カンパーニャ州の手頃なアリア―ニコの最有力と感じた銘柄。
親しみやすくも充実感ある味わいへの口コミ満足度も高い印象ですが、調べてみるとファルネーゼの傘下にある生産者。
カサ―レヴェッキオをはじめ、誰が飲んでも理解しやすいようなコスパワインを生む印象のファルネーゼですが、このアリア―ニコにもその傾向は強く反映されているようです。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ヴェゼーヴォ ベネヴェンターノ アリアニコ
《価格》
【1400前後】
《ブドウ品種》アリア―ニコ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>カンパーニャ州
《生産者》 ヴェゼーヴォ
アブルッツォ州に本拠地を置きイタリア屈指のコスパワイン生産者であるファルネーゼ。
ヴェゼーヴォはそんなファルネーゼがカンパーニャ州の生産者協同組合を2000年に買い取って始めたワイナリーです。
ちなみにワイナリー名は同州にある「ヴェスヴィオ火山」のラテン名である「ヴェゼーヴォ」に由来しています。ファルネーゼはヴェゼーヴォに優秀な醸造家とコンサルタントを起用しており、コスパに優れた銘柄を生産。
イタリアのワインガイド「ルカマローニ」2012年版では、州別優秀生産者で1位を獲得しています。
今回紹介しているヴェゼーヴォ ベネヴェンターノ アリアニコは、同じく「ルカマローニ」で高評価を獲得しており、その一例は以下の通り。
2017ヴィンテージが94点
2019ヴィンテージが93点
《味わいの特徴》
豊潤な果実感と樽の風味
充実感ある
コスパアリア―ニコ
このワインの特徴は、凝縮感ある果実味とチョコレートやコーヒーを思わせる甘く芳ばし樽のニュアンスが感じられるところ。
豊富なタンニンと適度な酸もあることで、優しい飲み口に骨格を与えるバランス感覚も持ち合わせており、充実感ある味わいが手軽な価格で楽しめる点も嬉しい特徴と言えます。
【外観】
中心部が黒に近い深い赤紫
【香り】
プルーン、カシス、ブラックチェリーなど円熟した黒い果実の香りに、樽に由来するチョコレートやコーヒーのような香りも加わり、落ち着きある優しい芳香が適度に広がります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は熟したブドウの甘味とコクを伴ったミディアム~フルボディの飲み口で、親しみやすい印象。豊富なタンニンと中程度の酸味はしっかりとした味わいを表現しながら、甘味のある果実味をドライにまとめるバランス感覚があり、果実感と樽の風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■優れた小規模農家と契約■
上質なブドウを得るなら、広い自社畑を持ち多くの季節労働者を雇うよりも、専門知識と情熱を持ち合わせた小規模農家と個々に契約する方が良いと考えるファルネーゼ。
良いブドウを作れば高く買い取る仕組みは農家のモチベーションアップにもつながります。
また短時間で収穫ができ、収穫から醸造までの時間を24時間以内にできることは、時間経過による酸化などのリスクを軽減できます。
■優れた人選■
醸造家には地元出身で土壌や農家をよく知るアントニオ メローネ氏を起用。
コンサルタントには「デカンター誌」で世界のワインメーカーベスト5の1人に選出されたアルベルト アントニーニ氏を起用しており、常駐スタッフに様々なアドバイスを行っています。
■収穫のタイミング■
摘み頃のブドウを50%。
さらに1週後の完熟期を少し超えたブドウを50%使用しています。
アリア―ニコはカンパーニャ州を代表する土着品種で、豊富な酸とタンニンがあるため力強いワインを生む傾向ですが、完熟期を少し超えたブドウを半分使用することで、骨格ある味わいを凝縮感のある果実感が包み込むような優しさも両立しています。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはフレンチオークで6〜8ヶ月間熟成され、樽に由来するチョコレートやコーヒーのようなニュアンスが適度に反映されます。
《飲む時の適正温度》
【12℃~18℃】
低めの温度にすれば酸が際立ち引き締まった印象。軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象。果実感や樽の風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度も上がりやすいボルドーグラスが良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ピザ全般
牛肉のステーキ
濃い目のワインの味わいは肉やチーズを使用したものなどコクの強い料理との相性が良く、豊富なタンニンは脂分と結合しバランスを整える効果もあります。
逆に繊細な味わいの料理には、ワインの味わいに料理が負けてしまうためおすすめできません。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
余韻はあるけど、そんなに奥行きは無くサッパリとした飲み口。ボチボチな感じかな?
2年熟成の2019は香りが弱く、苦味を一番感じる。まあ普通。
【良い口コミ】
熟した黒系果実に樽に由来するビターチョコの芳香。アリアニコなので角があるかと思いましたが、思いのほかまろやかな飲み口で飲みやすい印象。2日目にはアリアニコらしい酸味も出てきたが決してネガティブな感じではなく、フードフレンドリーな良いワインだと感じた。
6年熟成の2015はカリフォルニアのような熟した果実感に、キャンティのような生き生きとした酸。そしてボルドーのような上品なタンニンを集めたような味わいで余韻も長く、飲んだ感がありますね。コスパも良いと言えるでしょう。
これはもうカリフォルニアワインでしょう♪だけど同じレベルのカリフォルニアを同価格帯で見つけることはできないのでは?5年熟成の2013は飲み応えがあり、みんなで1杯づつ楽しみたくなるようなワインでした♪
奥深さこそあまり無いけど、値段考えたらかなり満足!!5年熟成の2012はスモーキーな芳香で、甘味を伴った果実感と適度な酸もあり牛肉やチーズによく合いました♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 37%
普通 60%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
手頃なワインにしては飲み応えもあり好評な傾向です。
タウラージのような奥行きや風格は無いですが、濃いめの果実感は親しみやすさがあり、強めのタンニンと酸があることで飲み応えも持ち合わせている印象。
価格を考えれば満足できる意見も少なくありませんでした。
手軽にアリア―ニコを試したい時や、1000円台の濃いめの赤ワインの候補に持っておきたいコスパワインと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ヴェゼーヴォ ベネヴェンターノ アリアニコは
【価格】
1400前後
【味】
凝縮感ある果実味とチョコレートやコーヒーを思わせる甘く芳ばし樽のニュアンスが感じられ、豊富なタンニンと適度な酸もあることで、優しい飲み口に骨格を与えるバランス感覚も持ち合わせている。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
手頃なワインにしては飲み応えもあり好評な傾向。
タウラージのような奥行きや風格は無いが、濃いめの果実感は親しみやすさがあり、強めのタンニンと酸があることで飲み応えも持ち合わせている印象。
価格を考えれば満足できる意見も少なくない。
以上です。
手頃で濃いめのワインで、カベルネやメルローとは違った個性を持つアリア―ニコは、あなたの選択肢の幅を広げるアイテムになるかもしれませんね♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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