは絹のようなしなやかさで、柔らかな甘味を伴った優しい味わいを強めの酸が引き締めます。
ワインの王と呼ばれるだけはあるね。5年熟成の2013はカベルネとは異なる重厚さがあり威厳を感じる。
13年熟成の2004は、近づき難い威厳を感じさせつつ優しさもある。頑固なおやじさんが孫に見せる笑顔のように?(笑)最初はちょっと閉じ気味だけど、1時間程度で開花。果実、花、紅茶、土、ドライフラワー、革などなど複雑な芳香に圧倒されます。バローロらしい豊富な酸とタンニンは品格がありますが、適度で心地よい果実味で親しみやすさも共存。まだまだ熟成の可能性も秘めた素晴らしいワインだと思いました♪
やはりネッビオーロは素晴らしい。10年熟成の2010は熟成感もありつつ、さらなる長熟ポテンシャルを感じるスケールがあります。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 17%
美味しい 43%
普通 33%
良くない 7%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
結構評価に波があるな~。というのが第一印象。
10年熟成程度までの若いワインでは、やや閉じ気味ですが時間が経過するほど味わいが向上し、高い評価を与える方もチラホラ。
20年を超える熟成物では、保存状態もあるでしょうが、劣化している場合も結構ありました。とはいえ、健全に熟成されたワインへの感動的評価もいくつかあるといった具合です。
劣化のリスクをスリル?として楽しめる方には30年以上の熟成物も勧めやすいですが、リスクを避けるなら20年前後が最も安全圏ではないかと感じました。
そしてすぐに購入できる長熟バローロであれは、少しチェザーレよりも高額ですがボルゴーニョの方が劣化の口コミも見当たらなかったので、おすすめしやすいとも感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ピオ チェザーレ バローロは
【価格】
7000~20000円
※古酒は高額
【味】
風格あるバローロらしい豊富なタンニンや強めの酸があり、力強さのある飲み口と複雑な風味を伴った味わい。しかし、豊潤な果実も持ち合わせることで親しみやすさも同時に持ち合わせている。
また、長期熟成を経ることで成分は溶け合いしなやかになり、円熟した風味が広がるエレガントさが増す。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~50年
※一般的傾向や口コミから推測
※ボトル差もあり、古酒にはリスクも潜む印象
【当たり年】
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1952年 5
1958年 5
1961年 5
1964年 5
1971年 5
1980年 3
1981年 3
1982年 5
1983年 2
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 3
1988年 4
1989年 5
1990年 5
1991年 2
1992年 2
1993年 3
1994年 2
1995年 3
1996年 5
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 5
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
【口コミ】
10年熟成程度までの若いワインでは、やや閉じ気味だが時間が経過するほど味わいが向上し、高い評価を与える方も少なくない。
20年を超える熟成物では、保存状態もあると思われるが、劣化している場合も結構ある。とはいえ、健全に熟成されたワインへの感動的評価もいくつかある。
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