「今を戦えない者に、次とか来年とかいう資格など無い。」
おぉ!心に刺さる強いメッセージを下さる先生です。
ありがとうございます。
さて、ドイツです。
前回【ドイツワインの基本データ】と【ドイツワインの特徴】について解説しました。
ザックリ復習すると、中規模のワイン生産国で、白ブドウはリースリング黒ブドウはシュペートブルグンダー(ピノノワール)を中心に造られ、上質の甘口ワインも有名ですが辛口白ワインも多く造られ、赤ワインも造られるようになり品質も年々向上しています。
という事でした。
そして今回は、
【ドイツワインの格付け階層】
についてです。
ちょっとややこしいですが、しっかり掴んで間違ったワインを選んでしまわないようにしましょう!!
ドイツワインの 格付け階層
まずは結論からいきましょう!!
ドイツワインは大きく
【4つの階層】に分類されます。
格上から順に。
1、Pradikats wein
プレディカーツヴァイン
2、Qualitats wein
クヴァリテーツヴァイン
3、Land wein
ランドヴァイン
4、Deutscher wein
ドイチャーヴァイン
です。
4のドイチャーヴァインは地理的表示のないテーブルワイン。
3のランドヴァインはもう少し規定の厳しいワインで地理的表示の認められているものです。
しかし!!このドイチャーヴァインとランドヴァインは合わせて全体の3%程度の生産量で出会うこともほとんどありませんから、そういうのもあるという認識程度で十分です!!
よって重要なのは、
【クヴァリテーツヴァイン】
【プレディカーツヴァイン】
という事です。
それでは1つずつ解説しましょう。
■クヴァリテーツヴァインとは■
英語でいうクオリティーワインです。
つまり質の高いワインという事です。
※以前はQ.b.Aと表記していましたが、近年はQualitatuweinと表記します。
■クヴァリテーツヴァインの規定■
【13】ある特定生産地域(これは次回くわしく!)のどれか1つの地域内のブドウを100%使用するなどの規定があり、アルコール度数を高めるための補糖(シャプタリゼーション)が認められています。
■プレディカーツヴァインとは■
肩書付きワインの意味を持ち、クヴァリテーツヴァイン同様に質の高いワインです。
■プレディカーツヴァインの規定■
クヴァリテーツヴァインと同じく、【13】ある特定生産地域のどれか1つの地域内のブドウを100%使用するなどの規定があることは同じです。
クヴァリテーツヴァインとの大きな違いは補糖(シャプタリゼーション)が認められていない事です。
そしてその肩書は収穫時のブドウの糖度の高さによって分類されます。
その糖度の数値は【エクスレ度】というもので表されており、糖度計を開発したフェルディナンド・エクスレに由来しており、数値が高いほどブドウの糖度が高いというわけです。
プレディカーツヴァイン 6つの格付け階層
前述の通り収穫時のブドウの糖度の高さによって肩書は変わりますが、糖度が高いほど格上と考えるのがドイツ独特のもので【6段階】に階層化されています。
格上から順に。
1、Troken beeren aus lese
トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ
・150~154エクスレ
・トロッケンは乾いたという意味を持ち、つまり貴腐ブドウ(貴腐菌によって干しブドウ化した極甘口ブドウ)を表します。ベーレン=ブドウの粒。アウスレーゼ=選んで収穫を意味し。【粒選りの貴腐ブドウ】を使った極上甘口ワインというわけです。
2、Eiswein アイスヴァイン
・110~128エクスレ
・あえて冬まで収穫を待ち、凍って水分が抜け糖度が高くなったブドウを使う甘口ワインです。
3、Beeren aus lese
ベーレンアウスレーゼ
・110~128エクスレ
・粒選り過熟ブドウ又は貴腐ブドウを使った甘口ワインです。
「上記の3つの肩書ワインはどうしても甘口ワインになるが、下記の3つの肩書ワインは辛口の場合もある。」
4、Aus lese アウスレーゼ
・83~100エクスレ
・選んで収穫、つまり房選りのブドウを使います。
