玄人を納得させる世界トップクラスのソーヴィニヨンブラン。
口コミ(vinica)の量こそ少ないものの、熟練ワインラバーの方々を納得あるいは満足させている印象で、非常に豊富なミネラル感が風格ある味わいを表現している事がわかりました。
特に優れたソーヴィニヨンブランを選ぶ時、カリフォルニアのアサツユも良いですが掘り出し物感あるクオルツも選択肢に持っておくべきでしょう。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》テルラーノ クオルツ ソーヴィニヨン
《価格》
【6500~8000】
《ブドウ品種》ソーヴィニヨン ブラン
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>トレンティーノ アルト アディジェ州
《生産者》 テルラーノ
テルラーノはトレンティーノ アルト アディジェ州の歴史ある協同組合で、品質の高さにこだわる優良生産者です。
オーストリア ハンガリー帝国領時代の1893年に設立され2021年現在に至るまで、優れた栽培家のみとパートナーシップを結び上質なブドウを購入。
醸造は高品質で長熟なワインを造りを貫いたセバスチャン ストッカー氏が1955年~1993年。
その後2021年現在は、そんなセバスチャン氏の意思を継ぎ天才醸造家と呼ばれるルーディ コフラー氏とクラウス ガッサー氏が中心となって運営されています。そんなテルラーノへの評価の代表例は以下の通りです。
・イタリアの権威あるガイドブック「ガンベロロッソ」で国を代表する生産者のひとつに選出。
・ミシュランイタリア版2015では、の三ッ星レストラン6軒中4軒でオンリスト。
今回紹介しているクオルツは「水晶」を意味する白ワイン。
テルラーノの看板「セレクション シリーズ」のひとつで、イタリアだけに留まらず世界を代表するソーヴィニヨン ブランのひとつに数えられる銘柄で、その実績の一例は以下の通りです。
・2015と2017ヴィンテージは「ガンベ ロッソ」で最高賞トレビッキエリを獲得。
・2018ヴィンテージがジェームズサックリング94点。
《味わいの特徴》
充実し気品ある味わい
トップクラスの
ソーヴィニヨンブラン
このワインの特徴は、凝縮感ある果実味を美しい酸がまとめるバランスの良さ、そして「水晶」を思わせる凛としたミネラル感が気品ある味わいを際立たせているところ。
充実感がありつつ透明感も持ち合わせた味わいは、トップクラスのソーヴィニヨンブランの風格ある味わいが楽しめます。
【外観】
輝きのあるレモンゴールド
【香り】
グレープフルーツや青リンゴにハーブのニュアンスも加わった爽やかでフレッシュな香りに、ラフランスや白桃を思わせるフルーティーな果実香も加わった豊かな芳香。鉱物的なミネラル香や仄かな樽のニュアンスも加わります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は熟した果実の適度な甘味と旨味を伴い、豊富な酸と凛としてクリアーなミネラル感が味わいをしっかりと引き締め、味わい深く気品ある余韻が長く続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■組合の仕組み■
組合メンバーが栽培するブドウは出来栄えによって買取価格が変動。
より上質なブドウを造ろうと農家は努力します。
■土壌の個性■
クオルツは「水晶」を意味しており、水晶を持つ石英斑岩土壌の区画から造られるワインです。
非常に豊富なミネラル感は硬質で凛としたニュアンスを表現しており、透明感と気品を持ち合わせた味わいは「水晶」を思わせます。
■品種の個性■
ソーヴィニヨンブラン100%で造られる銘柄で、柑橘類やハーブのような爽やかなニュアンスが特徴的な品種です。
■樽は控えめ■
ステンレスタンクで発酵し、その後ステンレスタンクと大樽で50%ずつ9ヶ月熟成後ブレンドされます。
樽の風味が付きやすい小樽ではなく大樽で、半分はステンレスタンクである事から、樽の風味は控えめで果実のピュアな風味が感じやすい造りと言えます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば凛としたミネラルや酸が際立ち引き締まった印象。気品ある上品な飲み口になります。
温度を上げるほどミネラルや酸は穏やかな印象になり、果実の風味が広がる優雅な味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
飲み頃はブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【中庸で膨らみのあるグラス】
香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、膨らみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
イベリコ豚のハーブグリル
アワビバター
充実した味わいを持つ白ワインで、繊細な味わいというよりはコクの豊かな料理との相性が良く、ソーヴィニョンブランのハーブニュアンスは、ハーブを使用した料理とマッチします。
また、ワインの豊富なミネラル分は同じくミネラル豊富な魚貝類との相性も良いです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的なネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
500万年前の海底火山が隆起し、二酸化ケイ素が多い石英斑岩という火山岩で形成される珍しい土壌。3年熟成の2010はソーヴィニヨンブランにしては丸い印象でボリューム感があり、後半に塩味や凛としたミネラルの引き締めが感じられる。バランスが素晴らしく、じっくりと味わえるワインでした。
2015はまだまだ若い2年熟成。ハーブ系の青いニュアンスが押し寄せてきて、凛としたミネラルの塊が爆発!!スマートなイタリアイケメン男子みたいでした~~~♪♪
一流ワインの風格。ガンベロロッソで最高賞の2015は5年熟成です。適度な熟成により柑橘類やハーブの爽やかさに、マンゴーや黄色い花のふくよかさも加わった芳香。凝縮感ある味わいは熟した果実感が非常に強く驚かされると、クリスタルの如く気品あるミネラル感が余韻まで長く続く。
白ワインの銘醸地の優れた生産者。やはりテルラーノはどの白ワインも美味いがクオルツも然り。3年熟成の2014はソーヴィニヨンブランの良さを見事に引き出している。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 13%
美味しい 64%
普通 23%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
そもそも口コミ量の少ない銘柄でしたが、経験豊富なワインラバーの方々の高い評価が印象的でした。
「水晶」を意味するその名の通り、凛とした鉱物的なミネラル感があることがよくわかり、充実感ある果実味や酸、ほのかな樽の風味も感じられる味わいへの満足度はとても高い印象です。
ピュリニー モンラッシェやコルトン シャルルマーニュのような、凛としたミネラル感が好みの方に提案したい上級白ワインで、掘り出し物感のある優れた白ワインと感じる結果となりました。
ちなみに10年を越えるよな長期熟成酒に対するコメントが無い事は残念でしたが、充実感ある成分を持ち合わせたクオルツは、円熟し奥深く甘美な味わいになる事が想像されます。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
テルラーノ クオルツ ソーヴィニヨンは
【価格】
6500~8000
【味】
凝縮感ある果実味を美しい酸がまとめるバランス感覚、そして「水晶」を思わせる凛としたミネラル感が気品ある味わいを際立たせている。
充実感がありつつ透明感も持ち合わせた、トップクラスのソーヴィニヨンブランの風格ある味わい。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
そもそも口コミ量の少ない銘柄だが、経験豊富なワインラバーの方々の高い評価が印象的。
「水晶」を意味するその名の通り、凛とした鉱物的なミネラル感があることがよくわかり、充実感ある果実味や酸、ほのかな樽の風味も感じられる味わいへの満足度はとても高い印象。
以上です。
知る限りではカリフォルニアの「アサツユ」や、ロワールの「ダグノー シレックス」がソーヴィニヨンブラン最高峰かな?(ニュージーランドはまだ調べてないので。。。)という印象でしたが、調べるほどにクオルツもそれらと比肩するのではないかと思えるような銘柄でした。
有名な「アサツユ」と比較してしまえば口コミ量も1/30程度。
知名度もそれほど高くないと思われますから、アサツユファンの方に掘り出し物感あるクオルツを提案してみるのも良いかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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