5、Spet lese シュペートレーゼ
・76~90エクスレ
・シュペート=遅い、レーゼ=摘む、つまり遅摘みのブドウを使います。
6、Kabinett カビネット
・67~82エクスレ
・通常収穫のブドウを表しています。
以上です。
このようにブドウの糖度でワインの格が分類されているところがドイツ独特なんですね。
とはいうもののドイツでも辛口ワインや赤ワインも品質の高いものが造られるようになりました。
「上記のようにブドウの糖度でワインの格を決めるだけでなく、ワインの品質で評価されるべきという動きはやはり起こる。」
そんな事もあり、およそ200の優良生産者がV.D.P(ファウ・デー・ペー)プレディカーツヴァイン醸造所連盟という団体を作り糖度とは関係ない品質による格付けを作りました。
■V.D.Pの格付け階層■
V.D.Pでは2017年現在【4階層】に格付け分類されています。
格上から順に。
1、グローセ・ラーゲ
グランクリュに相当し、厳しい規定をクリアしたワインです。
このマークがあったらグローセ・ラーゲです。
2、エアステ・ラーゲ
プルミエクリュに相当するクローセ・ラーゲに次ぐ品質です。
3、オルツヴァイン
村名ワインに相当する品質です。
4、グーツヴァイン
地方名ワインに相当する品質です。
以上です。
ドイツではこのV.D.Pに憧れを持つ生産者も多く、ボトルにV.D.Pの表記があれば信頼できる品質のワインと考えてよいでしょう。
■補足■
【甘辛表記について】
ドイツではスティルワインの甘口・辛口の基準となる表記が【3つ】あります。
前述の通り、プレディカーツヴァインの中のアウスレーゼあたりでは発酵度合いによって甘口になったり辛口になったりする場合もあるため、そのような表記を作る事で消費者にとって味わいを想像しやすくしたんですね。
※ただし表記は任意です。
【3つの甘辛表記】
1、trocken
(トロッケン)
・辛口です
「トロッケン・ベーレン・アウスレーゼのトロッケンは乾いた貴腐ブドウを表すが、このトロッケンは英語でいうドライつまり辛口を意味するんだ。大きな味の違いがあるからこの事はしっかり覚えておけ。」
2、halb trocken
(ハルプトロッケン)
・やや辛口です。
3、feinherb
(ファインヘルプ)
・甘さの感じられる辛口です。
※Sekt(ゼクト)の甘辛表記※
ドイツのスパークリングワインには《ゼクト》と呼ばれるものがありますが、その甘辛表記も少しだけ解説しておきましょう。
スティルワインの甘辛表記と同一でも、意味合いが違うのでちょっと注意が必要です。
1、brut nature(ブリュットナトゥーア)
2、extra brut(エクストラブリュット)
上記2つは極辛口
3、brut(ブリュット)
辛口
4、extra trocken(エクストラトロッケン)
中辛口
5、trocken(トロッケン)
やや甘口(スティルワインでは辛口)
6、halbtrocken(ハルプトロッケン)
甘口(スティルワインではやや辛口)
7、mild(ミルト)
極甘口
しっかり知って甘辛を間違えないようにしたいですね!!
困ったら店員さんに相談しましょう(笑)
■まとめ■
・ドイツではワインの品質を見極める格付けが【2つ】あり。
【1、収穫時のブドウの糖度を基準にした格付け6階層】
【2、糖度ではなく品質を基準にしたV.D.Pの格付け4階層】
がある。
・スティルワインとスパークリングワインでは異なる意味合いを持つ甘辛表記がある。
以上です。
ちょっとややこしかったですが、これらを覚えればドイツワインもかなり選びやすくなると思います。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
「ミスをしない者は、何もしない者だけだ。恐れず進めばよいのだ。」
ありがとうございます!!
励まされた気分です!!
きっとどこかで私も気付かないうちにミスをしているのでしょう(笑)
とにかく一歩でも前に進みましょう!!
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